4月15日、フランス・パリ中心部にあるノートルダム大聖堂で大規模な火災が発生し、建物の屋根3分の2と尖塔が焼け落ちるなど大きな被害が出た。フランス消防は出火から約8時間後にようやく鎮火することに成功したが、同大聖堂の再建には多額の費用が必要とされている。
フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、再建のための寄付を国内外から募集することを発表しており、すでにグッチやアレキサンダーマックイーン、サンローランなどのブランドを傘下に持つケリング会長兼CEOのフランソワ・アンリ・ピノー氏やアレキサンダー・マックイーン氏、ルイヴィトンやディオール、タグホイヤーなどを傘下に持つブランド企業LVMHの会長兼CEOのベルナール・アルノー氏らがそれぞれ1億ユーロを超える寄付を表明している中、米テクノロジー企業のAppleのティム・クックCEOも、16日に同大聖堂の再建に寄付することを表明した。
ティム・クックCEOがノートルダム大聖堂再建に寄付を表明
ティム・クックCEOは、Twitterで以下のツイートで寄付の表明を行った。現時点では、寄付の金額については明らかにしていない。
We are heartbroken for the French people and those around the world for whom Notre Dame is a symbol of hope. Relieved that everyone is safe. Apple will be donating to the rebuilding efforts to help restore Notre Dame’s precious heritage for future generations.🇫🇷
— Tim Cook (@tim_cook) 2019年4月16日
ノートルダム大聖堂はフランスを象徴する建物のひとつ。1250年に完成し、856年という長い歴史を持ち、かの有名なナポレオンが戴冠式を行った場所としても有名だ。また、ユネスコの世界遺産に登録された建物だっただけに、フランス国内だけでなく世界中の人々がこの事態に注目していたが、イエス・キリストが処刑の際にかぶっていたとされる 「いばらの冠」 など重要文化財については火災の間に運び出され、大聖堂の最大の特徴である2つの鐘楼や円形のステンドグラスで有名な3枚の薔薇窓についても消失を免れたことは、フランス国民にとって、いや人類にとって唯一の救いかもしれない。
前述したように再建までには多額の費用が必要。すでに多数の著名人や世界中の人々の呼びかけによって6億ユーロ近い寄付金が集まっているというが、現時点では再建にどれくらいの費用が必要かはわかっていない。さらにThe Gardianによると再建までには数十年が必要であると専門家は推測しているという。フランス当局は引き続き損害規模の調査を行い、再建費用や再建までにかかる日数を算出する予定だ。
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