現地時間8日、米電気自動車大手テスラのCEOイーロン・マスク氏はTwitterの買収合意を撤回すると明らかした。現地時間8日に米国証券取引委員会(SEC)に提出された資料からも判明している。
買収撤回の原因とされているのは、Twitterに蔓延るスパムやボット、フェイクアカウントの割合。Twitterの試算によると、スパム、ボット、フェイクアカウントの割合はサービス全体の5%未満と言うが、マスク氏は実態としてはTwitter社の試算よりも多い20%程度であると主張している。
マスク氏はTwitter側に、これらの偽アカウントが5%以下であることが裏付けられるまで買収を一時保留すると伝えており、対するTwitterはマスク氏の主張する割合を否定していた。
前述の提出書類にはTwitter宛の書簡が含まれており、マスク氏は、Twitterがこれまで開示した情報では不十分で、さらに偽アカウントの算定方法に関する情報も提供していないと主張。Twitterが契約における義務を履行していないとし、買収を見送ることを示した。
The Twitter Board is committed to closing the transaction on the price and terms agreed upon with Mr. Musk and plans to pursue legal action to enforce the merger agreement. We are confident we will prevail in the Delaware Court of Chancery.
— Bret Taylor (@btaylor) July 8, 2022
一方のTwitterは、今回のマスク氏の買収撤回をうけて、法的措置を取る構えを見せている。TwitterのBret Taylor会長は 「Twitterの取締役会は、マスク氏と合意した条件で買収取引を成立させることにコミットしており、合意履行を求めて法的措置を講じる」 とツイート。マスク氏の買収劇は法廷での論争に発展することになりそうだ。