dynabook XP/ZY レビュー。1kg未満でフル端子搭載。持ち運びやすさ重視のCopilot+ PC

Dynabookのプレミアムモバイルノート「dynabook XP/ZY」は、最新のインテル Core Ultra プロセッサー(シリーズ2)を搭載し、「Copilot+ PC」に準拠したAI時代のフラッグシップ機だ。

超軽量なボディとセルフ交換バッテリーという独自のアドバンテージを維持しつつ、最新のAI機能をローカルで処理できる性能を手に入れた本モデル。今回、実機を試す機会をいただいたのでレビューをまとめていきたい。

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軽くて持ち運びやすく、洗練されたデザイン

XP/ZYの第一印象は、洗練されていてスタイリッシュ、という一言に尽きる。本体カラーの「ダークテックブルー」は深みのある濃紺で、フラッグシップ機らしい上質な雰囲気を醸し出す。

本モデルの最大の魅力は、そのモビリティ性にある。本体質量はわずか約958gで超軽。最薄部は約18.7mmとスリムボディを実現しており、毎日快適に持ち歩ける。本体サイズは、幅312.4 × 奥行222.5 × 高さ18.7〜18.9mmだ。

軽いノートPCの場合、天面を開くときに本体がガタンとひっくり返りそうになることがあるが、本モデルはディスプレイ上部に指かけがあるのに加えて、ヒンジもスムーズに動作するため、片手だけでも本体がガタつくことなく開くことができる。細かい点ながら、モバイル機としては非常に実用的でこだわりが感じられる。

軽さだけでなく、頑丈さも折り紙付きだ。ボディ素材には衝撃に強く壊れにくいマグネシウム合金を採用し、世界で厳しい品質基準として知られるMIL規格(MIL-STD-810H)に準拠した9項目の耐久テストをクリア。シンプルで美しいデザインを保ちつつ、移動中や作業中のさまざまな衝撃や振動に耐えうる頑丈さを持つ。

さらに、本機はバッテリーが消耗品であるという課題に対し、ユーザー自身でバッテリー交換が可能な「セルフ交換バッテリー」を採用している。オプションの新しいバッテリーに交換することで、購入当時の高いパフォーマンスを維持し、長く快適に使用できる工夫が施されている。

スリムボディでありながら、インターフェースの妥協はない。高速データ転送規格であるThunderbolt 4(USB4 Type-C、電源コネクタ、PD対応)コネクタ2基に加えて、USB 3.2(Gen1)Type-Aコネクタ×2、HDMI出力端子、有線LANコネクタ、microSDカードスロットを備えており、さまざまな機器とダイレクトに接続できる。HDMI出力端子は4K出力に対応する。

片方の側面に特定のコネクタが集中するような配置になっていないところも、ユーザビリティが考えられていて好感が持てる。

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視認性を極めた16:10ディスプレイ

ディスプレイは、外出先でも作業しやすい14.0型ワイド(16:10)WUXGA(1,920×1,200ドット)液晶を採用している。一般的な16:9よりも縦の表示領域が約1割広く、表計算やWeb閲覧時の一覧性が向上し、作業効率アップに貢献する。

パネルは、明るく色鮮やかで、斜めからでも見やすい高輝度・高色純度・広視野角のノングレア液晶だ。太陽光や照明の下でも映り込みが少ないため、場所を選ばず作業できる。色再現性も高く、写真編集などのクリエイティブ用途にも十分対応できる。

また、液晶ディスプレイは180度まで開くことができるため、対面での画面共有やミーティング時にも便利だ。

AIをローカルで動かす処理能力

XP/ZYの中核をなすのは、AI性能を大幅に強化したインテル Core Ultra 7 プロセッサー 258V(8コア)だ。インテル Evo エディションに準拠し、高速NPUにより、毎秒47兆回の高速演算処理を実現している。情報をクラウドにアップロードすることなく、ローカル環境でのAI処理が可能になり、ビジネスシーンでの活用も安心だ。

