24日開業 「麻布台ヒルズ」 内覧レポ。東京タワーが見下ろせる超高層ビルやチームラボのミュージアムなどで構成される複合施設

麻布台ヒルズ外観 (画像提供:森ビル株式会社)

35年という長い年月をかけて進められてきた、港区麻布台の 「麻布台ヒルズ プロジェクト」 。ついに今月24日に開業を迎える。

開業に先立ち、20日に 「麻布台ヒルズ」 のメディア向け内覧会が開催された。当記事ではそのレポートをお届けしたい。

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麻布台ヒルズ内覧レポート

麻布台ヒルズは、”緑に包まれ、人と人をつなぐ広場のような街 “Modern Urban Village” をコンセプトに、人々が自然と調和しながら、安全かつ健康に生きることができる街を目指した大規模都市再生プロジェクト。

約300名の権利者、および35年をかけて官・民・地元が一体となり進めてきた。世界水準の都市機能を高度に組み合わせた都市づくりで、日本経済の活性化や、東京の国際競争力強化の貢献にも期待がかかる。

麻布台ヒルズは、オフィスやレジデンスのほか、ホテル (ジャヌ東京)や慶應義塾大学の予防医療センターといった医療施設も備える。

また、都内では珍しいインターナショナルスクール 「ブリティッシュ・スクール・イン 東京」 が誕生。文化面では、麻布台ヒルズギャラリーのほかアート集団チームラボのミュージアムもオープン予定だ。

麻布台ヒルズの区域面積は8.1haで、延床面積は861,700㎡、オフィス総貸質面積は214,500㎡、住居数は1,400戸で、六本木ヒルズに匹敵するスケールとなっている。

また、麻布台ヒルズの特徴のひとつと言えるのが緑地の広さ。緑化面積は24,000㎡で都心のど真ん中でありながら緑を目にする機会が多い施設となっている。果樹園や菜園など様々な植物が植えられており、その数はなんと320種にも及ぶとのことだ。

商業施設は、「ガーデンプラザ」 というショッピング施設がA〜Dまで作られており、そのなかに約80店舗のストアやレストランなども入居する。なお、麻布台ヒルズ全体には150店舗が入居する予定で、うち94店舗は開業日より営業がスタートする予定だという。

ここからは、各施設にクローズアップして紹介していこう。まずは、オフィスタワーである 「森JPタワー」 から。

森JPタワーは、地上64階建ての高層ビル。高さ330メートルで、大阪の 「あべのハルカス」 を抜き日本一の高さを誇る。外観デザインは、故シーザー・ペリ氏、フレッド・W・クラーク氏が務め、低層部デザインはトーマス・ヘザウィック氏が務める。総64階のうち、1〜4Fまでが商業エリアで、5Fと6Fは慶應義塾大学の予防医療センターとなる。そして5F〜52Fまでがオフィスとなっており、53〜64Fまでが住宅エリアとなる。

森JPタワーの34Fと35Fは、入居企業とその従業員が利用できる 「ヒルズハウス」 という施設になっている。34F・35Fということで窓からの眺望も良く、様々な人との交流に使える場として提供されるようだ。

33Fには、ワークスペースやカフェテリアなどを備えた会員制エリア 「メンバーズラウンジ」 が設置。

ラウンジ内のカフェテリア 「Club Lounge」 では、四季折々の旬の野菜を使用し、健康に配慮した6種類のランチを週替わりで提供する。価格はいずれも1,000円(税込)を予定。

夜にはバーラウンジとしてアルコールも提供。ひとりでも複数人でも気軽に利用可能だ。また、平日の夕方や週末は全体を貸し切ることもできるとのこと。

同じく33Fには、日本が誇るフランス料理の巨匠、三國清三氏がプロデュースするグランビストロ 「Dining 33」 がオープンする。こちらは会員ではなくても誰でも利用できるレストランになっていて、江戸東京野菜を積極的に活用するメニューを提供する。

試食用として記者たちに提供された 「サーモンミキュイの塩昆布焼き」 とチョコレートムース 「ラッケノワール」 、そしてシャンパーニュ。

ディナーコース 「アミューズ」 の価格は11,000円 (税込/サービス料12%別) 。

森JPタワーの52Fは全体がオフィスエリアになっている。52Fということで東京タワーを間近で見下ろしたり、ベイエリアも一望できて、この階層ならではの景色を毎日楽しめそうだ。

中央広場外観 (画像提供:森ビル株式会社)

