Appleは現地時間17日、米国内における雇用と投資を増やすことを発表したが、発表の中で同社が海外に預けている資金2500億ドル(25兆円)を米国内に還流させる予定であることを明らかにした。
Appleは海外資金を米国に戻すため、380億ドルの税金を支払う予定
2,500億ドルを米国に戻すことで、米国には380億ドル(約4.2兆円)の税金が支払われる見通し。当然、この巨額な資金はAppleが海外で稼いだものになるのだが、米国の税制では海外で得た利益に対して40%もの高い税率がかけられていたこともあり、国内への還流を「合理的ではない」とし、Appleは資金を海外に置いていた。
しかし、度々この問題はAppleが米国内で批判を浴びる材料になり、AppleのCEOティム・クック氏は時としてコメントを求められることも。
ただし、これはトランプ氏がホワイトハウスへ就任したことで状況が変わってきた。トランプ氏は、巨額の海外資金を米国内に呼び戻すために、国内に資金を戻した場合、法人税を減税する「レパトリ減税」を発表している。
米国内に資金を戻すインセンティブとしては少々弱い気もするが、同時に米国国内からの批判をなくすことができるとしたら、Appleとしては良いチャンスとも考えられる。
ちなみに、これらの海外資金を米国内に戻すことは決まったが、この資金を何に使うかは発表されていない。もちろん本日の発表の通り、一部は米国内の投資に使われることになると予想されるが、Citiのアナリストの予測によると、大手映像配信サービス「Netflix」の買収に使われる可能性がある。
Netflixの買収に必要な額は800億ドル程度とされており、動画コンテンツが欲しいAppleとしては良い買い物になるかもしれない。もし実現すれば、間違いなくビッグディールとなることから、ユーザーだけでなく、市場関係者からも注目が集まっている。