Nintendo Switchの映像・音声を純正ドックなしでテレビ・ディスプレイに出力できる便利アイテムが登場した。その名も 「GENKI Dock」 。
本製品はスマートフォン用の電源アダプタほどのポケットサイズで、Nintendo Switchの純正ドックの機能を利用できる次世代ドックとも言える存在。画面・音声の出力やNintendo Switch本体の充電など、基本的な機能はすべてこれ1つでまかなうことができる。
現在クラウドファンディング 「Makuake」 で資金を調達中で、すでに目標金額の50万円をはるかに超えた4千万円もの支援を得ている状態だ。製品の出荷は5月末を予定しているとのことだが、それを前に開発元からプロトタイプをお借りし、数週間試すことができた。
はたして本製品の実力はどれほどのものなのか。当記事では 「GENKI Dock」 の仕様や実際の使い心地などをレビューとしてお伝えしたいと思う。
製品デザイン・仕様をチェック
まずは 「GENKI Dock」 のパッケージ。Nintendo Switchを彷彿とさせる赤と青のカラーが印象的だ。
こちらが今回紹介する 「GENKI Dock」 の本体だ。GENKI Dockのスゴいところは超コンパクト設計である点。なんとNintendo Switchの純正ドックに比べて1/10のサイズになっているため、持ち運びがとっても楽。パッケージサイズからもう少し大きいのかと思っていたが、スマートフォンに付属する電源アダプタとほとんど変わらないくらいのサイズ感になっていた。
電源プラグは折りたたみ式でアダプタ背面に内蔵。必要な時に引っ張り出して使うことができる。普段、カバンに入れて持ち歩く際に一緒に持ち運ぶものを傷つけたりする心配もなさそうだ。
重量はMakuakeプロジェクトページに69gと記載されているが、手元に届いたプロトタイプは103gと約30g重くなっていた。これは内部の上限温度が日本の認証基準を超えていたため、発生した熱が一ヶ所に集中しないように調整している関係で増量しているとのこと。現在開発元では少しでも軽くできるように調整しているとのことだ。
本製品に搭載されているポートはUSB Type-AとUSB Type-C、そしてHDMIがそれぞれ1ポートずつ。純正ドックとのポート数の違いは以下のとおりだ。
GENKI Dock | Nintendo Switch Dock | |
---|---|---|
USB Type-C | 1ポート | 1ポート |
USB Type-A | 1ポート | 3ポート |
HDMI | 1ポート | 1ポート |
大きな違いがあるのはUSB Type-Aポートの数。純正ドックは3ポートだが、GENKI Dockは1つだけとなっている。
USB Type-Aポートを使う周辺機器はまだそこまで多くはないが、気をつけなければならないのは『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』でゲームキューブコントローラーを使いたいとき。「ニンテンドーゲームキューブ コントローラー 接続タップ」 はUSB Type-Aポートを2つ使用するため、GENKI Dock単体では利用できず、USBハブをかませる必要があることに注意だ。
「GENKI Dock」 にはいくつかの機能が用意されている。今回のレビューは、本製品の最大の目玉である “Nintendo Switchの映像・音声を純正ドックの代わりにテレビ・ディスプレイに出力する機能” をメインで紹介するが、そのほかにもMacBookなどUSB Type-C対応デバイスを充電したり、ノートPCの映像をディスプレイに出力することも可能だ。
- Nintendo Switchの映像・音声をディスプレイに出力
- ノートPCやタブレットの映像・音声をディスプレイに出力
- USB Type-C・USB Type-A対応機器を充電
- USB Type-C・USB Type-A間でデータ通信可能
上記は全同梱物。持ち運び用のポーチ、取扱説明書、謎ステッカー、USB Type-Cケーブル。
ステッカーは某”星の戦士”など見たことがあるようなキャラクターが。
実際にNintendo Switchと接続してみた
早速、Nintendo Switchと接続してみた。
接続方法はとてもシンプル。Nintendo SwitchとGENKI DockをUSB-Cケーブルでつなぎ、GENKI DockとディスプレイをHDMIケーブルで繋ぐだけだ。
これらのケーブルを繋ぐと、Nintendo Switchの画面が消えて、自動的に映像がテレビ・ディウスプレイに出力されるようになる。映像品質は1080p/60Hzなので純正ドックと同じ映像クオリティでゲームをプレイできる。
当然ながら純正ドックに接続した時と同じ挙動(TVモード)になり、GENKI Dock接続中はNintendo Switch本体の操作は基本受け付けなくなるため、Joy-ConやProコントローラーなどの外部コントローラーでの操作が必要になる。また、同機能はNintendo Switch Liteでは使えない(LiteはTVモードに対応しない)ため、その点には注意が必要だ。
実際にGENKI Dockを使って発売したばかりの『あつまれ どうぶつの森』をプレイしてみたが、純正ドックと同じ映像(遅延なし)で遊ぶことができたため、完全なる代替が可能だ。
むしろ、純正のドックよりも場所を取らない設計なので、GENKI Dockをメインに据えてもいいくらい。純正ドックは、ドックの上からNintendo Switchを抜き差しする必要があるが、GENKI Dockはケーブルの抜き差しで画面出力が可能だ。異常な発熱などもなかったため、安心して使うことができるだろう。
この小型化は次世代パワー半導体(窒化ガリウム/GaN)を採用したことで実現できたとのこと。このパワー半導体は、発熱を抑えながら高い出力を実現するのにうってつけの素材で、最近ではスマートフォンやラップトップPCの充電器にも採用されはじめているが、ゲーム機周辺で同素材が採用された製品はかなり珍しい。
また、地味に嬉しいのが付属するUSB-Cケーブルの形状がL字であるということ。ケーブルの取り回しが楽チンで、テレビの周りがスッキリさせられるのも本製品のグッドポイントだ。
前述のとおり本製品はスマートフォンやラップトップPCの充電アダプタとしても利用可能。最大出力は25Wなので、iPad ProやMacBook Airといった比較的高出力が求められるデバイスの充電もお手の物だ。
こんな人に 「GENKI Dock」 はオススメ。
①複数の部屋で、Nintendo Switchの映像を出力したい方
②外出先で、Nintendo Switchの映像を出力したい方
③MacBook AirなどUSB Type-Cで充電できるデバイスをお持ちの方
まとめ
以上、GENKI Dockのレビューをお届けした。本製品は純正ドックを置き換えられるだけでなく、外出時の荷物の軽量化もできる便利グッズ。Nintendo Switchユーザーはおそらく重宝するのではないだろうか。
筆者はNintendo Switchの純正ドックをすでに自宅の寝室と居間に配備済みなので、GENKI Dockは旅行や実家への帰省時などにNintendo Switchを持っていくときのお伴として利用しようかと考えている。Nintendo Switchをお持ちの方、ぜひ導入を検討してみてはどうだろうか。
GENKI Dockは現在、クラウドファンディングサイトMakuakeにて、先行販売が行われている。一部の早割は既に受付終了となってしまっているが、まだ18%オフで購入できるキャンペーンは利用できるようだ。