次期iPhoneこと 「iPhone 12」 シリーズは全4機種と予想されている。ラインナップは下位モデルとされる5.4インチモデルと6.1インチモデル、そして上位モデルとされる6.1インチモデルと6.7インチモデルだ。
これら4機種にはいずれも有機ELディスプレイが搭載される予定。上位モデルはSamsungが、下位モデルはSamsung、BOE、LGディスプレイが供給すると伝えられている。
しかし、下位モデルのディスプレイの製造を一部担当しているBOEは、有機ELディスプレイの初回出荷を行うことができなかった可能性がある。
BOEがiPhone 12向けOLEDの初回出荷に失敗
これを伝えたのは韓国メディアDDaily。同メディアによれば、BOEはiPhone 12向けの有機ELディスプレイの初回出荷に失敗したという。
BOEがディスプレイの供給に失敗した直接的理由は明らかにされていないが、同社の有機ELディスプレイは量産前の品質管理テストに合格できなかったためである可能性がある。
DDailyによると、BOEはSamsungの次期スマートフォン 「Galaxy S21」 のディスプレイ供給の一部を担当する予定で、その出荷に向けた品質管理テストをクリアすることができなかったとのことだ。
当然ながらこのテストをクリアできない限りは量産に進むことができず、しばらく品質基準を満たすことができなければ、ディスプレイの供給スケジュールが当初より後ろ倒しになることも考えられる。
DDailyが伝えたのは次期Galaxy向けのものの話だが、もしこの問題がiPhone 12向けディスプレイでも起きているのだとすれば、iPhone 12の生産計画にも影響が出る可能性がある。
ここで問題なのは、BOEは一体どのiPhoneの画面を生産しようとしているのか。実はiPhone 12の画面の製造元に関する情報は錯綜気味だ。
前述の上位モデル(6.1インチ/6.7インチモデル)についてはSamsungが独占供給することでほぼ確定的とみられているが、下位モデル(5.4インチ/6.1インチモデル)についてはSamsung、LG、BOEの3社が候補として挙げられている。
DigiTimes | Jon Prosser | Ross Young | |
---|---|---|---|
iPhone 12 (5.4インチ) |
BOE | BOE | Samsung |
iPhone 12 Max (6.1インチ) |
– | BOE | BOE/LG |
iPhone 12 Pro (6.1インチ) |
– | Samsung | Samsung |
iPhone 12 Pro Max (6.7インチ) |
– | Samsung | Samsung |
著名リーカーであるJon Prosser氏は、BOEが5.4インチと6.1インチモデルの画面を生産するとし、台湾メディアDigiTimesは、少なくとも5.4インチモデルはBOEが担当するとしていた。
また、ディスプレイアナリストのロス・ヤング氏は、6.1インチモデルのみLGとBOEが生産し、残りの3モデルはSamsungが独占的に供給するとしていた。これらの情報のどれが正しいのかは現時点では不明だが、このままの状況が続けばBOEはサプライヤーから外される可能性が出てくる。
Aaaaaand THIS is why Apple can’t get away from Samsung.
Samsung & LG OLEDs for iPhone 12 then.
Better luck next year, BOE. https://t.co/58SzTFvmS7
— Jon Prosser (@jon_prosser) June 12, 2020
ちなみに現地時間12日、前述のJon Prosser氏は今年のiPhoneにはSamsungとLGの有機ELディスプレイが搭載され、BOEのディスプレイは来年のiPhoneに持ち越しになるだろうと発言している。今年は2社でiPhoneのディスプレイを製造することになるのかもしれない。
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[ via MacRumors ]