
Appleは1月12日、2025年のサービス事業が、利用者数、エンゲージメント、取引規模のすべてで過去最高を更新したと発表した。対象となるのは、App Store、Apple TV、Apple Music、Apple Pay、iCloudなど、同社の主要サービス全般だ。
App Storeの平均週間利用者数は、世界で8億5,000万人に到達。175の国と地域で展開されている。2008年のサービス開始以降、デベロッパーへの累計支払い額は5,500億ドルを超えた。Appleによると、2024年にApp Storeエコシステム全体で生み出された取引総額は1.3兆ドルにのぼり、そのうち90%以上はAppleに手数料を支払うことなく、デベロッパーに直接還元されたという。

年末商戦でも記録を更新した。クリスマスイブから年末年始にかけて、App Storeの訪問者数とデジタルコンテンツへの支出はいずれも過去最高を記録。生産性アプリや写真・動画関連アプリ、教育系アプリが成長を牽引した。
Apple Payも好調だ。2025年には、世界全体で10億ドル以上の不正利用を防止したほか、加盟店に対して1,000億ドルを超える追加売上をもたらしたとしている。対応市場は89に拡大し、「Tap to Pay on iPhone」は50市場、1,500万以上の加盟店で利用可能となった。
サービス事業が過去最高を更新。収益の中心は依然iPhoneだがサービス事業は「第2の柱」に

Apple TVにおいては、2025年12月の総視聴時間が前年同月比36%増となり、単月として過去最高を記録。この成長は、ヨーロッパやラテンアメリカでの大幅な視聴者数増加に加えて、米国での継続的な拡大、そして新作タイトルの世界配信によって支えられたとしている。
映画『F1』は世界興行収入1位を獲得し、Apple TVで最も視聴された映画となった。ドラマ『Pluribus』は、同サービス最大規模のシリーズとして配信されている。Apple TVは、これまでに672の受賞と3,085のノミネートを獲得してきた。
配信基盤の拡張も進む。Android向けApple TVアプリの提供を開始したほか、Peacockとのバンドルを発表。さらに米国では、2026年3月から5年間にわたり、F1全戦を独占配信する契約を結んでいる。
Apple Musicも2025年は好調で、リスナー数、新規加入者数ともに過去最高を更新した。サービス開始10周年にあわせて、AutoMixや歌詞の翻訳・発音ガイド、Replayの統計機能などを追加。Shazamでは、月間10億回以上の楽曲認識が行われている。

Apple Walletでは、日本でマイナンバーカード対応を開始し、初の国際ID対応となった。米国では、パスポート情報を使ったDigital IDを導入し、一部のTSA空港で本人確認に利用できるようになっている。搭乗券の新しいUIや、Apple Intelligenceを活用した注文追跡機能も追加された。
このほか、Find My(「探す」機能)は航空会社36社と連携し、手荷物の紛失率を90%削減したという。Apple Fitness+は28の国と地域に拡大し、Apple Podcastsは20周年、Apple Newsは10周年を迎え、いずれも利用者数とエンゲージメントで過去最高を記録した。
| サービス | 2025年の主な実績 |
|---|---|
| App Store | 週8.5億人が利用、年末商戦で過去最高。取引総額1.3兆ドル |
| Apple Pay | 不正利用10億ドル防止、加盟店売上1,000億ドル増 |
| Apple TV | 視聴時間が前年同月比36%増、単月過去最高 |
| Apple Music | リスナー数・新規加入者数ともに過去最高 |
| Apple Wallet | 日本でマイナンバーカード対応、米国でDigital ID導入 |
| Find My | 航空会社36社と連携、手荷物紛失率90%削減 |
| Fitness+ | 28の国と地域に拡大 |
| Podcasts / News | それぞれ20周年/10周年、利用者数・エンゲージメント最高 |
直近の決算データ(2024年〜2025年)を見ると、Appleの最大の収益源が依然としてiPhoneであることに変わりはない。
2024年度通期の売上高は約3,910億ドル。このうちiPhoneの売上高は約2,011億ドルで、全体の約51%を占めた。単一の製品カテゴリーとしては、iPhoneが引き続きAppleの収益の中心だ。
一方で、App StoreやiCloud、Apple Musicなどを含むサービス部門も着実に拡大している。同部門の売上は全体の約25%を占め、第2の収益の柱として存在感を高めている。
現時点では、Appleの経営を支えているのはiPhoneである構図に大きな変化はない。ただし、サービス部門は継続的な成長を見せており、Appleはサービス売上の拡大を通じて、収益源の多角化を進めている。今後、サービス事業の成長が続けば、iPhoneへの依存度が徐々に下がる可能性もありそうだ。






