
ついに、この日がやってきた。長らく待ち望まれていたApple Intelligenceの日本語対応が本日よりスタートする。これまで、英語など一部言語での利用に限られていたAI機能が、私たちの言葉で利用できるようになる。
Apple Intelligenceではどんなことができるのか、日本語対応に先がけいち早く日本語版を試してみた。本稿では、Apple Intelligenceで利用できる一部機能をご紹介したいと思う。
「Apple Intelligence」 についておさらいしておこう
まず、「Apple Intelligence」 とは何なのか、おさらいしておきたいと思う。「Apple Intelligence」 は昨年6月に米カリフォルニアで開催したWWDC24で披露された、Appleの独自AI機能だ。
最大の特徴は、iPhoneやiPad、Macの各デバイスに統合されていることで、OS全体でAI機能を活用できるということ。アプリ間で横断して情報をやりとりできたり、Siriに統合されより賢くなるなど、音声アシスタントの進化にも一役買っている。
また、オンデバイス処理とクラウド処理の両方を利用する仕組みになっていて、プライバシーに関わる情報に関しては基本オンデバイス処理するという設計がなされているのも、なんともAppleらしいところだ。
これまで、Apple Intelligenceは米国、英国、オーストラリア、カナダ、アイルランド、ニュージーランド、南アフリカ地域における英語のみで利用可能だったが、本日配信された 「iOS 18.4」 「iPadOS 18.4」 「macOS Sequoia 15.4」 から、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語 (ブラジル)、スペイン語、日本語、韓国語、中国語 (簡体字) 、シンガポールおよびインド向けのローカライズされた英語でも利用できるようになったかたちだ。
Apple Intelligenceでは、以下の機能が利用できる。今回は、これらのうち筆者が個人的に便利だと思う機能に絞って紹介したいと思う。
- 写真アプリ
- メモリーの作成
- ストーリー構成
- 自然言語検索
- 「クリーンアップ」 ツール (不要なものを除去)
- Image Playground
- テーマ・コンセプトなどカテゴリ別のコンセプトから画像を作成
- 説明文を使って画像を作成
- フォトライブラリの人物を使って画像を作成
- 写真から画像を作成
- ジェン文字 (Macは今後数ヶ月以内に提供予定)
- 説明を入力して新しい絵文字を作成
- フォトライブラリの人物を元に絵文字を作成
- 画像マジックワンド
- 手描きのスケッチを元に画像を作成
- 説明文を加えて画像を作成
- ノートの空白の部分を囲んで周囲の文脈に基づいた画像を生成
- 作文ツール
- 文章をリライト
- 文章を校正
- 文章を要約
- メールアプリ
- 優先度の高いメッセージをトップに表示
- メールのプレビューに簡易要約を表示
- 受信したメールの内容に基づく返信候補を提示
- メール、メッセージなどの通知を自動要約
- 重要度の高いコミュニケーションを優先表示
- 通話アプリで通話のリアルタイム録音・文字起こし・要約作成が可能
- メモアプリで音声録音と文字起こしに対応、要約も自動生成
- Siri
- 新しいデザインでより使いやすく
- 言い直しなど柔軟なリクエストに対応
- タイプ入力で音声なしでリクエスト
- ビジュアルインテリジェンス
- カメラを向けた対象についての情報を検索してもらう
- ChatGPT連携
- Siriとの連携
- 作文ツールでのコンテンツ作成
写真アプリの自然言語検索
写真アプリで画像を検索するとき、自然言語で検索ができるようになった。たとえば、「赤い花が咲いている公園」 「去年の夏の海で撮った写真」 など。今回は、「芝生の上でくつろいでいるポチ」 というお題を出して検索してみたところ、見事ワンちゃんが芝生の上に寝転がった写真を検索することができた。
iPhoneは、一眼レフカメラのようなキレイな写真が撮影できるため、旅行や日常の写真をすべてiPhoneで撮るユーザーも多いだろう。しかし、日々写真を撮りためていると、写真アプリ内が大量の画像で溢れ、いざ特定の写真を探そうとしても見つからないことがある。そんなとき、この機能を活用すれば、写真の特徴を曖昧な記憶のまま言葉にするだけで、簡単に目的の写真を見つけることができる。
