今流行りの完全ワイヤレスイヤホン、皆さんは試したことがあるだろうか。
完全ワイヤレスイヤホンは、名前の通りケーブルが一切存在しない。そのため、何かに束縛されることなく音楽を聴くことができる。
ただし、完全ワイヤレスイヤホンの問題は少々値段が張るということ。まだ完全ワイヤレスイヤホンを試していない方の中には、これがネックで手を出せていない方もいるのではないかと思う。
例えば、デザイン性の高いAppleの「AirPods」は2万円弱、音質が高いBoseの「SoundSports Free Wireless headphones」は3万円弱と、品質とデザインを追い求めるとどうしても高価になってしまう。
できれば手軽な価格で、完全ワイヤレスイヤホンを手に入れたい。ただし、とにかく安ければいいというわけではなく、それなりの音質は必要。これは実現できるのだろうか。
ありますよ、そんな都合の良いイヤホン。今回はそれを実現できる完全ワイヤレスイヤホン「
1万円だけど高い性能を持つ完全ワイヤレスイヤホン「TW-5000」
今回紹介する「
これまで、多くのオーディオブランドが完全ワイヤレスイヤホン市場に参入してきたが、まさかソフトバンクが完全ワイヤレスイヤホンの開発に携わっていたとは多くの方が予想していなかっただろう。実は、筆者もそうだった。
しかし、同製品の出来はお世辞ぬきでとても良い。
その実力は、国内最大級のオーディオ・ビジュアルアワード「VGP2018」で、金賞とコスパ賞を受賞するほどで、いわばその道のプロが認めた、高い性能を持った製品だ。
オーディオのプロを納得させた「TW-5000」、その魅力は一体どこにあるのだろうか。
まず、「TW-5000」を手にした時の驚きのひとつ、それは製品自体のコンパクトさ。
完全ワイヤレスイヤホンといえば、携行するためと充電するために必須な充電ケースが存在するわけだが、「TW-5000」の場合は充電ケースがとても小さいのだ。その大きさは手で完全に包み込むことができるほど、女性用ジーンズのポケットにだって入ってしまうほどの小ささだ。
イヤホン自体もとてもコンパクト。AirPodsなどに比べると少々デザイン性には乏しいものの、その代わり一切無駄がなくストイックなデザインが採用されている。
イヤホン本体は手に馴染むしっとり系の素材が使用されており、手にとてもよく馴染む。ただし、ベッタリと肌にくっつく訳ではないため、耳にはめても不快感はない。
本体デザインはどんぐりのような丸っこいデザインだが、凹凸があるため、見えない場所に転がっていき紛失といったことはないだろう。
装着時も耳から大きくはみだすことがないため、何かに引っ掛けてイヤホンを落とすといったリスクも回避することもできそうだ。
耳への装着は、AirPodsのように垂れ下がる形式ではなく、耳の内側に上向きに装着する。耳の穴にイヤホンを差し込み、外耳の内側にある「対輪」にはめる形だ。このおかげで耳にしっかりフィットするため、頭を大きく揺さぶったり傾けたとしても、ポロっと落下することはない。
次に充電ケースだが、デザインはまさに指輪ケースのような形状。蓋を開けるとイヤホンを固定するための穴がふたつ用意されており、この穴に入れて充電する仕組みになっている。
穴の内部にはマグネットが仕込まれており、イヤホンを入れようとすると磁石の力でイヤホンが引きつけられる。マグネットの力はそれなりに強力なのか、手を離すと誘導されるようにパチッと固定される。
充電ケースの蓋もマグネット式で、開閉やイヤホンの取り出し、全てが磁石の力。ちなみに、磁石のくっつき力があまりに気持ちよく、何度もカチカチと遊んでしまいたくなるような感触。この感覚を言葉で伝えるのは少々難しいのだが、実際に触ったらおそらくお分かりいただけると思う。
ケースの重さは35g、イヤホン本体の重量は1個5gなので、合計でわずか45gだ。これはタマゴ1個の重さよりも軽いことになる。
ちなみに先日、同イヤホンをコートのポケットに入れて持ち歩いていたのだが、あまりにコンパクトで軽いからか、ポケットに入っていることに気付かず、紛失したと勘違いしてしまったほどだ。
「TW-5000」の操作ボタンは左右イヤホンに1個ずつ用意されている。ボタンはイヤホンの背の部分にあり、これを押すことで音楽再生コントロールが可能。ボタンの大きさも指と同じくらい、ボタンの柔らかさも適当で、(ボタンの)押しづらさを感じることもなかった。
右側のボタンを押すと音量アップ、左側のボタンを押すと音量ダウン。そして、右側を二度押しで再生停止、音楽停止中に押すと再生が再開される仕組み。
さらに、どちらかのボタンを長押しすることでSiriの起動もできる。iPhoneをポケットやカバンから取り出さずに、Siriと話ができるのはとても便利だ。
操作一覧は以下のとおり。AirPodsなど他の完全ワイヤレスイヤホンができることはほぼ全てボタン一つで行うことができるようになっている。
L | R | |
---|---|---|
音楽を再生 | どちらかを1回押す | |
音楽を停止 | – | 2回押す |
次の曲へ | – | 長押し |
前の曲へ | 長押し | – |
電話を受ける | どちらかを1回押す | |
通話終了/着信拒否 | どちらかを長押し | |
音量を上げる | – | 1回押す |
音量を下げる | 1回押す | – |
Siriを起動する | どちらかを長押し | |
Siriを終了する | どちらかを長押し | |
2台目以降のデバイスとの接続 | – | 3回押す |
