Appleは折りたたみ可能なiPhoneを開発している。これは、バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのアナリストの予測だ。
同アナリストによると、Appleはサプライヤーと協力し、次世代スマートフォンの開発を行っているとのこと。早ければ2020年に、折りたたみができるiPhoneをリリースする計画であるという。
Appleは2020年に折りたたみ可能なiPhoneをリリースか
Appleが折りたたみ可能なデバイスの開発に着手している、という噂は今回が初めてのことではない。2016年から2017年にかけて、韓国LGディスプレイがモバイルデバイス向けの折りたたみ可能ディスプレイを開発していることが報じられ、同社はこのディスプレイを、Appleに提供する計画であることが噂されていた。
また、Appleは以前から同スマートフォンに使うとみられる技術の特許をいくつか申請している。これらも、次世代iPhoneが折り曲げできるようになるという噂を後押ししている。
折りたたみ可能なスマートフォンといえば、Samsumgの次世代スマートフォンが思い浮かぶ。Samsungは数年前から折りたたみ可能なスマートフォンの開発に取り組んでおり、今年の初めにはSamsung Mobileの社長DJ Koh氏が同端末を2019年にリリースすることを明言している。
どのような端末になるのかは明らかにされていないが、技術的には折りたたみ可能デバイスを作ることは可能なのだろう。
実現するためには、有機ELディスプレイの折り曲げ技術が必要だ。有機ELディスプレイは独立したピクセルで成り立っていることから、従来の液晶ディスプレイ(LCD)とは異なり、折り曲げることが比較的容易。
実際、有機ELディスプレイを搭載した「iPhone X」の画面をよく見てみると、端が僅かに曲げられていることが分かる。曲げられた先端は、「iPhone X」内部に食い込むようになっており、この技術のおかげで「iPhone X」は極狭ベゼルを実現することができたのだ。
ただし、「比較的簡単」とは言っても、製品化するためにはまだまだクリアしなければ多い課題が多い。Samsungが未だに製品化できていないのが、その証拠だ。
「iPhone X」の曲げられた画面は、元から曲げられて作られたものであって、ユーザーの手によって曲げることができるディスプレイとは少し異なるものだ。
もし、画面を曲げることができるようにするなら、画面下に配置されている内部コンポーネント(バッテリーやメモリ、回路基板など)もすべて折り曲げることができるようになる必要がある。仮に二つ折りのスマートフォンになったとしても、最低でもコンポーネントの配置を分けることが必要だ。
バンカメのアナリストの報告にもあるように、確かにAppleは折りたたみ可能なiPhoneを作っているのかもしれない。しかしながら、技術的な問題は山積していることから、2020年にリリースされるという報告は少々楽観的すぎる可能性があることに留意が必要だ。
ただ、折りたたみ可能なiPhoneが登場するとしたら、「iPhone X」以来の大幅なデザイン変更ということになる。世間の注目は間違いなく同端末に注がれるだろう。