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デル・テクノロジーズ 宮崎カスタマーセンターを見学。人材育成と最新技術によって磨かれる顧客体験

デル・テクノロジーズは2025年11月、宮崎カスタマーセンターの設立20周年を迎える。同センターは2005年11月に開設され、現在では東京と並ぶ国内主要拠点として、法人・個人を対象に幅広いカスタマーサポートを展開している。

今回、筆者は夏休み恒例の「親子で体験!! Dell 夏休み親子パソコン組立教室 2025」の取材にあわせて、宮崎カスタマーセンターの内部を見学する機会を得た。

(取材協力:デル・テクノロジーズ)

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デルの国内サポートの中核を担う「宮崎カスタマーセンター」を見学。一貫した顧客サポートを提供

宮崎カスタマーセンター センター長の林田匡史氏

宮崎カスタマーセンターは、デルの日本におけるサポート体制の中核を担す拠点だ。デル製品(PC、サーバー、ストレージなど)に関する個人・法人ユーザーからの問い合わせに電話やチャットで対応しており、日本全国からのサポート業務の多くを担っている。

宮崎カスタマーセンターが設立された2005年当時、宮崎市や県は積極的に企業誘致を進めており、中心市街地に大型オフィススペース(旧百貨店跡地)があったことがカスタマーセンターの立地選定の決め手となった。

さらに、宮崎県民の高いホスピタリティが注目されており、当時の「親孝行ランキング1位」といった地域のイメージも後押しした。現在では県外出身者が半数を占めつつも、地元採用も継続して行われている。

宮崎カスタマーセンターの最大の特徴は、正社員による一貫したサポート体制だ。問い合わせの一次受付からナレッジ検索、修理手配までをすべて正社員が担うことで、コールセンターにありがちな “たらい回し” を防ぎ、顧客体験の向上につなげている。

現在は全国200拠点以上・約700名のエンジニアが在籍し、サーバーやPCをはじめとする幅広い製品のサポートを担当している。

近年はAIの積極導入により、サポートの効率化と品質向上を実現している。代表的な取り組みは以下のとおりだ。

  • バーチャルアシスタント:Webチャットで簡単な問い合わせに自動応答
  • 技術ツール (DTC):症状に応じて次の確認手順を自動提示し、迅速かつ正確な対応を標準化
  • 顧客情報管理ツール (Gen AI Case Summary):AIが過去の障害や修理履歴をサマライズし、迅速な状況把握とシームレスな継続対応を実施
  • 案件管理ツール (CID):満足度低下リスクをAIが検知し、優先対応を促進
  • ビジュアル診断 (VL):顧客が送信した画像から画面損傷を判別し、修理要否を判断
  • ARアシスタント:スマホアプリでパーツ交換手順を視覚的に案内

これらの機能は2022年以降、段階的に追加されてきた。今後は修理パーツ選択時の誤りをAIが検知する仕組みの導入も予定されている。顧客情報管理についても、Salesforce (SFDC) への統合を進めており、グローバル基準のサポート体制を整備中だ。

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社員育成と働きやすさ

サポート品質を支えるのは人材育成だ。新入社員は6週間の基礎トレーニングを受け、メンター制度や資格取得支援を通じてスキルアップを図る。MicrosoftやAWSなどの外部資格に加え、社内独自の資格制度も用意されている。

資格所有者は社内に掲示されている

また、ワークライフバランスにも力を入れており、休暇希望を2カ月前からヒアリングし、エンジニアのバイオリズムを考慮した柔軟なシフト調整(夜間シフトの後に早朝シフトを避けるなど)を行っている。OSの切り替え時期など問い合わせが多くなることが見込まれるタイミングには、1.2~1.5倍に人員を増強することもあるようだ。

2024年には「宮崎市ワークライフバランス・女性活躍推進事業者」としても選出された。障害者雇用においても、キャリアサポートセンターを設置し、研修から実務経験までをサポートしている。

20年間、地域貢献活動を継続してきた点も宮崎カスタマーセンターの特色だ。親子パソコン教室の開催、災害支援ボランティア、河川清掃、マラソンでの給水ボランティアなど、地域に根ざした活動を行ってきた。特に2016年の熊本地震の際には、社員が真っ先に現地に駆けつけて支援にあたったという。