森JPタワーの目の前には、中央広場が広がっている。ここには四季ごとに表情を変える約320種の多様な植栽が広がっているほか、菜園や果樹園も整備されており、アンズや温州ミカン、レモン、リンゴ、ブルーベリー、ローズマリーなどが生育される予定だ。

また、中央広場と森JPタワーには、森美術館がキュレーションを手がけた4つのパブリックアートとして、オラファー・エリクソン氏、奈良美智氏、曽根裕氏、ジャン・ワン氏の作品が設置されている。上記は中央広場に設置されている奈良美智氏の 「東京の森の子」 。

森JPタワーから少し歩いた先にある 「ガーデンプラザA」 には、施設面積2,300平方メートル、展示面積700平方メートルで様々なジャンルを取り扱うギャラリー施設 「麻布台ヒルズギャラリー」 がある。

開館日の11月24日からは、開館記念展として 「オラファー・エリクソン展 相互に繋がりあう瞬間が協和する周期」 が開催される予定だ。会期は2024年3月31日(日)までを予定している。

麻布台ヒルズには、「集英社マンガアートヘリテージ トーキョーギャラリー」 がオープンする。

「集英社マンガアートヘリテージ」 は、”マンガを、受け継がれていくべきアートに” というビジョンのもと、2021年にスタートしたプロジェクト。紙の原画を整理し、保存、運用すべく、最良のマテリアルと印刷技術を使い、漫画家と版元が監修し制作した「マンガアート」を展示・販売するアートギャラリーとして、これまでオンライン上でのみ展開されてきたが、「麻布台ヒルズ」 で展開されるギャラリーは、初のリアル店舗として常設される。

 

戦後〜1970年代後半まで行われていた、金属板×活字によるプリントを再現。マンガの絵の部分を金属板 (亜鉛版) に腐食製版し、ふきだし部分を糸ノコでくり抜いて、活字を組み込んだ版を使って印刷した。このアートプリントを、版を撮影した写真とともにセット販売する。再現されたのは、尾田栄一郎氏の『ONE PIECE』第一話の1ページ。

ガーデンプラザBには、東京・お台場パレットタウン内にて常設されていた、アート集団チームラボと森ビルが共同で手がける 「エプソン チームラボボーダレス」 が2024年2月上旬に移転オープンする予定だ。

新たに麻布台ヒルズにオープンする 「エプソン チームラボボーダレス」 には、新作や日本未発表作品などが加わるほか、人気作品も大幅にアップデートされる。

今回の内覧会では、制作中の作品群をいち早く体験できるプレスツアーがメディア向けに実施された。

今回体験することができた作品は、《Bubble Universe》と《Megalith Crystal Formation》。どちらも世界初公開の作品となる。

《Bubble Universe》は、チームラボの新たなアートプロジェクト 「認知上の存在」 をテーマにした、インタラクティブな作品。

展示空間には無数の球体が配置されており、それぞれの球体が周囲の球体に呼応するように色や明滅の仕方を変えていく。周囲は360度鏡張りになっているため、それぞれの球体が発する光がずっと遠くまで続いているような不思議な感覚を味わうことができる。

《Megalith Crystal Formation》は、四角いブロックのようなものが壁から飛び出るように配置された真っ暗な空間の中に、複数の作品が部屋から部屋へと移動しながら入り込んでくる作品。

今回は《花と人 – Megalith Crystal Formation (work in progress) 》と《Black Waves – Megalith Crystal Formation (work in progress) 》が混じり合う様子を見ることができた。

《花と人 – Megalith Crystal Formation (work in progress) 》では、コンピュータープログラムによりリアルタイムで描き出される赤色の花々が、次々と生まれては散っていく。花は来場者の振る舞いにインタラクティブに反応しながら変容するため、同じ絵は二度と見ることができない。

少し寂しさも感じながら作品を楽しんでいると、花がすべて消えて無くなり、いつの間にか黒い波が現れてどんどん空間を覆い尽くしていく。これが《Black Waves – Megalith Crystal Formation (work in progress) 》だ。

穏やかながら寂しさも感じた《花と人 – Megalith Crystal Formation (work in progress) 》に比べて、《Black Waves – Megalith Crystal Formation (work in progress) 》は力強くダイナミックな黒い波の動きに圧倒される。こういった作品ごとの違いを楽しむことができるのが《Megalith Crystal Formation》の面白いところだ。

今回は時間の都合もあり、麻布台ヒルズのすべての店舗を見て回ることはできなかったが、「六本木ヒルズに匹敵する」 とされているだけあって、かなり巨大な施設になっている。訪れる機会があれば、ぜひ足を運んでみていただけたらと思う。

麻布台ヒルズ – Azabudai Hills

teamLab取材
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