これまで、AppleはiPhoneにQualcomm製もしくはIntel製のモデムチップを採用してきたが、いずれは自社開発のモデムチップを採用すべく、着々と準備を進めているようだ。
Reutersによると、Appleはモデムチップの開発をサプライチェーン部門から自社のハードウェアテクノロジー部門に移したことが判明した。
Appleの独自モデムチップ開発が進行中
Reuterが入手した情報によると、モデムチップの開発がハードウェアテクノロジー部門に移されたことで、1月からは同部門を担当する上級副社長のJohny Srouji氏が先頭に立ってプロジェクトを進めているという。
Appleがモデムチップを自社開発することで、まずは開発コストの引き下げが期待できる。モデムチップは15ドルから20ドルとかなり高価で、年間2億台規模で販売されるiPhoneはモデムチップだけで30億~40億ものコストがかかっているとみられているため、これを自社開発することで、コストを大幅に抑えることができるはずだ。
また、Appleが独自モデムチップの開発に投資する理由は、次世代移動通信システム、通称 「5G」 のサービス開始も関係している。というのも、すでに各キャリアや他のスマートフォンメーカーは5G対応デバイスを投入してきており、SamsungやHuaweiなどのメーカーも独自モデムチップの開発を進めていると報じられている。スマートフォン市場で大きなシェアを誇るAppleとしては、この流れを無視するわけにはいかないだろう。
ただし、独自モデムチップの開発にはまだ数年かかる可能性があり、いつ頃新型iPhoneに採用されることになるのかは分からないとReutersは伝えている。2020年に登場が予想されている5G対応iPhoneにはIntelのモデムチップが採用される予定であると報じられていることから、独自モデムチップがiPhoneに採用されるのは2021年以降になりそうだ。