Appleは新製品発表イベント 「California streaming.」 で、新型iPhoneこと 「iPhone 13」 シリーズを発表した。
「iPhone 13」 シリーズは昨年に引き続き、iPhoneの歴史の中で最もモデル数の多い4機種のラインナップとなったが、それぞれ性能が若干異なるため、どのモデルを購入するべきかは悩みどころ。
そこで当記事は、「iPhone 13」 シリーズ4機種を性能・スペック、価格などで比較。さらには、どのモデルを購入するべきかを考察してみる。果たしてあなたにあったモデルはどれなのか、ぜひこの記事を読みながら考えてみていただきたい。
【 ▼iPhone 14シリーズの比較は以下記事から▼ 】
iPhone 13シリーズの全ラインナップを紹介
iPhone 13シリーズには、「iPhone 13 mini」 「iPhone 13」 「iPhone 13 Pro」 「iPhone 13 Pro Max」 の全4機種が用意されている。
この4機種は、大きく分けて下位モデルと上位モデルの2つのグループに分けられ、“無印モデル” の 「iPhone 12」 シリーズが下位モデル、Proが名称に付与されている 「iPhone 12 Pro」 シリーズが上位モデルとなる。
下位モデル
- iPhone 12 mini
- iPhone 12
上位モデル
- iPhone 12 Pro
- iPhone 12 Pro Max
基本的には上位モデルにいくにつれて価格が高くなるほか、画面サイズが大きくなる (iPhone 13とiPhone 13 Proは同じだが)。2年前のiPhone 11シリーズとは若干だがラインナップの仕方が異なっている。
iPhone 13
画面サイズ:iPhone 13 mini < iPhone 13 = iPhone 13 Pro < iPhone 13 Pro Max
価格:iPhone 13 mini < iPhone 13 < iPhone 13 Pro < iPhone 13 Pro Max
参考情報①iPhone 12
画面サイズ:iPhone 12 mini < iPhone 12 = iPhone 12 Pro < iPhone 12 Pro Max
価格:iPhone 12 mini < iPhone 12 < iPhone 12 Pro < iPhone 12 Pro Max
参考情報②iPhone 11
画面サイズ:iPhone 11 Pro < iPhone 11 < iPhone 11 Pro Max
価格:iPhone 11 < iPhone 11 Pro < iPhone 11 Pro Max
各モデルの差については以下で紹介していこうと思うが、当記事を読むにあたってiPhone 13シリーズとiPhone 13 Proシリーズの間にはカメラ性能にそれなりの違いが設けられているほか、バッテリー持ちにも違いがあることをザックリと覚えておいていただきたい。
筐体サイズ・画面サイズ・重量
iPhone 13シリーズは、基本的に上位モデルに行くにつれて端末・画面サイズが大きくなる傾向にある。各モデルの画面・端末サイズは以下の表のとおり。
iPhone 13 mini | iPhone 13 | iPhone 13 Pro | iPhone 13 Pro Max | |
---|---|---|---|---|
ディスプレイサイズ | 5.4インチ | 6.1インチ | 6.1インチ | 6.7インチ |
解像度 | 2,340 × 1,080 (476ppi) |
2,532 × 1,170 (460ppi) |
2,532 × 1,170 (460ppi) |
2,778 × 1,284 (458ppi) |
本体サイズ | 高さ:131.5mm 幅:64.2mm 厚さ:7.65mm |
高さ:146.7mm 幅:71.5mm 厚さ:7.65mm |
高さ:146.7mm 幅:71.5mm 厚さ:7.65mm |
高さ:160.8mm 幅:78.1mm 厚さ:7.65mm |
重量 | 140g | 173g | 203g | 238g |
それぞれを小さい順に並べると、iPhone 13 mini < iPhone 13 = iPhone 13 Pro < iPhone 13 Pro Maxとなる。
iPhone 13 miniはコンパクトが売りの5Gスマートフォン。片手に収まるサイズ感が特徴で、片手だけで楽々操作できる。手の小さい方にはもちろんのこと、荷物を持っているときでも快適に作業できる1台と言えるだろう。
中間の6.1インチモデル (13と13 Pro) は大きすぎず小さすぎず、割と誰でも快適に使えるサイズ感になっている。両手操作だけでなく片手操作も十分に可能なため、大きさで迷った場合は6.1インチモデルを購入するのがベターなのではないだろうか。