「クリーンアップ」 ツールで写真から不要なものを除去
撮影した写真に不要なものが映り込んでしまった場合に便利なのが、「クリーンアップ」 ツールだ。実はApple Intelligenceがリリースされる前から利用できたものなのだが、この機能を利用することで、たとえば背景に写り込んだ電柱や、集合写真に紛れ込んだ不要な人物などを、より簡単にそしてキレイに消去できる。
たとえば、上記写真は先日香港取材の際に立ち寄った 「Apple Causeway Bay」 の入り口を撮影したもの。筆者の知り合いが写り込んでしまっているが、これをクリーンアップして削除してみたい。
すると、入り口に立っていた男性はキレイに消えてしまった。同機能は、Appleの機械学習モデルを活用したもので、削除したい対象物を認識し、周囲の背景と自然に馴染むように画像を生成することで実現している。
もちろん、写真によってはうまく生成されないパターンもあるが、気になる不要物が写り込んでしまった際にはぜひ試してみていただきたい。
Image Playgroundでカテゴリ別コンセプトから画像作成
新しいアプリ 「Image Playground」 を使って、テーマやコスチューム、小道具、場所などのカテゴリを指定したり、説明を入力するだけで画像を作成できる。
どんな画像を作りたいのか決まっているなら説明を入力するのが便利だが、大まかなイメージしかないのであれば、提案されたテーマなどを元に画像を作っていくこともできる。できた画像にはリクエストを追加できるため、たとえば 「海」 をテーマにした画像を作って、さらに 「船」 を追加するようにリクエストすれば、海に船が浮かんでいるイラストを作成できる。
画像のスタイルは3種類から選ぶことができ、好きなテイストに仕上げることができる。
- アニメーションスタイル:3Dアニメーション風のキャラクターと精緻な背景。
- イラストスタイル:シンプルな形状、クリーンなライン、フラットカラーを活用したポップなイラスト。
- スケッチスタイル:詳細な線画と鮮やかな色彩を用いたアカデミックなスタイル。
ジェン文字で新しい絵文字を作成
キーボードから自分の好きな絵文字を作成できる 「ジェン文字」 機能。作成した絵文字は通常の絵文字と同じように文章の中で使ったり、ステッカーやTapback (リアクション) としても利用できる。
ジェン文字は絵文字キーボードの右上から作ることができる。「帽子をかぶったネコ」 のようにテキストで説明するだけで、AIがその説明にあった絵文字を作ってくれる。
同機能は現時点ではiPhoneとiPadのみが対応していて、Macでは今後数か月以内に提供予定だ。また、作成したジェン文字は純正アプリ以外でも使うことができるが、現時点でLINEでは画像としてしか使うことができない。
作文ツールで文章のリライト・要約
メモやメールなどあらゆるアプリで利用できる作文ツール。指定した文章をリライトしたり、要約してくれる。リライトは元々の文章のトーンを変えてもらったり、ユーザー側で条件を指定してあげることで、それに応じたテキストに書き換えることが可能だ。
たとえば、ソーシャルメディアのプロフィールが少しフランクすぎるなと思ったとき。「プロフェッショナル」 なトーンに変えて欲しいとお願いすると、カジュアルな表現を抑えた、よりフォーマルで洗練された文章に書き換えてくれる。逆に、ビジネスメールが堅すぎると感じた場合は、「フレンドリー」 と指定することで、柔らかく自然な表現にリライトすることも可能だ。
Apple Intelligenceには多数の機能が用意されているが、おそらく多くのユーザーが利用するのはこの機能なのではないだろうか。
メールの要約を表示
メールアプリで、届いたメールの内容を要約してくれる機能が追加。多少長めの文章であっても、相手が何を質問してきているのかを簡潔にまとめて教えてくれる。
この要約機能は、複数の人がやり取りをしているスレッドも利用できる。この場合、スレッドの最新のやり取りで要約をお願いすれば最新の内容をまとめてくれて、スレッドの途中で要約をお願いすると、その段階での内容をまとめてくれる。
