MacBookは屋内でも屋外でも、どこでも作業ができる。ただしどこでも作業ができるとは言っても、快適に作業できるかどうかはまた別の話。
特にMacBookは、搭載ポートの数や種類が少ないため外部アクセサリとの接続にはある程度の制約がつけられてしまう。
筆者がこれまでに経験したものとしては、SDカードスロット非搭載なので取材先で撮影した写真データを直接移動できなかったり、HDMIポート非搭載なためテレビやディスプレイに映像を出力する際には間にHDMIアダプタを噛ませる必要があった。他にも様々な障壁を経験したが、どんな環境にも適用できるようにするにはやはりそれなりの準備が必要だ。
しかし、今回紹介する 「Belkin CONNECT USB-C 11-in-1マルチポートドック」 であればほとんどの環境でも安心して作業することが可能。USB-Aポートはもちろん、SDカードスロットやHDMI、VGA出力にも対応した充実のドッキングステーションだからだ。
デザイン
上記写真が 「Belkin CONNECT USB-C 11-in-1マルチポートドック」 の本体。MacBookのUSB-Cポートに接続することで、複数のポートを拡張できるドッキングステーションだ。
本体はBelkinアクセサリではお馴染みのアルミニウム仕上げが採用されていて、MacBookとの相性はバツグン。この純正アクセサリのような一体感が筆者はいつもお気に入りだ。
本体はMacBook Airのように奥から手前にかけて傾斜がついたウェッジシェイプ(くさび形)デザインが採用されていて、MacBookを上に乗せることでノートPCスタンドとしても使用できる。緩やかな傾斜のおかげでタイプがしやすく、手首の負担をすこし軽減できる。
スタンドといっても固定具がないことから、使っているうちにタイピングの振動で徐々にMacBookがずり落ちていくのではと心配になる方もいるかもしれないが、そこはご安心を。表面のラバーが滑り止めの役割をしていて、高速タイピングをしても本体のズレによるストレスを感じることはほとんどなかった。
MacBookとの接続は一体型の短いUSB-Cで行う。MacBookの左側のUSB-Cポートと接続する仕様になっているので、MacBook AirとMacBook Proで利用できる。ケーブルはやや硬めだが、長さは程よく作業の邪魔になることはなかった。ちなみに今回は試していないが、Windows PCとも接続可能だ。
上記写真が背面部分。各種ポートはすべて背面に配置されていて、接続したケーブル類でデスクがごちゃごちゃしにくくなっている。
搭載ポートは以下のとおりだ。
- 3.5mmオーディオジャック
- VGAポート
- SD 3.0 カードリーダー
- microSD 3.0 カードリーダー
- ギガビットイーサネット
- USB-A 3.0 (BC1.2) ポート ×2
- USB-A 2.0 ポート
- 4K DisplayPort 1.2
- 4K HDMI 1.4
- USB-C PDポート
データ転送用のUSB-AポートやSD/micorSDカードスロット、有線LAN接続のためのイーサネット、映像出力用ポート、そしてパススルー充電に対応したUSB-Cポートなど。
注目は、最大4K/30Hzで出力できる映像出力用ポートが3種類も用意されていること。これだけの映像出力ポートがあれば、ほとんどのシチュエーションで映像出力ができるはず。
ちなみに、映像出力に関する仕様はMac接続時とWindows接続時とで異なっていて、さらに現行のM1チップ搭載MacBook Pro・MacBook Airでは1台のディスプレイのみにしか映像を出力することはできない。
たとえば、筆者のもつMacBook Pro (M1, 2020) の映像を出力する場合、HDMIもしくはDisplayPortを利用することで4K/30Hzでの出力が可能。VGAを利用するとフルHD/60Hzでの出力となる。
Intelプロセッサ搭載のMacBookでは、HDMIとDisplayPortを利用することで2台のディスプレイに対して4K/30Hzで映像を出力可能。HDMIもしくはDisplayPortとVGAを利用した場合には、2台ともフルHD/60Hzでの出力となる。
HDMI・DisplayPort・VGAの3ポートをすべて使って3台のディスプレイに映像を出力すると、いずれのディスプレイもフルHD/60Hzでの出力となる。
上記を表にまとめると以下のとおり。
出力画面数 | 使用ポート | 出力規格 |
---|---|---|
1画面 | HDMI or DisplayPort | 4K/30Hz |
VGA | フルHD/60Hz | |
2画面 | HDMI + DisplayPort | 4K/30Hz |
HDMI or DisplayPort + VGA | フルHD/60Hz | |
3画面 | HDMI + DisplayPort + VGA | フルHD/60Hz |
USB-Cポートは最大100Wのパススルー充電に対応していて、ポートを拡張しながらもMacBook本体を充電できる。
ただし、100Wのうち15Wはドック動作用として差し引かれる仕様。他のドック機能を利用しながらパススルー充電を利用する場合、65W以上の充電器を使用することで最大50Wのパススルー充電が可能としている。
実際に使ってみた
本製品を2週間ほど使ってみて便利に感じた経験は何度もあるが、最も有り難かったのが取材のとき。とある会社を訪問し新作ゲームの体験会に参加させていただいた際、ゲームの特徴を高速でメモするために本製品を持っていったわけだが、普段持ち歩いているSDカードスロット付きのアダプタを自宅に忘れてしまっていたことに、あろうことか訪問後に気づいてしまった。
どうしよう……と焦っていた矢先、「Belkin CONNECT USB-C 11-in-1マルチポートドック」 にSDカードスロットがついていることを思い出した。ゲームのスクリーンショットを撮影したSDカードを受け取り、すかさず 「Belkin CONNECT USB-C 11-in-1マルチポートドック」 に接続。MacBookにデータを転送することに成功、ことなきを得た。
他にもホテルに宿泊している際に、デュアルディスプレイで作業しなくてはいけなくなってしまったことがあるのだが、「Belkin CONNECT USB-C 11-in-1マルチポートドック」 のHDMIポートにホテルからお借りしたHDMIケーブルをつなぎ、テレビとMacBookによるデュアルディスプレイ環境を急拵えで構築することができた。
まとめ
「Belkin CONNECT USB-C 11-in-1マルチポートドック」 があれば、MacBookのような外部ポートが少ない製品であっても困ることはない。
本体サイズが大きく、重量もそれなりにあるので、普段から持ち歩くにはやや不向きとは言えるかもしれないが、自宅など据え置き環境で利用するにはおそらく最強レベルの拡張性を持っていると言っても過言ではないのではないだろうか。
緩やかな傾斜のおかげでタイピングも快適で、リモートワークにも最適。アルミニウム筐体なため、Apple製品との相性も抜群。ぜひMacBook ProやMacBook Airをお持ちの方、購入を検討してみてはどうだろうか。