
Appleは10月13日(米国時間)、スマートホームアクセサリーの新シリーズ「Apple Home Collection」を発表した。
LGエレクトロニクスとシュナイダーエレクトリックとの協業により、屋内外の監視カメラやスマートロック、スマートサーモスタット、温湿度センサーなどを展開する。
各製品はiPhoneをかざすだけで初期設定でき、Appleの「ホーム」アプリからまとめて操作できる。製品ごとに専用アプリをインストールしたり、別のアカウントを作成したりする必要はない。映像や家庭内の個人データはエンドツーエンドで暗号化され、Appleや製品を開発したメーカーも閲覧できない仕組みを採用する。
12月から順次販売を開始し、一部製品は2027年初頭に発売する。価格は米国で199.95ドルから。
Apple、スマートホーム製品群「Apple Home Collection」発表。カメラやスマートロックなどを投入

「Apple Home Collection」は、Appleのスマートホーム環境をより手軽に利用できるようにするための新シリーズだ。
Appleはこれまで、「Works with Apple Home」認証を取得した製品や、スマートホームの共通規格「Matter」に対応する他社製品を通じて、対応機器を拡充してきた。今回はLGエレクトロニクスとシュナイダーエレクトリックと共同で製品を開発し、設定から日常の操作まで一貫した使い勝手を目指す。
スマートホームでは、メーカーごとに異なるアプリを使い分けたり、機器を追加するたびに設定したりする手間が課題になりやすい。新シリーズでは、iPhoneによる簡単な初期設定と「ホーム」アプリへの操作の集約によって、こうした負担を減らす。
各製品はApple製品と調和するシンプルなデザインを採用し、通信にはメッシュネットワーク技術「Thread」を利用する。Wi-Fi接続が途切れた際にも機器間の接続を維持しやすく、自宅のWi-Fi環境を変更した場合にはネットワークの認証情報を自動更新する。




監視カメラはLGエレクトロニクスが4製品を用意する。いずれも人物やペット、車両、荷物などを認識でき、撮影した映像は「iCloud+」に最大10日間保存できる。別途カメラ用のサブスクリプションを契約する必要はない。
「LG Video Doorbell Wired」は、訪問者と荷物を別々に撮影できる2台のカメラを搭載したビデオドアベルだ。正面側は2.5K、下向きのカメラはフルHDで撮影でき、スポットライトも備える。
「LG Floodlight Cam」は、動きを検知すると点灯する2基の投光器を備えた屋外用カメラ。「LG Outdoor Cam Plug-In」も屋外向けで、暗い場所でも色を確認しやすいナイトビジョンに対応する。「LG Indoor Cam Plug-In」は、アプリから室内を確認するときにカメラの向きを自動調整し、家族が帰宅すると下向きになって監視を停止する機能を備える。
4製品とも本体内蔵ストレージを搭載し、Wi-Fiが切断されても録画を続けられる。ライブ映像や撮影履歴は、iPhone、iPad、Mac、Apple TV 4K、新型ホームハブ「Apple HomeView」などから確認可能だ。
対応するiCloud+プランとApple Intelligence対応機器を利用すれば、録画内容を文章で要約したり、自然な言葉で映像を検索したりする機能も使える。利用条件は契約プランや対応機器によって異なる。

玄関向けには、ビデオドアベルと連携できる「LG Smart Deadbolt Lock」を用意する。超広帯域無線通信(UWB)を利用し、対応するiPhoneやApple Watchに登録したホームキーを持って近づくと、自動で解錠できる。暗証番号による解錠や、非常時に使える鍵穴も備える。
ドアの開閉や不正な操作を検知して通知する機能に加え、来客や家族などに「ホーム」アプリからアクセス権を共有する機能も搭載する。訪問者が呼び出しボタンを押すと、iPhoneなどに通知が届き、映像の確認や音声での会話、遠隔解錠を行える。Matterとスマートロック向けの相互運用規格「Aliro」に対応し、主要な解錠機能はインターネット接続がない状態でも動作する。
室温管理向けには、LGエレクトロニクスとシュナイダーエレクトリックがそれぞれスマートサーモスタットを投入する。「Adaptive Temperature」機能は、家族の在宅状況や就寝、外出などに応じて設定温度を自動調整する。
米国本土では、対応する電力会社の料金プランを契約していれば、「Clean Energy Guidance」機能によって、暖房や冷房の使用を電気料金が安く、環境負荷も低い時間帯に移せる。「ホーム」アプリから電力使用量や時間帯別料金を確認することも可能だ。
両社は専用の温湿度センサーも販売する。HomeView、HomePod、HomePod miniに内蔵されたセンサーも利用でき、複数の部屋の温湿度を把握できる。サーモスタットとセンサーはいずれもMatterに対応し、幅広い空調設備で利用できるほか、配線を検知する機能によって設置作業を簡単にする。

各機器は連携して動作し、例えば、朝のシーンを設定すれば、室温の調整や屋内カメラの向きの変更、HomePodでの音楽再生をまとめて実行できる。家族が外出すると施錠とカメラの監視を再開し、帰宅時には室温を調整して玄関のドアを自動解錠するといった使い方も想定している。
プライバシー保護にも配慮し、カメラ映像や「ホーム」アプリ内の個人データはエンドツーエンドで暗号化する。映像の処理は自宅のホームハブやAppleのクラウド処理基盤「Private Cloud Compute」で行い、Appleや協業メーカーがデータを閲覧できない仕組みとしている。
スマートホーム機器の設置を専門業者に任せたいユーザー向けには、米国で今秋から、Apple Storeを通じてADTによる有料設置サービスも提供する。

価格は米国向けで、「LG Video Doorbell Wired」が249.95ドルから、「LG Floodlight Cam」が399.95ドルから、「LG Outdoor Cam Plug-In」が299.95ドルから、「LG Indoor Cam Plug-In」が199.95ドルから。屋外向けカメラ3製品はEssence GraphiteとEssence Silver、屋内用カメラはEssence Whiteを用意し、米国、カナダ、英国で販売する。
「LG Smart Deadbolt Lock」は349.95ドルからで、米国とカナダで販売する。「LG Smart Thermostat」は199.95ドルから、「LG Temperature Sensor」は39.95ドルから。いずれも米国とカナダで取り扱う。
シュナイダーエレクトリックの「Schneider Home Smart Thermostat」も199.95ドルからで、室内用の「Schneider Home Room Sensor」は39.95ドルから。こちらも米国とカナダで販売する。
設置用アクセサリーは、「LG C-Wire Power Adapter」が24.95ドル、「Schneider Home Trim Plate」が14.95ドル、「Schneider Home C-Wire Power Adapter」が24.95ドルで、いずれも別売りとなる。

「Apple Home Collection」は12月から、Apple公式サイト、Apple Storeアプリ、実店舗で販売を開始する。一部製品は2027年初頭の発売となる。なお、「Apple HomeView」はSiri AIがiOSのEU地域で利用できないことから、欧州連合(EU)では販売しない方針だ。AppleはEU側と協議を続けている。
利用にはNFCによるペアリングに対応した最新OS搭載のiPhoneが必要で、一部機能には「HomeView」、「HomePod」、「Apple TV 4K」などのホームハブも必要となる。
カメラ映像の保存にはiCloud+への加入が必要で、50GBプランはカメラ1台、200GBプランは最大5台、2TBプランは台数無制限に対応する。Apple Intelligenceによる映像の要約や検索には、対応するiCloud+プランと、Apple Intelligence対応のiPhoneまたはiPadによる初期設定も必要となる。
情報ソース
(画像:Apple)




