現地時間4月15日、Appleは以前より噂されてきた 「iPhone SE」 の新型モデルを正式発表した。
新型iPhone SEの正式名称は 「iPhone SE(第2世代)」 。注文受付は4月17日(金)午後9時から、Apple公式サイトやキャリアで開始される予定だ。価格は64GBモデルが44,800円、128GBモデルが49,800円、256GBモデルが60,800円 (いずれも税別)、発売は4月24日(金)を予定している。
iPhone 8をベースに開発した 「iPhone SE(第2世代)」 登場
今回発表された 「iPhone SE(第2世代)」 は、Appleが販売するiPhoneシリーズの中でも最も安価なモデル。iPhone 8をベースに開発しているため、実質的に 「iPhone 8」 の後継モデルという立ち位置だが、名称には2016年に発売した安価モデル 「iPhone SE」 (初代は2018年に販売終了) の名前がふたたび使用されている。
「iPhone SE(第2世代)」 の画面はiPhone 8と同じく4.7インチで、有機ELディスプレイではなく液晶ディスプレイが搭載。iPhone 11シリーズのようなベゼルレスデザインではなく上下にベゼルが存在し、ホームボタンが搭載された旧型デザインが採用されている。ホームボタンには指紋認証機能 「Touch ID」 が搭載されていて、指紋による画面ロック解除が可能だ。
本体の充電はLightningポートからの有線充電に加えて、ワイヤレス充電も利用可能。ちなみに、ワイヤレス充電はiPhone 8シリーズやiPhone Xから利用できるようになっている。
シングルレンズカメラとしては現時点で最高品質
背面カメラはiPhone 8やiPhone XRと同じくシングルレンズ仕様。従来モデルと変わらず12MPの広角レンズ(f/1.8)となっているが、ポートレートモードと6種類すべてのポートレートライティングに対応するなど、シングルレンズカメラとしては現時点で最高品質のものが搭載されている。ただし、デュアルレンズカメラを搭載したiPhone 11に比べるとさすがに性能は劣ることになる。
前面カメラはiPhone XRのものと同様、ポートレートモードやポートレートライティングを利用することが可能だ。
ビデオ撮影においては、背面カメラで最大60fpsの4Kビデオ撮影ができるほか、前面・背面両方のカメラに映画レベルの手ぶれ補正とスタジオレベルのオーディオ録画機能を採用したことで、臨場感あふれる高品質な動画を撮影することが可能だ。
さらにカメラの機能として便利なのが、写真モードでの撮影中にビデオ録画に即座に切り替えることができる 「QuickTake」 機能に対応したこと。シャッターチャンスを逃さないスムーズな撮影が可能だ。
プロセッサは最新の 「A13 Bionic」 を搭載
「iPhone SE (第2世代)」 に搭載されたプロセッサは 「A13 Bionic」 。iPhone 11シリーズにも搭載された最新プロセッサで、iPhone 8に搭載された 「A11 Bionic」 に比べてCPUの処理速度が最大1.4倍、GPUの描画性能が最大2倍速くなっている。ゲームやブラウザなどほとんどの作業を快適にこなすことができるだろう。
A13 Bionicは毎秒5兆の演算処理を実行できる専用の8コアNeural Engineと2つの機械学習アクセラレータを備えたCPU、そしてパフォーマンスと効率のバランスを取る新しい機械学習コントローラが搭載されるなど機械学習に適した設計が採用されている。このため、機械学習やCore MLを利用する高性能アプリを利用することが可能だ。
改札や店頭でApple Payによる決済が可能
初代 「iPhone SE」 でも利用できたApple Pay。以前はアプリやウェブ上の決済のみに対応していたが、「iPhone SE(第2世代)」 はNFCやFeliCaにも対応したことで、Walletアプリに登録したSuicaやクレジットカードを使って店頭で決済できるようになった。また、Suicaを利用して電車の改札を通過することもできるようになっている。キャッシュレス化が進む現代において重要なアップグレードと言えるだろう。ちなみに、「iPhone SE(第2世代)」 の基となったiPhone 8はすでにNFCやFeliCaは対応していた。
もし 「iPhone SE (第2世代)」 でSuicaを使うことを想定しているのであれば、予備電力機能付きエクスプレスカードが使えることも覚えておこう。同機能によりiPhoneのバッテリーが切れてしまっても最大5時間以内であれば改札を通ることが可能だ。
Wi-Fi 6・デュアルSIMへの対応
「iPhone SE(第2世代)」 は通信関連のアップデートが行われている。
1つは次世代高速無線LAN規格 「Wi-Fi 6 (IEEE 802.11ax)」 に対応したこと。Wi-Fi 6は前規格802.11acから通信速度スループットが改善され、データ転送速度が30%向上、レイテンシは1/4となり、実質4倍以上のスピードで通信することができる。また、同時にバッテリー消費も抑えられて一石二鳥だ。
もう1つはeSIMを本体内部に搭載したことでデュアルSIMに対応したこと。これにより2つの電話番号を使い分けて通話したり、海外旅行の際に現地のデータプランを追加することができる。
まだ日本ではeSIMのサービスを提供している企業が少なく、利用しているユーザーはそこまで多くないかもしれないが、今後サービスを提供する企業が増えていくことで活躍の場が広がっていくはずだ。
カラー・価格・発売日
「iPhone SE(第2世代)」 のカラーラインナップはホワイト、ブラック、PRODUCT(RED)の3色。いずれのモデルもベゼルは黒色で統一されている。
ストレージ容量はiPhone 8シリーズのラインナップと同じ64GBと128GBに加えて、新たに256GBも用意。価格は64GBモデルが44,800円、128GBモデルが49,800円、256GBモデルが60,800円となっている (いずれも税別) 。
「iPhone SE(第2世代)」 は4月17日(金)午後9時からApple公式サイトで注文が開始される予定。発売は4月24日(金)を予定している。
ドコモ・au・ソフトバンクの国内3キャリアでは4月20日(月)から予約開始、4月27日(月)に発売予定です。Apple公式サイトとは予約・発売スケジュールが異なるので注意です。
▶︎ ドコモ、「iPhone SE (第2世代)」 4月20日午前10時から予約受付開始
▶︎ au、「iPhone SE (第2世代)」 4月20日午前10時から予約受付開始
▶︎ ソフトバンク、「iPhone SE (第2世代)」 4月20日午前10時から予約受付開始