
Appleが2025年の「App Store Awards」のファイナリスト45作品を発表した。選出されたアプリやゲームは、ユーザーの創造性を引き出し、日々のワークフローを再考させ、文化的な広がりを生む体験を届けた点が評価された。ファイナリストの中から選ばれた受賞作は数週間以内に発表予定だ。
App Storeの責任者であるカーソン・オリバー氏は「デベロッパの皆さんの卓越した姿勢はインスピレーションの源だ」と語り、世界中の多様なチームが生み出すアプリ体験に敬意を示した。
今回のファイナリストは、iPhone、iPad、Mac、Apple Watch、Apple TV、Apple Vision Proのアプリに加えて、iPhone、iPad、Mac、Apple Vision Proのゲーム、Apple Arcade、そして「カルチャーインパクト」の計12カテゴリーから構成される。
各カテゴリーの注目アプリとゲーム


iPhoneアプリでは、ワークフロー改善をテーマにした「BandLab」「LADDER」「Tiimo」が選出された。音楽制作、トレーニング、タスク管理とジャンルは異なるが、「日常の最適化」という点で共通している。
iPhoneゲームは、カジュアルから戦略性の高い作品まで幅広い。放置系アドベンチャーの『カピバラGo!』、コレクション性を強化した『Pokémon TCG Pocket』、シンプル操作の防衛ゲーム『Thronefall』がノミネートされた。


iPadアプリでは、コンテンツ制作を再定義する「Detail」、版画の魅力をデジタル化する「Graintouch」、時間管理アプリ「Structured」が選出。iPadの大画面を活かしたクリエイティブ寄りのラインナップが目立つ。
iPadゲームは、物語性の高い作品が中心だ。不穏な海を舞台にした『DREDGE』、独自世界観を持つ『インフィニティニキ』、アクション性の高い『プリンス オブ ペルシャ 失われた王冠』など、没入感を重視したタイトルが揃った。


Macアプリは、「Acorn」(写真編集)、「Essayist」(論文支援)、「Under My Roof」(資産管理)と、生産性や専門性を強化するツールが中心。一方、Macゲームでは『アサシン クリード シャドウズ』『サイバーパンク2077 アルティメット』『Neva』など、高品質なAAA級タイトルが並ぶ。

Apple Arcadeはカジュアルゲームの枠を超え、存在感を増している。『塊魂 Rolling LIVE』『PGA TOUR Pro Golf』『WHAT THE CLASH?』と、どれもシンプルさの中に高い完成度がある作品だ。


今年から注目度が高まるApple Vision Proカテゴリーでは、ライブ配信ツールの「Camo Studio」、没入型歴史体験の「D-Day: The Camera Soldier」、世界のImmersive Videoへアクセスできる「Explore POV」が選出された。
Vision Proゲームでは、フィッシング、パズル、戦略ゲームと幅広い体験を備えた『Fishing Haven』『ギア&グー』『ポルタヌビ:謎解き冒険』の3作品が顔を揃え、空間コンピューティングならではの新しい遊び方を提示している。

Apple Watchカテゴリーでは、「手首の上で便利に使える実用性」が特に評価されている。ファイナリストにはユーザーの水分補給をサポートする「GO Club」、手首からプロレベルの撮影ができる「Pro Camera by Moment」、世界中の仲間とつながれるフィットネスコミュニティ「Strava」の3本が選出。

Apple TVカテゴリーでは、定番シリーズを配信する「HBO Max」、子ども向けに安心して使える「PBS KIDS Video」、大画面で遊べる農場アドベンチャー「Super Farming Boy 4K」の3本が選ばれた。

アプリの社会的価値に焦点を当てる「カルチャーインパクト」カテゴリーでは、メンタルヘルスを描く「A Space for the Unbound」、視覚障がい者を支援する「Be My Eyes」、読書コミュニティを築く「StoryGraph」など、人と人をつなぎ、理解を深めるアプリが選ばれた。
今年は、AI活用、没入型体験、生活の最適化といったトレンドがカテゴリーを超えて浮き彫りになった印象だ。最終的な受賞作の発表にも注目したい。
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(画像:Apple)



