「Galaxy Z Fold7」 正式発表。普通のスマホと同等の薄さを実現〜画面も大きくカメラもウルトラ化

サムスン電子は現地時間7月9日に開催された「Galaxy Unpacked」にて、次世代フォルダブルスマートフォン「Galaxy Z Fold7」を発表した。

国内発売日は8月1日(金)。発売に先がけて、7月17日(木)より予約受付を開始する。Samsungオンラインショップにおける公開市場版 (SIMフリーモデル) の販売価格は、256GBが265,750円、512GBが283,750円、1TBが329,320円だ (いずれも税込)。

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初代Foldから「半分の厚さ」に。ついに「普通のスマホ」と並んだフォルダブルスマートフォン

初代Foldから6年、シリーズの7世代目にあたる今回の新モデルは、史上最も薄く、最も軽い「Z Fold」として大きな進化を遂げている。

サムスン電子は「Galaxy Z Fold7」について、これまでSシリーズのフラッグシップに与えられていた「Ultra」に並ぶ「ウルトラ級」モデルであると表現する。これには、薄さと軽さ、パフォーマンス、カメラ、AIなどのすべての要素が「ウルトラ級」であることを示したものだ。

Z Fold7は、本体を閉じた状態でわずか8.9mmという驚きの薄さを実現した。これは2019年に発売した初代Foldの厚さ「17.1mm」の約半分となっており、S25 Ultraなどのバータイプのスマートフォンと並べても違和感がないほどの薄さで、Foldシリーズの歴史の中で最大の薄型化を果たしたことになる。

具体的な本体サイズは、開いた状態で約143.2×158.4×4.2mm、閉じた状態で約72.8×158.4×8.9mm。実際に手に取ってみると、折りたたみスマートフォンであることを忘れるほどスリムで、バータイプのスマートフォンとほとんど変わらない感覚に驚かされた。

この薄さを支えるのが、再設計された「アーマーフレックスヒンジ」だ。ヒンジの回転部品とアーム部品には新たな素材が用いられ、部品そのものの薄型化を実現。さらに、ヒンジの構造そのものも見直されており、ウィングプレートの長さを短縮し、回転部分を薄くすることでヒンジ全体の厚みを抑えることに成功している。従来はウィングプレートの長さゆえにヒンジが相対的に厚くなっていたが、新設計では支持部と回転部を分離し、空間効率を高めることでこの課題を克服した。

そして、構造の変更によってヒンジ内部に余裕が生まれたことで、ディスプレイは中央部でより緩やかなカーブを描くようになった。その結果、折り目の目立ちにくさが向上し、折りたたみスマートフォン特有の段差がさらに感じにくくなっている。また、折りたたみ部分に衝撃が加わった際の耐久性も高まっており、見た目と実用性の両面で進化が感じられる仕上がりだ。

ディスプレイ自体も刷新され、メインディスプレイのにはチタンプレート層が追加された。これにより、これまで以上に薄く軽量でありながら、かつ頑丈な画面構造を実現している。外側のカバー画面には、耐傷性・耐衝撃性に優れた「Gorilla Glass Ceramic 2」が採用されており、スリムでありながら高い保護性能を誇る点も見逃せない。

本体重量も215gに抑えられ、前モデル (239g) より24g軽量化。Foldシリーズが「重くて使いづらい」と感じていた層にも訴求できる仕様に仕上がっている。日常使いにおける取り回しの良さや、端末全体の完成度を重視するユーザーにとっては、大きな進化といえるだろう。

ただし、こうした薄型化と軽量化を優先した結果、Galaxy Z Fold7ではSペンへの対応が見送られている。Sペンユーザーにとっては惜しい変更かもしれない。

画面は、本体を閉じて約6.5インチ、開くと約8インチになるAMOLEDを搭載する。閉じた際の横幅が従来より広くなったことで、SNSやメッセージアプリでのキーボード入力がより快適になっている。ちなみに、リフレッシュレートは1〜120Hz、画面のピーク輝度は最大2,600ニトで、先代モデルから変わっていない。

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Galaxy S25 Ultraと同じ2億画素カメラを搭載。折りたたみスマホでもキレイな写真が撮れる

