当メディアはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

ROG Phone 7 レビュー|最新SoCと高性能冷却システムでヘビーなスマホゲームも快適プレイ

ASUS JAPANは、ゲーマー向けブランド 「Republic of Gamers (ROG)」 から、新型ゲーミングスマホ 「ROG Phone 7」 「ROG Phone 7 Ultimate」 の国内モデルを発表。2023年7月21日(金)より販売を開始する。

「ROG Phone 7」 は、ASUSのゲーミングスマートフォン 「ROG Phone」 シリーズの最新モデル。最新のQualcomm Snapdragon 8 Gen 2を搭載し、より冷却性能を強化したことで、快適なゲームプレイを可能にした。

本スマートフォンの国内発表に先立ち、ASUS JAPANからサンプル機を借りて1週間ほど使ってみることができたので、詳しい仕様や実際に使ってみた感触をお伝えしたい。

スポンサーリンク

デザイン:背面デザインが刷新、よりゲーマー好みに

「ROG Phone 7」 は、先代モデルにあたる 「ROG Phone 6」 から背面デザインを一新したほか、ASUSのゲーミングスマートフォンとしては初の防水・防塵仕様に対応するなどの変更があった。

まずはデザインが大きく変更された背面から。背面は上半分と下半分で異なるデザインになっており、上半分は内部が透けて見えるようなトランスルーセントデザインが、下半分は高品質なマットグラスが採用されている。

さらに、背面左中央には光るライトバー 「Auraグロー」 が搭載されているほか、中央下に配置されたROGマーク 「Auraライト」 は電源オン時や充電中など、特定の条件下で光ったり、アニメーション調で表示させることができるなど、全体的にゲーマー心をくすぐるデザインが採用されている。

カラーはファントムブラックとストームホワイトの2色が用意されていて、今回紹介するのはファントムブラックだ。

前面には6.78インチのAMOLEDディスプレイが搭載されており、ベゼルは左右が細く、上下がわずかに太くなっている。フロントカメラは上部のベゼルの中、右上に配置されている。ディスプレイ性能については別途詳しく紹介する。

本体側面には、ゲーミングスマートフォンらしい機能が盛り込まれている。

スマートフォンでゲームをプレイする際には、本体を横向きに持つことが多い。ROG Phone 7の場合は、横向きに持ったときに上側面に電源ボタンと音量調節ボタンが来るように持つのが正しい向きになる。

上側面の右端と左端には、「ROG」 と文字が書かれている部分があるのだが、この部分は超音波ボタン 「AirTrigger」 となっていて、タッチすることでLRボタンとして機能させることができる。同ボタンの詳細はゲーミングについての部分で詳しく触れたいと思う。

横向きの状態にすると、右側面には3.5mmイヤホンジャックとUSB Type-Cポートが、下側面にはもうひとつのUSB Type-Cポートが搭載されている。Type-Cポートが2つある理由は、縦向きと横向きのどちらの向きで使っていても充電ケーブルが邪魔にならないようにするためだ。

そして、本体はASUSのゲーミングスマートフォンとしては初のIP54の防水・防塵に対応。水回りやホコリっぽい場所でも故障の心配なく使うことが可能だ。

生体認証は、指紋認証 (画面内蔵センサー) と顔認証の両方に対応。顔認証はメガネやマスクなどの有無による影響を受けない高性能なものが採用されている。

スポンサーリンク

画面:最大165Hzの6.78インチAMOLEDディスプレイ

ROG Phone 7には、6.78インチのAMOLEDディスプレイが搭載されている。リフレッシュレートは最大165Hzで応答速度は1msの超高速駆動のディスプレイだ。最大輝度は1500ニトで、眩しい屋外でも快適にゲームプレイが可能。

ゲーミングスマートフォンということでタッチパネルにもこだわっており、タッチサンプリングレートが720Hzの高速検知パネルが搭載。画面へのタッチを1/720秒間隔で検知できるという。

また、画面へのタッチを検知してからタッチした場所を検知するまでにかかる時間 (タッチレイテンシー) も高速。リフレッシュレートが165Hzのときには23msのタッチレイテンシーを実現しており、わずか23/1,000秒でタッチ位置を検知できる。高速なタッチ入力が求められるゲームも快適にプレイできるはずだ。

