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Beats Studio Buds + レビュー|ノイキャン&音質向上で進化。Appleワールドへの入り口を拓く新イヤホン

Appleは、傘下のオーディオブランド 「Beats」 から、ノイズキャンセリングに対応した新型ワイヤレスイヤホン 「Beats Studio Buds +」 を発売した。

本製品は、2021年8月に国内発売した 「Beats Studio Buds」 の後継にあたる製品で、新しい音響設計により音質が向上しているほか、ANC (アクティブノイズキャンセリング) や外部音取り込みモードが従来よりも強化。また、バッテリー駆動時間やマイクの音質なども向上している。

今回、筆者は 「Beats Studio Buds +」 を購入。これまで使ってきた先代モデルとも比較しつつ、どれほどの性能向上があったのか、どんな人にオススメなのかチェックしてみた。

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イヤホンのデザイン・仕様

「Beats Studio Buds +」 は、カナル型を採用した完全ワイヤレスイヤホン。AirPodsのようなステム (枝) やイヤーフックなどはなく、丸みを帯びたシンプルなデザインを採用している。本体はサラサラとした手触り。好みは分かれるところかもしれないが、筆者には割と好みの手触りで、梅雨時期などジメっとした季節も比較的快適に使えると感じた。

今回筆者が購入したカラーは 「トランスペアレント」 。内部の部品や基盤などが透けて見えるスケルトンカラーだ。Beats製品はカラフルでオシャレなカラーが多い印象だが、「トランスペアレント」 はSFのような近未来感を感じる、普段のBeats製品とはちょっぴり違ったクールなデザインになっている。

イヤホン本体のサイズは高さ1.5cm、長さ2.05cm、幅1.85cmととても小さく、重量もわずか5gしかない。気軽にイヤホンをつけたり外したりして、カジュアルに音楽を楽しみたい人に最適なイヤホンだと言えるだろう。

イヤホンは耳の穴に合うよう丸みを帯びた形をしていて、イヤホンを人差し指と親指でつまむようにして掴んで耳の穴に入れたら、少しだけキュッとひねるとピッタリとフィットさせられる。

実際に装着してみると、イヤホンをひねることで耳の穴の下の方にすっぽり本体がはまるような感じがして、小さくて軽量であるにもかかわらず、かなりしっかりとした装着感が得られるようになっている。イヤホンをつけた状態でダッシュしてみても、イヤホンが取れそうになることはなかったので、スポーツ中の使用にもオススメだ。

ただし、4~5時間つけっぱなしで作業してみたところ、筆者の場合は耳の穴の下の方が痛くなってしまった。軽いつけ心地ではあるものの、耳の穴の中に入れるイヤホンということもあり、AirPodsシリーズのように耳にひっかけるようにして使うイヤホンよりは圧迫感があるため、長時間つける際には本格的に痛くなる前に5~10分くらいの休憩を挟みながら使ってみていただきたい。

イヤホンの先にあるBeatsブランドロゴの 「b」 が描かれた部分は多機能ボタンになっていて、1回押し/2回押し/3回押し/長押しで様々な操作ができる。1回押し/2回押し/3回押しに関しては、左右どちらのイヤホンのボタンを押しても同じ操作になる。

  • 1回押し:再生、一時停止、電話に応答
  • 2回押し:次の曲にスキップ
  • 3回押し:前の曲にスキップ
  • 長押し:ANCオン(デフォルト)/外部音取り込みモード/ ANCオフの順に切り替え

ちなみに、長押ししたときの操作はデフォルトでは再生モードの切り替え操作になっているが、カスタマイズすることで、音声アシスタント (Siri) の起動や音量調節の上下に割り振ることもできる。

音声アシスタントの起動は片方のボタンにのみ当てることができ、再生モードの切り替えと両立することができるが、長押し操作を音量調整に割り振った場合には、再生モードの切り替えと音声アシスタントの起動は割り振ることができなくなるため、自分の一番使いやすい設定にして使っていただきたい。

Appleによると、このボタンは先代モデルからデザインが改良されたことで操作性が向上しており、間違ってボタンを押してしまう可能性が低くなっているという。

実際に押してみると、ボタンの押し心地は先代モデルよりも少し硬めになっていて、押したときの感覚は 「ポチッ」 というよりも 「コツッ」 といった表現に近い。ボタンが少し硬めになったことで、イヤホン装着時にボタンを押してしまう回数がかなり減ったように感じている。