同センターは成果主義を徹底しており、評価指標の中心は顧客満足度だ。顧客からのフィードバックは毎日・週・月・3カ月単位で集計され、個人のランキングにも反映される。

加えて、一次解決率や対応効率化も重視されている。問題解決だけでなく、顧客がなぜ質問したのか、どう使うのかを丁寧にヒアリングし、プラスアルファのアドバイス、通称「お土産」を提供することで、顧客満足度の向上を図っている。

また、お客様からの「ありがとう」はもちろん、電話口で「〇〇さんにお願いしたい」と直接指名をもらうこともあり、こうした経験が社員のやりがいにつながっているとのことだ。社員同士で感謝のポイントを送り合える表彰制度「インスパイア」も導入されており、商品や旅行券と交換可能だ。

カスタマーセンターの現場を見学

カスタマーセンターの概要説明に続き、オフィス環境やサポート体制、実際の働き方を現地で確認してくることができた。

2024年3月にはオフィスのリニューアルが行われ、内部はオアシスをイメージしたリラックスしやすいデザインに生まれ変わった。通路は宮崎の観光地「高千穂峡」をイメージしたくねくねした形状で、フロア全体がカーペット張りとなっており、足音を抑えつつ快適に作業できる環境が整っている。

高さを調節することでスタンディングデスクとしても使える

こちらがテクニカルサポートのメインエリア。約200席のフリーアドレス制ワークスペースには昇降式デスクが備えられ、ノートPCと2台のモニターを使ってAIや各種サポートツールを活用した作業が可能だ。

遮音性の高いコミュニケーションブース

検証スペースやパントリー、地元杉を用いた遮音性の高いコミュニケーションブースも設置され、リモート会議にも対応している。カフェテリアはないものの、外部弁当や冷蔵庫、ソファ席なども利用でき、災害に備えた非常食も備蓄されている。

サポート体制では、サーバー製品対応部隊専用のエリアを中心に、レベル1エンジニアが一次解決を目指し、必要に応じてレベル2・3へエスカレーションする仕組みが整っている。プロサポートプラス契約顧客には、カスタマーインシデントマネージャーが最初から最後まで一貫して対応する体制だ。

また、リアルタイムでオペレーターの稼働状況や対応時間を管理するシステムにより、在宅勤務者も含めた全員の状況が可視化されている。一応、グローバル的にはシフト作成ツールが存在するものの、一人ひとりの休みといった細かな調整はできないため、現在でもExcelファイルを用いて手動で管理を行なっているとのことだ。

技術面では、ARアシスタントが導入され、顧客自身が動画と拡張現実を通じて部品交換手順を確認できる。PCだけでなくサーバー製品も含む約10年間のデル製品に対応し、仮想ラックでの作業手順も表示可能だ。事前説明動画はYouTubeで公開されており、スマホアプリからも利用できる。

サーバー検証ラボでは古い製品も含めて長期的なサポートや社内検証に活用されており、デルならではの包括的な技術支援体制がうかがえる。

地域とともに進化する宮崎カスタマーセンター

宮崎カスタマーセンターでは、AIを活用したサポート効率化や顧客情報管理の高度化を進めるとともに、正社員による一貫した対応や充実した人材育成、働きやすさの向上に取り組んできた。

地域との連携や社会貢献活動も継続的に行っており、親子パソコン教室や災害支援、河川清掃など地域社会に根ざした活動を行いながら、高品質なサポートと社会的責任を両立している。

今後は、AI機能のさらなる拡張、SFDC (Salesforce) への顧客情報統合、問い合わせチャネルの多様化に対応していく方針だ。加えて、多様な人材の採用・育成を継続し、地域とともに成長する拠点としての役割を担っていく。

20年にわたり、正社員による高品質なサポートと地域密着の活動を続けてきた宮崎カスタマーセンター。AIや最新技術の導入と人材育成を両輪に据えた取り組みは、今後の顧客体験の向上にも大きく貢献していくだろう。

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