カメラ:ゲーミングスマホながらカメラ性能もそれなり

ROG Phone 7のカメラは、メインの背面カメラが広角+超広角+マクロのトリプルカメラ、自撮り用のインカメラがシングルカメラという構成になっている。

各カメラの画素数は、背面カメラは広角が5,000万画素、超広角が1,300万画素、マクロが500万画素。インカメラは3,200万画素だ。

背面カメラは3つのカメラを使い分けられることができ、ナイトモードなども利用できることから、昼夜どんなシチュエーションでも安定したクオリティの写真が撮影できる。動画は最高8K/24fpsで撮影できるほか、4K/60fpsでの撮影も可能だ。

実際に撮影した写真は以下。

この日はどんよりと暗い曇天の中での撮影となったため、全体的に明るさが足りない印象の写真ばかりになってしまったが、色味などは正確に表現できているように感じた。

このような天気の中でもっと明るい写真を撮影したいなら、画像編集ソフトなどで露出を上げるなど一工夫する必要がありそうだ。

また、超広角カメラは広い範囲を撮影できて良いものの、広角カメラに比べると画素数が低く全体的なクオリティもダウンしてしまうため、できれば大事な写真は広角カメラで撮影していきたいところ。

広角

超広角

インカメラは3,200万画素の高解像度で精細な写真が撮影可能。自撮り写真も綺麗に撮影できる。

SoC:最新のSnapdragon 8 Gen 2が搭載

内蔵SoCは、リアルタイムレイトレーシングなどに対応する最新のQualcomm Snapdragon 8 Gen 2が搭載。高性能かつ省電力性にも優れており、快適なゲームプレイを実現する。

上記はAnTuTuベンチマークとGeekbench 6の結果。現行最新のSoCということもあり、3Dゲームも楽々プレイできるほどの高性能を実現している。

実際に『原神』を起動してみた。グラフィックを 「高」 「最高」 にすると、現在のデバイス負荷は 「非常に高い」 と表示されるものの、実際のゲームプレイはとてもスムーズで、高グラフィックのままでプレイしても問題はなさそうだった。

ハイエンドスマートフォンの中には、同じくSnapdragon 8 Gen 2を搭載するものも多く、いずれのモデルも『原神』を最高画質でプレイするとデバイス負荷は非常に高いと表示されるものの、動作自体はスムーズであることが多い。ただし問題となるのが本体が熱くなってしまうことで、これに対してROG Phone 7は冷却性能を高めることで快適なプレイを実現している。冷却性能については、この後さらに詳しく紹介する予定だ。

メモリとストレージは、LPDDR5XメモリとUFS 4.0対応ストレージが採用。どちらも先代モデルよりも大幅に高速化しており、より軽快なゲームプレイが可能だ。メモリとストレージの組み合わせは、16GB+512GBと12GB+256GBの2種類。microSDには非対応だ。

冷却性能:徹底的にこだわった冷却システムで素早く放熱

ROG Phone 7には最新のSnapdragon 8 Gen 2が搭載されており、『原神』のような3Dゲームも高画質でプレイできるとお伝えした。

それなら、最新のSnapdragon 8 Gen 2が搭載されているスマートフォンなら、どんなゲームも高画質でプレイできるのかというと、それはおそらく難しいだろう。

というのも、SoCが優秀でも長時間にわたって負荷の高い処理をし続けることで熱が発生し、その熱によってサーマルスロットリング (温度上昇時に周波数を低下させる機能) が発生してしまうと、SoCの本来の性能が最大限に発揮できなくなってしまうからだ。

ROG Phone 7は、長時間のゲームプレイ時にもSoCの性能をできる限り低下させないよう、冷却性能に徹底的にこだわった。

まずはメインプロセッサの表面に、熱伝導率が極めて高い窒化ホウ素を使用した熱伝導グリスを塗布し、発生した熱を素早く放熱部に移動させる。これでサーマルスロットリングの発生を抑えることが可能だ。

さらに、内部構造を変更した新設計のベイパーチャンバーと、大型化&形状の見直しが行われたグラファイトシートの組み合わせにより、非常に高い熱処理性能を実現している。

実際に、ROG Phone 7で『原神』を最高画質でプレイしてみた。Snapdragon 8 Gen 2を搭載した他のスマートフォンでは5分もしないうちに本体がかなり熱くなってしまい、やむをえず画質を下げてプレイすることが多かったが、ROG Phone 7は本体は緩やかに熱を帯びていくような感じで、30分くらいまでは最高画質のままでもプレイすることができた。