また、dynabookの放熱技術「dynabookのエンパワーテクノロジー」によってCPUの処理能力が最大限に引き出されており、実使用においては高い快適度が確認されている。写真・動画編集などの高負荷な処理にも十分対応可能だ。

グラフィックにはインテル Arc グラフィックス 140Vを内蔵。大容量の32GB LPDDR5X-8533メモリと、高速なPCIe 4.0対応1TB SSDの組み合わせにより、生成AIや8K動画編集などのクリエイティブ作業も快適に行える。

実際にはどれくらいのスペックになっているのか、Cinebench R23や3DMARKでスコアを計測してみた。

Cinebench R23は、シングルコアが1882、マルチコアが6741。シングルコア性能は現行世代のモバイルCPUとして十分に高く、Web閲覧やアプリの起動、日常的な操作では動作のもたつきを感じにくい水準だ。

一方でマルチコア性能は控えめで、動画の書き出しや重い処理を長時間行う用途では、より高性能なCPUとの差が出やすい。とはいえ、省電力性を重視したCPUとしてはバランスが取れていて、普段使いや持ち運びを前提としたノートPCでは快適さとバッテリー持ちの両立が期待できる。

3DMark(Steel Nomad Light)のスコアは2959。この数値は、内蔵GPUとしては比較的高めの水準で、軽めの3D処理やグラフィックス性能を必要とする用途には十分対応できる性能を示している。

最新のPCゲームを高画質設定で快適に楽しむのは難しいものの、画質設定を調整すればプレイ可能なタイトルも多く、写真編集や動画再生、軽い3D表現を使ったアプリケーションでは不満を感じにくい。省電力設計のGPUでありながら、日常用途からライトなゲームまで幅広くカバーできる点が特徴だ。

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オンライン時代に必須の利便性とセキュリティ機能

AI機能の活用をサポートするため、キーボードには押すだけでMicrosoft Copilotをすぐに呼び出せる「Copilotキー」を搭載。さらに、dynabook独自のAI機能として、ローカル環境でも文書の翻訳や要約を可能にする「dynabook AI アシスタント」が利用できる。

バッテリー性能は、約15時間(動画再生時)/約30時間(アイドル時)という長時間駆動を実現。さらに、30分の充電で駆動時間の約40%を充電できる「お急ぎ30分チャージ」機能も搭載されている。

オンラインコミュニケーションの質も高い。有効画素数約500万画素の高精細Webカメラを搭載し、手動でオフにできるシャッター付きでプライバシーも保護できる。また、「AIノイズキャンセラー」により、環境ノイズを除去し、クリアな音声でオンライン会議が可能だ。音響面では、立体音響技術「Dolby Atmos」を採用し、臨場感あふれるサウンドを提供する。

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通信面では、従来のWi-Fi 6Eの約4.8倍の最大通信速度を実現する「Wi-Fi 7」規格に対応しており、安定した高速通信が期待できる。

セキュリティ面もAIによって強化されている。Windows Hello対応の赤外線顔認証センサーを搭載しており、顔を向けるだけでサインインが可能だ。

さらに、AIが作業中ののぞき見を検知して警告したり、離席時に自動でスリープ状態に移行させたりする「AIプライバシーアシスト」機能や、「存在検知機能(プレゼンスセンシング)」により、離着席時に画面のロック/解除を自動で行うことで、セキュリティ強化に役立つ。

まとめ

dynabook XP/ZYは、AI処理能力の強化、1kgを切る超軽量ボディ、そしてセルフ交換バッテリーによる長期的な運用可能性という、現代のモバイルノートPCに求められる要素を高次元で融合させたモデルだ。

実用面での快適性、高いモビリティ、そしてAI機能を最大限に活用できる環境を重視するユーザーにとって、「AI時代のスタンダード」となりうる一台に仕上がっている。外出先でのクリエイティブ作業からオンラインミーティング、日常的なビジネスまで、あらゆるシーンでユーザーの生産性を後押ししてくれるはずだ。

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