アウトカメラは、カメラ構成は先代モデルと同じくメイン・超広角・望遠のトリプルカメラだが、ついにSシリーズの最上位モデル「Ultra」と並ぶクラスに到達した。

メインカメラには2億画素センサーをシリーズで初めて搭載し、従来比で約4倍のディテール向上と44%明るい撮影を実現。超広角レンズは画素数は1,200万画素と変わらないものの、オートフォーカスに対応したほか、マクロ撮影も利用できるようになるなど、実用面で大きく進化している。望遠カメラは引き続き1,000万画素のままだ。

ナイトグラフィー性能も向上しており、暗所でもノイズを抑えて高品質な写真が撮影可能に。10-bit HDRにも対応したことで、より色鮮やかに被写体を捉えることができるようになった。

インカメラも進化を遂げている。従来まではメインディスプレイ側のインカメラは400万画素のアンダーディスプレイカメラを採用していたが、今回はパンチホール方式のカメラを採用したことで、1,000万画素・100度の視野角にグレードアップ。セルフィーやビデオ通話でも高品質な撮影ができる。なお、カバーディスプレイ側のインカメラは引き続き1,000万画素だ。

「ウルトラ級」 のパフォーマンスとAI体験を実現

パフォーマンス面では、Qualcommの最新SoC「Snapdragon 8 Elite for Galaxy」を搭載。ゲームや高負荷アプリも快適に動作し、バッテリー効率も改善された。メモリ容量は256GB・512GBモデルが12GB、1TBモデルのみ16GB。

AI体験も強化されている。写真に写り込んだ不要な人物や影を瞬時に消したいときには、手動で人物を選択せずとも、生成AI編集の「消しゴムサジェスト」ボタンをタップするだけで瞬時に範囲を選択して消去できるように。「元の画像を表示」ボタンを使えば、編集前と後の画像を見比べながら編集することもできる。

動画の音声から風の音などの不要なノイズを除去する「オーディオ消しゴム」も、より便利に進化。従来はAIアイコンをタップした後に手動での編集が必要だったが、今回からワンタップで除去できるようになり、利便性が向上した。

ちなみに、オーディオ消しゴムは従来まではギャラリーアプリ内にある動画のみに適用可能だったが、今回からはボイスレコーダーやSamsung Notes、通話録音の音声などにも利用できるようになった。

また、画面に表示されている内容と連携して音声でアドバイスをもらえるマルチモーダルAI機能も搭載。たとえばスニーカー購入時に、Samsung Healthの運動データと連携して、AIが最適なモデルをレコメンド。提案内容はSamsung Notesに保存することもできる。ウェブ上での調べ物も、Galaxy AIの「ウェブアシスト」で一発要約・翻訳が可能だ。

バッテリー容量・生体認証などその他仕様

バッテリー容量は、先代モデルから変わりなしの4,400mAh。ただし、SoCの省電力化によってバッテリー駆動時間は向上している。

防水・防塵性能はIPX8 / IP4Xで、折りたたみスマホながら水回りや埃っぽい場所でも安心して使用できる。

通信まわりでは、最新のWi-Fi 7に対応したほか、eSIMも引き続き対応。生体認証は顔と指紋のダブルでの認証に対応するため、使う場所や状況によって柔軟にロック解除が可能だ。

なお、OSはAndroid 16をベースにした「One UI 8」を搭載し、7世代のOSアップグレードと7年間のセキュリティアップデートを保証する。

カラー・価格・予約情報

「Galaxy Z Fold7」のカラーラインアップは、「ブルーシャドウ」「シルバーシャドウ」「ジェットブラック」、さらにSamsungオンライン限定で「ミント」も用意される。

ストレージ容量はいずれのカラーも256GBと512GBを選べるほか、ブルーシャドウとジェットブラックのみ1TBも選択可能だ。

Samsungオンラインショップでの価格は、256GBが265,750円、512GBが283,750円、1TBが329,320円 (いずれも税込)。発売は8月1日(金)、予約受付は7月17日(木)から開始される予定だ。

Galaxy Z Fold7の発売を記念して、Samsungオンラインショップでは予約購入キャンペーンが実施。7月31日(木)23:59までにSIMフリーモデルを予約購入すると、最新ワイヤレスイヤホン「Galaxy Buds3」をもれなくプレゼントする。また、同じくオンラインショップでGalaxy Z Fold7と一緒に対象アクセサリーを購入すると、アクセサリーが最大50%オフで購入できるキャンペーンも実施する。

Samsungオンラインショップでのキャンペーンの詳細についてはこちらの特設ページをチェックいただきたい。

Galaxy Zシリーズ取材
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