「TW-5000」の連続駆動時間は最大で10時間。これは、充電がなくなったら充電ケースでバッテリーを補充を繰り返した時の話で、イヤホン本体の使用時間は最大で3時間となっている。
3時間以上の長い時間、音楽を聴き続けるには向いていないが、移動中に音楽を聞く時など、1日の生活の中で断続的に音楽を聞く方にはぴったりな製品だ。
デバイス名 | 駆動時間 | 価格 |
---|---|---|
3時間 ケース使用:10時間 |
9,864円 | |
Anker Zolo Liberty+ | 3.5時間 ケース使用:48時間 |
14,980円 |
Apple AirPods | 5時間 ケース使用:24時間 |
18,144円 |
Bose SoundSports Free Wireless headphones | 5時間 ケース使用:10時間 |
29,160円 |
駆動時間は他のイヤホンより劣る
ちなみに毎回のペアリングはとても簡単。ケース内のイヤホンを中から取り出すだけで、iPhoneとのペアリングは自動的に完了する。あとは耳にはめて、イヤホンのボタンをワンプッシュするだけで音楽の再生がスタート。完全ワイヤレスイヤホンを触ったことのない方なら、「音楽ってこんなに身近な存在だったっけ?」とあまりの手軽さに驚くに違いない。
初回セットアップ時には多少の手順を踏む必要があるものの、それも大して難しくない。あまりデジタルガジェットに詳しくない筆者の友人でも簡単にセットアップできていたので、初心者でも問題なく扱えるだろう。
ちなみに、「TW-5000」には電源のオン・オフといった概念がない。いや、厳密にはあるのだろうが、ユーザーは特に気にする必要がない、といったほうが正しい。
なぜなら電源ボタンが用意されておらず、充電ケースから取り出した時に自動的に電源がオンになる仕組みになっているからだ。また、電源オフはケースに収納した時に自動的に行われる仕組みとなっている。
実際、イヤホンを外した時は音楽を聞く必要のない時。音楽を聴き終わったらイヤホンをしまうはずで、当然片付ける先は充電ケースの中だ。
つまり、手動で電源オンオフする必要性はないため、電源のオン・オフは自動で行われる。電源を切るのを忘れていて、朝になったらバッテリーが空だった、というのも防ぐことができるため、とても便利だ。
音質は他の完全ワイヤレスイヤホンと肩を並べる 高級ワイヤレスイヤホンと大きな差はない
さて、ここまでは「
前述したように、「TW-5000」の性能はとても高い。その理由の一つに「高い音質」がある。
「TW-5000」の音質を一言で表すなら、バランス型。中音が少しだけ強めに押し出されている印象を受けるが、低音や高音もそれなりにしっかりと出ているため、どんな音楽でも満足のいく音で聴くことができる。
Boseの高級イヤホンなどに比べると低音の弱さを感じることもあるが、決して大きな差を感じるほどでもない。1万円弱の製品の中では、確実に上位に食い込む音質だろう。
AACコーデックにも対応しているため、iPhoneで音楽を聞く方ならとてもクリアな音を楽しむことができる。また遮音性もそこそこなため、多少騒がしい場所でも、音楽に集中することができる。
ただし、完全ワイヤレスイヤホンの宿命といえばそうなのかもしれないが、どうしても音の奥行きを感じるには至らなかった。ボーカルとの距離感も近く感じられることもあるため、やはりライトな使い方が最適で、じっくりと音楽を聴きたいときは本格的なヘッドホンが欲しいと感じる時も。重要なのは「適材適所」だ。
ちなみに、Bluetoothの接続に関してだが、基本的に安定した接続を提供することができている。ワイヤレスイヤホンを利用する人が多い電車内や駅構内などでもほとんど途切れることなく使用できており、ごく稀に一瞬音が途切れることがある程度。フードや帽子をかぶって、意図的に電波を妨げようと試みたが、音が途切れることはなかった。
ただし、Macなどで使用する際に、複数のBluetooth機器と接続した状態でペアリングした時にはプチプチと音が切れることがあった。
筆者は最大7台のBluetooth機器と接続する機会がある。おそらくこれほど多くのデバイスと接続している方はさほど多くないと思うので問題ないと思うのだが、試しにペアリングする機器を減らしたところ安定した接続が可能になった。
その後何度かテストしてみたのだが、おそらく2~3台程度のBluetooth機器と併用することは可能、あまりにBluetooth機器が多いと状況によっては接続が不安定になることもあるようだ。もし、多くのBluetooth機器と接続する場合は注意が必要かもしれない。
「TW-5000」は予想以上の性能 初めての完全ワイヤレスイヤホンにオススメ
プロが褒めた「TW-5000」。同製品の最大の魅力は、コストパフォーマンスの高さにある。
同製品の価格は、
もちろん、最高の音質を求める方には、高級ワイヤレスイヤホンをチョイスしていただきたいところだが、手頃な価格で失敗しない完全ワイヤレスイヤホンを入手したい方には最もオススメしたい製品のひとつと言えるだろう。
ちなみに、筆者は「TW-5000」の携帯性の良さにも魅力を感じている。ポケットにしまっておいて、いつでも取り出してすぐに音楽を聞くことのできる手軽さは、完全ワイヤレスイヤホンを選ぶ最大の利益。
これから完全ワイヤレスイヤホンを購入することを検討している方は「GLIDiC Sound Air TW-5000」を選択肢に加えてみてはどうだろうか。ココロもカラダも解き放つ、完全ワイヤレスイヤホンの魅力をぜひ「