ただし、30分を超えるといよいよ本体が熱くなってきてしまったので、画質は 「高」 でプレイするのが最適かもしれない。とはいえ、他のスマートフォンでは30分も最高画質のままでプレイし続けることはできなかったことから、ROG Phone 7の冷却性能の高さを実感することができた。

AeroActive Cooler 7装着時のROG Phone 7 Ultimate

もし最高画質のままでもっと長時間『原神』をプレイしたいなら、より上位の 「ROG Phone 7 Ultimate」 を選ぶのがオススメ。ROG Phone 7 Ultimateには、外付けの冷却機構 「AeroActive Cooler 7」 が付属してくるため、より強力に本体を冷却することが可能だ。

便利機能:超音波LRボタンやモーションコントロール搭載

ROG Phone 7はゲーミングスマートフォンということで、ゲームをプレイしやすくする便利機能が様々追加されている。

まずはどんなゲームをプレイする上でも必ず設定しておきたいのが、超音波ボタン 「AirTrigger」 。本体を横向きにした状態で上側面の左右に配置されている 「ROG」 のロゴ部分をタッチすると、物理LRボタンのように操作できる機能だ。

設定方法は、ゲームプレイ中に画面左上からのスワイプでGame Genieを起動し、設定したいボタンにLとRを割り当てるだけ。画面上のボタンをタッチする方式だとタッチミスが発生する可能性があるが、このAirTriggerならより正確に操作できるはずだ。

シューティングゲームやレースゲームなら、モーションコントロールの設定もオススメ。本体を左右に傾けたり、上下に振ったりする操作を画面内のボタンに割り当てることができる。

そのほか、特定のボタンをタップしたときにバイブレーションを適用する機能や、特定の操作を記録してマクロ登録できる機能なども用意されており、色々と使いこなすことができれば、従来とは違った感覚でスマホゲームが楽しめるようになるはずだ。

バッテリー:劣化しにくい工夫がなされた大容量バッテリー搭載

ROG Phone 7は、6,000mAhと大容量のバッテリーを採用しているため、最長17.9時間という驚異的なバッテリー持ちを実現。長時間のゲームプレイも安心だ。

バッテリーに関しては、3,000mAhのバッテリーを左右に1つずつ分割して搭載する 「デュアルセルシステム」 を採用しているため、熱による劣化が起こりにくく、長く使うことができる。

もしバッテリーをもっといたわって使いたいなら、「バイパス充電」 を活用していただきたい。一般的に、バッテリーを充電しながらゲームをプレイすると本体の発熱が大きくなり、バッテリーが劣化しやすいが、同充電モードはACアダプター接続時にシステムのみに給電し、バッテリーを充電しないため、発熱によるバッテリー劣化を抑えることができる。ゲームを終了したら本体を充電すれば、負荷は最小限にできるはずだ。

ちなみに、ROG Phone 7は65Wの急速充電に対応。約44分間で100%までバッテリーを充電可能だ。

まとめ:ヘビーゲーマーなら大きな恩恵があるはず

ROG Phone 7を1週間ほど使ってみて、電話やメール、SNSといった一般的な使い方をする上では、他のハイエンドスマートフォンと使用感はあまり変わらなかったが、やはりゲームをプレイするときには、一般的なスマートフォンに比べると圧倒的に使いやすい。

特に冷却性能は他のスマートフォンよりも突出しているため、負荷の高いゲームも安心してプレイできるはず。バイパス充電などの機能を活用すれば、バッテリー劣化も最小限で済むため、スマートフォンを長く使いたい人にはピッタリ。

また、筆者はもともとコンソールゲーム派ということもあり、画面のボタンをタッチして操作するのがあまり得意ではないのだが、AirTriggerでLRボタンにタッチ操作しにくいボタンをあてがうことで、スマホゲームとは思えないほど快適にプレイすることができた。

普段からヘビーなスマホゲームをプレイすることが多い人や、スマホゲームの大会などに参加する機会がある人なら、メインスマホとしても活用できて、ゲームも快適にプレイできるROG Phone 7がオススメだ。

ROG Phone 7は、2023年7月21日に国内発売を予定している。価格は129,800円(税込)〜。