AppleはAIを利用したヘルスコーチングサービスと、ユーザーの日々の気分を記録するムードトラッカーを開発中であることがわかった。
現地時間25日、米メディアBloombergの著名記者Mark Gurman氏が伝えたところによると、Appleはヘルスケアサービスの領域を強化しているという。
Apple (AAPL) Developing AI Health Coaching Service, iPadOS 17 Health App | Bloomberg
Appleのヘルスケア機能は今後もさらに拡充か。その日の気分も記録できるように?
同記者によると、Appleはコードネーム 「Quartz」 と呼ばれるヘルスコーチングサービスを開発している。
このサービスは、Apple Watchで取得したユーザーのヘルスケアデータとAIを活用することで、各ユーザーにあわせた運動や生活習慣を提案するコーチングプログラム。ユーザーの運動に対するモチベーションを維持しながら、食習慣を改善しつつ、より良い睡眠もサポートするように設計されているという。
Mark Gurman氏は同サービスに対し、2020年にシンガポール政府とAppleが提携して提供をはじめたウェルネスコーチングサービス 「LumiHealth」 を彷彿とさせると指摘する。
ただし、「LumiHealth」 は健康を維持したユーザーに対して一定の報酬が支払われるのに対して、「Quartz」 は利用するために月額料金を支払う仕組みになっている点で異なるという。「Apple Fitness+」 のように毎月いくらか支払うサービスになるようだ。
本サービスはAppleのヘルスケア、Siri、AIなど各部門など複数のチームに跨って開発されているという。2024年に提供が開始される予定だが、最終的に計画が中止あるいは延期される可能性もあるとMark Gurman氏は伝えている。
また、AppleはiPad向けにヘルスケアアプリを提供することを計画しているとのこと。ユーザーのヘルスケア関連の数値や心電図の結果などをより大きな画面に表示できるようにすることで、医療現場に使用されるタブレットのシェアをiPadで奪いたい考えのようだ。
また、ヘルスケアアプリは新たに視力のデータを保存したり、日々の気分・感情を記録するムードトラッカー機能が追加される。
後者のムードトラッカー機能は、ユーザーがその日に関する質問に答えることで、自分の気分を記録でき、その結果を時系列で比較できるようにするものだ。
将来的には、iPhoneが特定のアルゴリズムで、ユーザーの発話や入力した単語、デバイス上のその他のデータから、ユーザーの気分を自動で判断できるようになることを期待しているという。
これらのヘルスケア機能は、今年6月に開催される年次開発者会議 「WWDC23」 にて発表する計画。
Appleは、長らくヘルスケア部門に対して多額の投資を行っており、Apple Watchを中心に様々な健康に関する機能を追加してきた。そして、この ”健康” に関する戦略は、Apple WatchだけでなくAppleデバイス全体の大きなセールスポイントになってきている。まずは、今年新たにiPadに最適化する予定だが、同時に発表されるXRヘッドセット 「Apple Reality Pro (仮称)」 向けにも 「Apple Fitness+」 を最適化したバージョンを提供するなど、Appleデバイスすべてにヘルスケアサービスを提供することを検討しているという。
また、Appleは血圧測定機能や、血中糖度の計測が可能な機能をApple Watchに搭載する計画があるとのことだが、こちらは今後数年のうちに実現する見込みで、直近の新型モデルで実現することはなさそうだ。
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