ChatGPTに「ショッピングリサーチ」実装。製品選びの下調べをAIが自動化

OpenAIは米国時間24日、ChatGPTに新機能「ショッピングリサーチ」を導入した。オンラインショッピングで最も時間を取られる「下調べ作業」を、対話型AIが自動化するものだ。ランキングやレビュー、SNSの情報が氾濫するなか、ユーザーの負担を大きく減らす機能として位置づけられる。

この機能は、Free、Go、Plus、Proを含むすべてのログインユーザーが利用可能で、ホリデーシーズン中は「ほぼ無制限」で使える。提供タイミングを考えても、消費行動が最も活発になる時期を狙ったリリースといえる。

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あいまいな要望を構造化し、3分で「候補と結論」を提示

ショッピングリサーチの特徴は、ユーザーのあいまいな要望から、購入条件を対話で整理していく点にある。たとえば「静かなコードレス掃除機が欲しい」と伝えると、ChatGPTは部屋の広さ、静音性と吸引力の優先度、重さ、予算、これまでの不満点などを順に確認し、必要条件を明確化する。

整理が進むと、信頼性の高い情報源を横断してリサーチし、仕様、レビュー傾向、メリット・デメリット、価格帯、購入先をまとめて提示する。

候補が複数の場合は比較表を自動生成し、家電、ガジェットなどカテゴリに応じて重視すべき指標を調整する。「興味がある/ない」を返すだけでフィルタリングが進み、最終的には3分程度で「最適」「コスパ重視」「別の選択肢」といったレポートが完成する。

ChatGPTのメモリー機能を使えば、ユーザーの傾向を踏まえたパーソナライズも行われ、リサーチ精度は使うほど向上する。

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GPT-5 miniで精度を向上。将来は「調査→購入」まで一気通貫へ

ショッピングリサーチには、ショッピング用途に特化して強化学習された「GPT-5 mini」が使われている。OpenAIの内部評価では、製品情報の正確性が64%に達し、従来のChatGPT Search(37%)を大幅に上回ったという。

GPT-5 miniは低品質サイトやスパム的な情報を避け、信頼性が高いレビューサイト、メーカー情報、Redditなどのコミュニティを優先して参照するよう訓練されている。OpenAIは「広告ではなく、関連性に基づいたオーガニックな推奨」を強調しており、既存のショッピングプラットフォームとの差別化を図る。

今後は、2025年9月に導入された「Instant Checkout(即時決済)」との統合が計画されている。これが実装されれば、リサーチから購入までをChatGPT内で完結できるようになり、GoogleやAmazonが築いてきた購買導線への対抗軸になる可能性を秘める。

一方で、AIが収集する価格や在庫情報にはタイムラグがあるため、最終確認は販売サイトで行うことが推奨されている。また、ユーザーのチャット内容が小売業者へ共有されることはないとOpenAIは説明している。

ショッピングリサーチは、情報収集をAIに任せ、ユーザーが判断に集中するという新しい購買プロセスを提示している。まだ荒削り感も強いが、今後のオンラインショッピングの流れが大きく変わる可能性がある。

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(画像:OpenAI)

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