コムキャストが21世紀フォックスの買収を断念、英スカイの買収に切り替え 21世紀フォックスはディズニー傘下に

7月19日、コムキャストが21世紀フォックスの買収を断念したことがわかった。同社は公式発表で21世紀フォックスの買収を今後進める予定はなく、代わりにスカイの買収案に焦点を当てる方針であることを明らかにした。

21世紀フォックスの買収をめぐっては、これまでディズニーが買収に名乗りを上げていたが、これに遅れる形で米ケーブルテレビ最大手のコムキャストがディズニーを上回る650億ドルで買収提案。これに対抗するため、ディズニーは買収額を当初の524億ドルから713億ドルに引き上げていた。

コムキャストが21世紀フォックスの買収を諦めたことで、21世紀フォックスの主要事業はディズニーが取得することになる。

その中には映像配信サービス「Hulu」も含まれており、同サービスの経営を初めて単独で握る会社となる。「Hulu」は、NetflixやAmazonに対抗するために立ち上げられた映像配信サービスで、タイムワーナーが10%、コムキャストとディズニーが30%ずつ株式を保有している。

また、人気番組「ザ・シンプソンズ」「モダン・ファミリー」などの制作事業なども取得することになるなど、今回の買収によってアメリカのメディア構造に大きな変化が起こりそうだ。

ちなみに、コムキャストの次なるターゲットは英スカイ。しかし、こちらも21世紀フォックス(ディズニー)との争奪戦に発展している。

21世紀フォックスを傘下に持つことになったディズニーは、フォックスが現在保有している39%のスカイの持株も取得することになっており、さらに残る61%の株式も取得して完全子会社にする計画。これについてはスカイと仮合意に至っており、すでに英政府からの承認を得ている状態。

しかし、コムキャストはディズニーの提案を上回る金額を提示しており、スティールをかけている。コムキャストは50%超のスカイの株式の取得を目指しており、フォックスが保有している持株も買い取る方針であるという。

コムキャストの提案する買取価格は14.75ポンドで総額260億ポンド。対するディズニーは14ポンドで総額245億ポンドになっている。今後スカイの買収をめぐる争いが焦点となりそうだ。

[ via The Verge / img via Logoprof ]

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