次期MacBook AirとMacBook Proはバタフライキーボードを廃止し、シザースイッチをベースにした新しいキーボードが採用されることになるのかもしれない。TF International Securitiesの著名アナリストMing-Chi Kuo氏が投資家向けレポートで言及した。
現行のバタフライ式キーボードを廃止し、新しいシザースイッチベースのキーボードを採用することによって、これまで問題視されていたMacBook Proのキーボード問題を解決できる可能性がある。
新しいシザーキーボードがMacBook Air・MacBook Proに採用か
Ming-Chi Kuo氏によると、Appleは新しいシザーキーボードの開発に成功した。このシザーキーボードは、キーの構造を補強するためのグラスファイバーを採用し、より高い耐久性とより深いキーストロークによってタイピング体験を向上させることができるという。
この新型キーボードは、まず今年後半に発売するとみられる新型MacBook Airに搭載されるとKuo氏は予想しているようだ。そして多くのユーザーが望むMacBook Proへの搭載も2020年以降のモデルで行われるとする。
MacBook Proに関しては、2019年内に16インチの液晶ディスプレイを搭載した次世代型モデルが登場すると噂されている。今回情報を伝えたMing-Chi Kuo氏もそれを当初は予想していたが、今回の投資家向けレポート内で16インチMacBook Proの登場については言及しなかった。
やはり直近でMacBook Pro (2019) が登場したこともあり、もしかすると16インチMacBook Proは2020年以降に発売がずれ込んでいるのかもしれない。
Kuo氏によると、新しいキーボードはラップトップの専門キーボードメーカーSunrexによって生産され、バタフライ式キーボードに比べて製造コストが安いという。故障の可能性が少なく正確なタイピング体験が提供でき、さらに製造コストも安い。これまでキーボードに悩まされてきたAppleにとって、当然これを導入しない手はない。
ただ、バタフライ構造のキーボードは従来のシザー構造のキーボードに比べて高い安定感が持ち味。それを上回るキーボードを本当に開発できたのかは少し疑問も残るため、これについてはあまり期待しすぎず今後の情報を追うべきだろう。
MacBook Proで問題視されたバタフライキーボード
これまでのバタフライ式キーボードに関する経緯について少し触れておきたい。正確なタイピングを提供できると大きな期待の中で登場したバタフライキーボードだったが、MacBook Proに搭載されたバタフライキーボードは多くのユーザーから故障が発生すると報告が上がっていた。
主な原因はキー内部に埃などが侵入することでキーを叩いても正常に入力できないというものが多かったが、実はそのほかにも多数の問題を抱えていた。しかもキーボード自体が故障して使い物にならなくなった時はロジックボードごとの交換が必要になる場合も。もちろん内部のデータはすべて失われるためデータのバックアップ&修理完了後の再セットアップも必須となる。
このバタフライキーボードの “悪童” ぶりはかれこれ4年弱続いたことになる。最初に登場したのはMacBook Pro(2016)だが、当初からユーザーから苦情や故障報告が上がっており、米国では集団訴訟にまで発展したこともある。
その後何度も改良が加えられ今では問題が発生することはほとんどなくなったが、やはり根本的な解決には至っておらず、結果的にAppleは、MacBook Pro(2019) の発売と同時に修理プログラムを提供し、ユーザーはいつでもバタフライキーボードを交換できるように対策を講じた。
Appleとしてもキーボードに関して、まだまだ改善の余地があると考えているはずだ。それが次世代のバタフライ式キーボードなのか、それともKuo氏の言うシザー構造の新しいキーボードなのか。次期MacBook Air・MacBook Proについてはキーボード構造にも今後注目が集まりそうだ。
( via MacRumors )
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