iPhone 13 Pro Maxは、とにかく大きな画面を搭載した端末が欲しい人向け。もし、あなたが大画面で映像コンテンツを楽しみたい、あるいはドキュメントを読んだり、作成したいというのであれば最も大きな画面を搭載した 「iPhone 13 Pro Max」 が最もオススメだ。
しかし、iPhone 13 Pro Maxのサイズ感となると片手だけで操作するのがやや困難。基本は両手で操作することになる。衣服のポケットにも入らないこともあるので、iPhoneをカバンに入れて持ち運ぶ人にあった端末と言えるだろう。
重量も238グラムとかなりズッシリとくるため、同モデルを購入する方はApple Storeや家電量販店で一度手にとってみてから、購入することをオススメしたい。そこで 「重い」 もしくは 「大きい」 と感じたなら、本体サイズと画面サイズのバランスが取れた6.1インチモデルを購入するのが良いのではないだろうか。
画面の質
これまで上位モデルと下位モデルで 「画面の質」 に違いが設けられてきたiPhoneシリーズ。昨年のiPhone 12では久しぶりにすべてのモデルがほぼ同じ仕様となっていたが、今年のiPhone 13は再びディスプレイ仕様に差別化が図られた。
iPhone 13 mini | iPhone 13 | iPhone 13 Pro | iPhone 13 Pro Max | |
---|---|---|---|---|
ディスプレイ |
Super Retina XDRディスプレイ ・HDRディスプレイ |
ProMotion搭載Super Retina XDRディスプレイ ・ProMotionテクノロジー(最大120Hz) |
||
ディスプレイサイズ | 5.4インチ | 6.1インチ | 6.1インチ | 6.7インチ |
解像度 | 2,340 × 1,080 (476ppi) | 2,532 × 1,170 (460ppi) | 2,532 × 1,170 (460ppi) | 2,778 × 1,284 (458ppi) |
iPhone 13シリーズに搭載されたディスプレイは、いずれも有機ELディスプレイ。解像度は高く、人間の網膜で認識できないほど高精細なRetinaに対応する。
コントラスト比は2,000,000:1で、広色域(P3)表示に対応。HDRにも対応しており、対応しているコンテンツを正しい色合いで楽しむことが可能だ。TrueToneディスプレイにも全モデルが対応する。
またコーニングとの協力によって、先代モデルから4倍の耐久性能を実現するセラミックシールド加工が施されるように。これも全てのモデルが対応しているため、端末選びには直接的に影響しない。
違いがあるのは、①ProMotionテクノロジーの対応有無と、②HDR機能を利用しない時の画面輝度。
まずは①のProMotionテクノロジーの対応有無について。ProMotionテクノロジーはiPhone 13 ProとiPhone 13 Pro Maxのみが対応し、iPhone 13 miniとiPhone 13は対応しない。
iPhone 13 mini | iPhone 13 | iPhone 13 Pro | iPhone 13 Pro Max | |
---|---|---|---|---|
ProMotionテクノロジー | × | ◯ |
ProMotionテクノロジーは、120Hzの高リフレッシュレートに対応したディスプレイのことを指す。リフレッシュレートとは、1秒間に何回画面の書き換えが行われるかを示す数値のこと。たとえば60Hzなら、1秒間に60回画面が書き換えされていることを示し、数値が大きければ大きくなるほど映像を滑らかに表示させることができる。
既存モデルに搭載されてきた画面のリフレッシュレートは60Hz。つまり、120Hzに対応したモデルはスクロール時などで従来の2倍滑らかな描写が可能になる。もし滑らかな画面が必要なら、自ずとiPhone 13 ProあるいはiPhone 13 Pro Maxを購入する必要があるだろう。
②の画面輝度について。iPhone 13シリーズの標準時の画面輝度は、iPhone 13 miniとiPhone 13は800ニトであるのに対して、iPhone 13 ProとiPhone 13 Pro Maxは1000ニトとなっている。
画面の最大の明るさに関するポテンシャルはiPhone 13 Proシリーズの方が上と考えておいてもらいたい。
iPhone 13 mini | iPhone 13 | iPhone 13 Pro | iPhone 13 Pro Max | |
---|---|---|---|---|
最大輝度 | 800ニト(標準) 1,200ニト(HDR) |
