現地時間3月26日、豪Canvaは英国のデザインツール大手Affinityを買収すると発表した。買収にかかる費用等については明らかにしていないが、Affinityシリーズの開発チーム90名がCanvaの傘下に入ることが発表されている。
関連リンク
・Welcome to Canva, Affinity! – Canva News
・Canva acquires design platform Affinity to bring professional design tools to every organization – Affinity PRESS RELEASE
豪Canvaがデザインツール大手のAffinityを買収
Affinityは、英ノッティンガムに本社を置くソフトウェア会社Serifが開発する、プロフェッショナルデザインソフトスイート。
主力製品は 「Affinity」シリーズ。「Affinity Designer」 「Affinity Photo」 「Affinity Publisher」 の3つの主要なアプリケーションで構成されていて、「Affinity Designer」 はベクターベースのグラフィックデザインソフト。「Affinity Photo」 は写真編集ソフト、「Affinity Publisher」 はパブリッシングソフト。
これらの製品はいずれも買い切り制で展開され、Adobeの 「Illustrator」 「Photoshop」 「InDesign」 といった製品のキラーアプリとして、アマチュアデザイナーからプロフェッショナルデザイナーまで広く評価されている。
一方の 「Affinity」 買収を発表したCanvaは、オーストラリアで2013年に設立されたデザインツールメーカー。「Affinity」 シリーズがプロフェッショナル向け製品群なのに対して、Canvaが提供するのはプロフェッショナル以外でも簡単にデザインが作れるソフトウェア。デザインのトレーニングを受けていない99%のナレッジワーカーの間で評価され、世界190カ国以上で1億7500万人以上に利用されるまでに成長した。
そして、新たに 「Affinity」 を獲得し、Canvaの提供する製品群に 「Affinity」 を追加することで、Canvaはデザインツールの幅を広げ、すべてのデザイナーに対して “フルスペクトル” なデザインツールを提供することが可能になる。
Canva共同創業者兼COOのCliff Obrecht氏は、「視覚的コミュニケーションは現在、職場で普遍的になっており、B2B提供を向上させる戦略への投資は、当社のビジネスの将来にとって核心的です。」 と述べ、さらに 「営業やマーケティング、ブランドやクリエイティブチームから、効果的で魅力的な視覚的コンテンツを作成する必要性が高まっています。Affinityチームは、素晴らしい才能と技術を持っており、私たちは一緒に次のフェーズに入ることを喜んでいます。」 とコメントしている。
なお、今回の買収によりAffinityは、Flourish (2022年)、Kaleido (2021年)、Smartmockups (2021年)、Pexels (2019年)、Pixabay (2019年) に続く、Canvaのヨーロッパ拠点になる。ちなみに、Canvaは2023年にロンドンを拠点とする欧州本社をはじめて開設している。
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・【独占インタビュー】Serif CEOアシュリー・ヒューソン氏が語るAffinityの魅力と未来展望。AIやサブスク導入の可能性も聞いてみた
(画像:Canva/Serif)