また、本製品はIPX4等級の耐水仕様になっていて、激しく汗をかくスポーツをしている最中や、雨の中でも安心して音楽を聴き続けられる。

同梱物は、4種類のイヤーチップとUSB Type-C – Type-C充電ケーブル、取扱説明書に加えて、Beatsのステッカーやイヤホンの正しい装着方法が書かれた紙、Apple Musicのトライアルオファー (新規加入者向け) が入っていた。充電アダプタは付属しないため、本体を充電する際には、スマートフォンやノートPCの充電に使っているType-C 充電器アダプタがあればそれを流用していただきたい。

イヤーチップはS/M/Lの3種類に加えて、新たにXSが同梱されるようになった (デフォルトで装着されているのはM) 。XSサイズが追加されたことで、耳が小さい人でも快適にフィットできるようになったはずだ。

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充電ケースのデザイン・仕様

上記がStudio Buds +の充電ケース。角がなく触り心地の良い横長デザインや、本体サイズは先代モデルからほぼ変わっていない。筆者が今回購入したトランスペアレントカラーは、プラスティッキーな触り心地の素材が使われていて、先代のStudio Budsよりもガジェット感が強めになっている。

充電ケースのサイズは高さ2.55cm、長さ7.2cm、幅5.1cm。重量は49g。AirPods Proのケースよりはわずかに大きいものの、ワイシャツやジーンズのポケットには楽々入れることができる。

充電ケース正面にある 「b」 ロゴの下にはLEDインジケータが搭載されていて、ペアリング中は点滅、充電中は赤色に点灯するなど、イヤホンや充電ケースの状態を一目で確認できてとても便利。

充電ケースを上側にパカっと開けると、中にはイヤホン本体が収納されている。イヤホンを充電ケースにしまうことで充電する仕組みは、他の完全ワイヤレスイヤホンと同じだ。イヤホンの左右は、ケースを正面から見た状態で左に入っているのが左側 (L) 、右に入っているのが右側 (R) と分かりやすいので、取り出したときに直感的に装着できて良い。

イヤホンの間にある黒いボタンはペアリングボタンで、新しいデバイスと接続するときに長押しすることでイヤホンをペアリングモードにできる。

充電ケースの底面には充電ポートが搭載されていて、このポートに充電ケーブルをさすことで充電する。ポートはUSB Type-Cで、iPhoneなどに搭載されているLightningとは形状が異なるため、充電する際には気をつけていたただきたい。Type-Cケーブルを持っていない場合は付属品のケーブルを使えばOKだ。ちなみに、充電ケースは有線充電のみに対応しており、ワイヤレス充電には対応しない。

ペアリングと連携

Studio Buds +はAppleデバイスだけでなく、Androidデバイスとも便利に連携できるようになっていて、どのデバイスでも同じような快適さで使えるように工夫されている。

たとえばペアリングの際には、Appleデバイスでのワンタッチペアリングはもちろん、AndroidデバイスでもGoogle Fast Pairを介したワンタッチペアリングが利用できる。

ペアリングが完了したら、Appleデバイスの場合は同じiCloudアカウントに登録されているすべてのAppleデバイスと、Androidデバイスの場合はGmailアカウントに登録しているすべてのAndroidデバイスと自動的にペアリングする機能が利用可能だ。

デバイスを探す機能については、Appleデバイスの場合は 「探す」 アプリで、Androidデバイスの場合はGoogleの 「デバイスを探す」 で利用可能だ。

ノイズキャンセリング性能

Studio Buds +はANC (アクティブノイズキャンセリング) に対応していて、モードを切り替えることで周囲のノイズをシャットアウトして、静かな環境で音楽を楽しむことができる。

Appleによると、3倍の大きさに改良されたマイクや再設計されたベント、内蔵するパワフルなプロセッサによってノイズキャンセリング性能が向上しているという。

実際にノイズキャンセリングをオンにしてみたところ、確かに従来よりも様々な音が消せるようになったと感じている。

たとえば家の中であれば、エアコンや空気清浄機の音のような継続的なノイズや、キーボードの打鍵音はかなりしっかりと消せるようになった。また、筆者の自宅には水槽があるのだが、水槽のエアーポンプによるプクプク音がだいぶ聞こえにくくなったように感じている。

先代モデルは、ノイキャン時にホワイトノイズが乗ったり、キューっと耳が詰まるような違和感を感じることがあったが、今回の新型モデルではこれらが大きく改善されている。ただしホワイトノイズは完全になくなったわけではないため、気になるなら作業を邪魔しないような静かなBGMを小さな音量で流してのがオススメだ。

