
DJIが最新アクションカメラ「Osmo Action 6」を発表し、本日から出荷を開始した。価格はスタンダードコンボが61,270円、アドベンチャーコンボが77,440円(どちらも税込)。公式サイトやAmazonなどで購入が可能だ。
光を“制御する”アクションカメラへ。可変絞りと大型センサーの衝撃

「Osmo Action 6」は、同社のフラグシップアクションカメラ「Osmo Action」シリーズの最新モデルとして投入される製品だ。
特徴は、アクションカメラの固定絞りという前提を崩す可変絞り機構だ。アクションカメラとしては異例となる可変絞り(f/2.0〜f/4.0)を採用し、さらに1/1.1インチのスクエアCMOSセンサーを搭載するなど、同社のコンシューマーカメラ戦略の方向性を象徴するモデルになっている。
f/2.0の開放では暗所に強く、夜景や屋内でもノイズを抑えた撮影ができる。一方、f/4.0まで絞れば日中の白飛びを抑え、街灯を星状に描くスターバースト表現にも対応する。ドローンやシネマカメラでノウハウを持つDJIが、ついにアクションカメラの領域でも光学的な表現の幅を持ち込んだ形だ。

センサーも刷新されている。独自設計の1/1.1インチスクエアCMOSは、2.4μm相当のピクセルサイズと最大13.5ストップのダイナミックレンジを実現し、逆光や夜景でも階調を残す。高感度撮影向けの「スーパーナイトモード」は4K/60fpsに対応し、アクションカメラでは難しかった暗所の高精細動画もしっかり記録できる。
動画撮影は4:3比率で最大4K/120fpsをサポート。10-bit D-Log Mにも対応し、カメラ側でのプレビューにも対応するため、編集前提のワークフローにフィットする。

加えて、センサーの正方形フォーマットを活かした「4Kカスタムモード」を新搭載。1本撮ってから縦・横・正方形など任意のアスペクト比に切り出せるため、YouTube・Instagram・TikTok向けのマルチ配信にも強い。
手ブレ補正は「RockSteady 3.0/3.0+」「HorizonBalancing」「HorizonSteady」を搭載し、4K/60fpsでも水平を維持したスムーズな映像を記録する。1080pでは最大960fps相当(32倍)のスーパースローにも対応し、スポーツやアクティブ撮影での表現力が大幅に広がっている。
タフネスとワークフローを支える仕様群

ハードウェアの耐久性も引き続き強化されている。本体のまま水深20m(IP68)に対応し、防水ケースを装着すれば60mまで潜れる。さらに、氷点下20℃でも動作する耐寒設計を採用し、雪山や極地撮影にも対応する。
バッテリーは最大4時間駆動し、22分で80%まで充電できる急速充電をサポート。メモリーカードなしでも撮影できるよう、50GBの内蔵ストレージを備えている点も実用的だ。

音声面では、DJIのワイヤレスマイク「Mic 2」「Mic 3」「Mic Mini」などをレシーバーなしで直接接続できる「OsmoAudio」に対応。最大2台の同時接続が可能で、旅ログやインタビュー、自撮りVlogなどの収録フローがシンプルになる。
アクセサリーには、浅い被写界深度での撮影を可能にする「マクロレンズ」や、視野角を155°から182°に拡大する「FOVブーストレンズ」を用意。マクロ装着時は最短撮影距離が35cmから11cmに短縮され、物撮りやクリエイティブな接写にも対応する。
アクションカメラが苦手としてきた“光のコントロール”を、可変絞りと大型センサーで獲得したOsmo Action 6。言い換えれば、小型アクションボディのまま一眼レフ的な表現力を実現したモデルといえる。高負荷環境での撮影でも、撮影者が意図した通りの映像を残すことができるだろう。
(画像:DJI JAPAN)