本機能は作文ツールが機能するサードパーティソフトでも利用できるため、純正のメールアプリ以外で使用することも可能だ。
Siriがより柔軟に対応できるように
Apple Intelligenceに対応したデバイスではSiriの起動画面が変わり、画面の周囲に虹色のモヤモヤが表示されるようになる。このビジュアルの変更自体にはあまり意味はないものの、その会話のレベルは大幅に向上するようになり、より柔軟なリクエストに対応できるようになった。
一番進化を感じられるのが、我々がSiriへの命令を言い間違ったとき。たとえば、「10分タイマー」 と言ったあとに 「やっぱり15分ッ!」 と言い直したとき。ユーザーが言い間違ったことをSiriは認識し、あとで言われた15分に上書きしてタイマーを設定してくれる。
また、「明日の天気は?」 と聞いたあとに 「じゃあ、今日の天気は?」 と、「Hey Siri」 のウェイクワードを繰り返さずに前後の文脈を踏まえて、続けて質問に返答することが可能に。Siriを使ううえで何を言おうか準備する必要がなくなるので、かなり便利になるだろう。Siriを活用する機会がいよいよ増えそうな予感だ。
また、画面下部のバーを2回タップすると、テキスト入力でSiriにお願いをすることもできるようになった。声を出しにくいエレベーターや電車のなかなどで利用すると便利だろう。
ビジュアルインテリジェンス
カメラアプリで撮影した対象物の情報を検索してくれる 「ビジュアルインテリジェンス」 。iPhone 16/iPhone 16 Proの場合はカメラコントロールを、iPhone 15 ProとiPhone 16eの場合はアクションボタンを使って検索できる。
料理店のメニューのような文章を撮影すると、その内容を読み上げたり、コピーできる。長めの文章が書かれたものを撮影した場合には、内容の要約が表示される。
また、探したいモノを撮影した際にはその被写体をインターネットで検索してもらうことで、名前や詳細な情報を簡単に調べることができる。たとえば、気になる観葉植物を撮影すれば、その種類や育て方を検索できるほか、気に入ったファッションアイテムを撮影すると、類似の商品をオンラインで探すことも可能だ。
ChatGPTとの連携
ユーザーがSiriに何らかのリクエストをしたとき、ChatGPTの方が専門的な知識によってユーザーに有益な情報をもたらすとSiriが判断した場合には、「ChatGPTに繋げますが良いですか?」 と自動で提案してくれる。プライバシー保護のため、ユーザーの許可なしに勝手にChatGPTに繋ぐことはしないようだ。ChatGPTを使うため、写真やPDFなどに関する質問にも答えてくれる。
作文ツールにおいては、ChatGPTに依頼することでオリジナルコンテンツをゼロから作り出すことも可能。テキストと一緒に画像を生成してもらうことも可能だ。
Apple Intelligenceの対応デバイス
Apple Intelligenceの対応機種は、iPhone 16eを含むiPhone 16シリーズ、iPhone 15 Pro/iPhone 15 Pro Max、A17 Proを搭載したiPad mini、M1チップ以降を搭載したiPad ProやiPad Air、MacBook Air、MacBook Pro、iMac、Mac mini、Mac Studio、Mac Pro。
- iPhone 16e
- iPhone 16
- iPhone 16 Plus
- iPhone 16 Pro Max
- iPhone 16 Pro
- iPhone 15 Pro Max
- iPhone 15 Pro
- iPad Pro (M1以降)
- iPad Air (M1以降)
- iPad mini (A17 Pro)
- MacBook Air (M1以降)
- MacBook Pro (M1以降)
- iMac (M1以降)
- Mac mini (M1以降)
- Mac Studio (M1 Max以降)
- Mac Pro (M2 Ultra)
これらのデバイスに本日4月1日より配信された 「iOS 18.4」 「iPadOS 18.4」 「macOS Sequoia 15.4」 をインストールすることで利用できるようになる。対応機種をお持ちの方はぜひお試しいただきたい。
(画像:Apple)