当メディアはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Appleのナンバー2、COOジェフ・ウィリアムズ氏が今月退任へ。後任はサビ・カーン氏

現地時間7月8日、Appleは最高執行責任者 (COO) を務めるジェフ・ウィリアムズ氏が今月中にその職を退任すると発表した。後任には、同社のシニアバイスプレジデント (SVP) であるサビ・カーン氏が昇格する。今回の人事は「長期的な後継計画の一環」として行われる。

ウィリアムズ氏は1998年にAppleへ入社し、調達部門を統括。その後、オペレーション部門の責任者を経て2015年にCOOに就任した。在任中は、Appleのグローバルな製造・物流体制の構築に加え、カスタマーサポート、Apple Watchの開発、さらにはヘルスケア戦略の立案・推進にも深く関与してきた。2023年からはAppleのデザインチームも統括している。

Appleによれば、ウィリアムズは今年後半まで同社に留まり、ティム・クックCEOの直属の下でApple Watchおよびヘルス領域、デザインチームの指揮を継続する。彼の完全な退任後、デザインチームはクック氏の直轄となる予定だ。

クック氏は声明の中で、ウィリアムズ氏について次のようにコメントしている。

「ジェフと私は長年にわたり共に仕事をしてきた。Appleが今日の姿になる上で、彼の貢献は欠かせなかった。世界で最も尊敬されるサプライチェーンの構築、Apple Watchの立ち上げと進化、ヘルス戦略の設計、そしてデザインチームのリードなど、その功績は多岐にわたる。彼が築いた素晴らしいチームは、これからのAppleにとっても大きな財産になる。」

ウィリアムズ氏自身は次のように述べている。

「Appleで働けたことは人生最大の特権だった。6月でApple在籍27年、業界歴は40年を迎える。来年からは5人の孫を含む家族や友人と多くの時間を過ごす予定だ。サビとは27年にわたり共に働いてきたが、彼以上のオペレーション責任者はいないと確信している。」

後任となるカーン氏は、Appleで30年のキャリアを持ち、2019年からはSVPとして同社のグローバルサプライチェーンを統括。製造、調達、物流、品質管理に加え、労働者保護と環境責任を含むサプライヤープログラムも主導してきた。Appleによれば、彼のリーダーシップの下で同社のカーボンフットプリントは60%以上削減されたという。

クック氏はカーン氏についても高く評価している。

「サビはAppleのサプライチェーン戦略を築き上げた中心的存在だ。米国内の製造基盤拡大や、グローバルな課題への柔軟な対応能力の強化など、数々の実績を残してきた。何より、彼は価値観と誠実さを持ったリーダーだ。」

カーン氏は今月後半にCOOへと正式に就任し、ウィリアムズ氏からの移行期間を経て、Appleのオペレーション全体を統括することになる。

今回の人事は、Appleの将来を見据えた安定的な継承プロセスとして注目される。長年の実績を持つウィリアムズ氏の退任は1つの時代の終わりを意味するが、カーン氏の昇格は同社の持続的な成長と事業継続性への強い意志を示していると言えるだろう。

関連リンク

(画像:Apple)