AirPods Pro (第2世代) とノイキャン性能を比較してみると、やはりAirPods Pro (第2世代) の自然なノイキャンには敵わない印象。ただし前述のとおり、Studio Buds +のノイキャン性能はかなり改善されたため、一般的に使う分には十分な性能になったと言えるのではないだろうか。

外部音取り込みモード

Studio Buds +はノイズキャンセリング機能のほかに、あえて外部の音を取り込む 「外部音取り込みモード」 が搭載されている。同モードを使うことで、イヤホンを装着したまま電車のアナウンスを聞いたり、誰かと会話することができる。

先代モデルでも搭載されていた外部音取り込みモードだが、今回の新型モデルではより外部の音をクリアに取り込めるようになったと感じている。

ただし、Studio Buds +はパッシブノイズキャンセルによる物理的な遮音性が高く、耳栓をしたときのように自分の声がこもって聞こえてしまうため、電車のアナウンスなど外の音を聞くだけの用途で使うか、レジでの支払い時など短時間の会話で済むような状況でのみ使うのがオススメと言えるだろう。

音質

Studio Buds +は、先代モデルから引き続き二層構造の独自トランスデューサーを搭載したほか、さらにまったく新しい音響ベントを組み合わせたことで、クリアな低音と歪みの少ないサウンドを実現しているという。

実際に音を聞いてみると、音は全体的にクリアで、低音から中音にかけての音を重視したイヤホンだと感じた。先代モデルと比較してみると、低音が大きくハッキリ聞こえるようになり、全体的にメリハリのあるダイナミックな音になったほか、中音域のクリアさもアップしている。先代モデルは中音の表現があまり得意ではなかったため、バランスの良いサウンドに進化したと言えるだろう。

これらの進化により、ヒップホップやカントリーなどの音楽がより楽しめるように。これからの夏の季節にぴったりな楽曲が楽しめるイヤホンになったことで、散歩やジョギングなどの時間をより楽しくしてくれそうだ。

また、Studio Buds +は空間オーディオに対応しており、Apple Musicのドルビーアトモス楽曲を奥行きのある立体的な音で楽しめる。まだApple Musicを利用していない人は、同梱されてくるトライアルオファーを使って試してみてはどうだろうか。

バッテリー持ち

Studio Buds +のバッテリー持ちは、公式ではノイズキャンセリングをオンにした状態だと最大6時間、オフの状態だと最大9時間。バッテリーケースでは2回分の充電が可能で、充電しながら使えば最大27時間使い続けられるという。

実際のバッテリー持ちをチェックすべく、フル充電の状態からノイズキャンセリングをありにして音楽を聴き続けてみた。結果は以下のとおり。

バッテリー持ち (ノイキャンあり)
経過時間 バッテリー残量
0:00 100%
1:00 83%
2:00 67%
3:00 50%
4:00 34%
5:00 17%
6:00 0%

検証の結果、公式で案内されているとおりのバッテリー持ちになっていることがわかった。先代モデル同様、通勤・通学などの移動中に使ったり、散歩など運動する際に使う分には十分なバッテリー持ちと言えるだろう。

バッテリー残量は、iPhoneではウィジェットの 「バッテリー」 から確認可能。Androidデバイスでは 「Beats」 アプリから確認可能だ。

ちなみに、万が一バッテリー残量が少なくなってしまったとしても、Fast Fuel機能により、バッテリーケースでわずか5分充電するだけで、約1時間音楽を再生し続けることができる。緊急時にはぜひ活用していただきたい。

まとめ

Beats Studio Buds +は、先代モデルから引き続き、Appleデバイス・Androidデバイスを問わず同じような機能が利用できるほか、ANCと外部音取り込みモードにより様々なシチュエーションで便利に使うことができる。

今回のアップデートでは、さらにノイキャン性能や音質の向上、個性的な 「トランスペアレント」 カラーのおかげで、より多くのユーザーのニーズを満たすことができるイヤホンに生まれ変わったのではないだろうか。

純粋なノイキャン性能はやはりAirPods Pro (第2世代) の方が高く、飛行機などで快適に過ごすことができるのはAirPods Pro (第2世代) ということになるが、Androidデバイスとの連携力や、BeatsらしいパワフルなサウンドはAirPods Pro (第2世代) にはない魅力だと感じている。

価格もAirPods Pro (第2世代) よりも安く、手に取りやすい製品ということで、高品質なイヤホンを探していた人はぜひ購入を検討してみてはどうだろうか。