1,000ニト(標準) 1,200ニト(HDR) |
とはいえ、HDR表示時の画面輝度が全モデル1,200ニトであること、昨年のiPhone 12 Proの標準時の画面輝度が最大800ニトであったことを考えると、今年のモデルにおいてはさほど気にするレベルの違いではないのではないだろうか。
筐体素材
iPhone 13シリーズの筐体に使用される素材やその仕上がりは、上位モデルと下位モデルで異なる。
iPhone 13シリーズは、側面に航空宇宙産業レベルのマットタイプなアルミニウムが使用されており、背面には光沢感のあるガラスが使用されている。対するiPhone 13 Proシリーズはステンレススチールが側面に、テクスチャードマットガラス(磨りガラス)が背面に使用されており、高級感ではiPhone 13 Proの方に軍配が上がる。
iPhone 13 mini | iPhone 13 | iPhone 13 Pro | iPhone 13 Pro Max | |
---|---|---|---|---|
デザイン | 前面:Ceramic Shield 背面:ガラス 側面:アルミニウム |
前面:Ceramic Shield 背面:テクスチャードマットガラス 側面:ステンレススチール |
より高級感のあるスマートフォンが欲しいのであればやはりiPhone 13 Proシリーズを買うのが吉となりそうだが、とは言えiPhone 13シリーズも背面にはガラスが使用されることから、そこまでチープさを感じることもないのかもしれない。
カラーバリエーションについては、iPhone 13シリーズとiPhone 13 Proシリーズで異なる。
iPhone 13シリーズはスターライト、ミッドナイト、ブルー、ピンク、(PRODUCT)REDの合計5種類。対するiPhone 13 Proシリーズはグラファイト、ゴールド、シルバー、シエラブルーの全4色だ。
iPhone 13 mini | iPhone 13 | iPhone 13 Pro | iPhone 13 Pro Max | |
---|---|---|---|---|
カラー | ・(PRODUCT)RED ・スターライト ・ミッドナイト ・ブルー ・ピンク |
・グラファイト ・ゴールド ・シルバー ・シエラブルー |
もしあなたがピンクのiPhoneが欲しいと言うのなら、iPhone 13シリーズを購入するべきだろう。また、シエラブルーの淡い水色が好きという方もいるのではないだろうか。そんな方はiPhone 13 Proをチョイスしよう。
ぜひお好きなカラーモデルを選んでいただきたいところだが、前述したようにiPhone 13とiPhone 13 Proシリーズでは使用する筐体が異なるため、高級感という点においてはiPhone 13 Proの方が上となることをぜひ頭に入れておいていただきたい。
背面カメラ
iPhone 13シリーズの最も大きな違いのひとつは、背面カメラの性能といっても過言ではないだろう。
まずは見た目でわかる違いとして、下位モデルの 「iPhone 13 mini」 「iPhone 13」 はデュアルカメラが、上位モデルの 「iPhone 13 Pro」 「iPhone 13 Pro Max」 はトリプルカメラが搭載されている。
レンズ構成は 「iPhone 13 mini」 「iPhone 13」 が超広角+広角、「iPhone 13 Pro」 「iPhone 13 Pro Max」 が超広角+広角+望遠。いずれのレンズも画素数は1,200万画素となっている。各レンズの仕様は以下のとおりで、iPhone 13シリーズよりもiPhone 13 Proシリーズの方が高いカメラ性能を持っていることがわかる。
iPhone 13 mini | iPhone 13 | iPhone 13 Pro | iPhone 13 Pro Max | |
---|---|---|---|---|
レンズ構成 | デュアルカメラ (超広角+広角) |
トリプルカメラ (超広角+広角+望遠) |
||
超広角 | ・1,200万画素
・f/2.4 ・120°視野角 ・5枚構成のレンズ ・ナイトモード ・レンズ補正 |
・1,200万画素
・f/1.8 ・120°視野角 ・6枚構成のレンズ ・ナイトモード ・レンズ補正 |
||
広角 | ・1,200万画素 ・f/1.6 ・7枚構成のレンズ ・100% Focus Pixels ・ナイトモード |
・1,200万画素 ・f/1.5 ・7枚構成のレンズ ・100% Focus Pixels ・ナイトモード |
||
望遠 | – | ・1,200万画素 ・f/2.8 ・6枚構成のレンズ ・ナイトモード |
||
LiDARスキャナ | × | ◯ | ||
手ぶれ補正 | ・センサーシフト光学式手ぶれ補正(広角) | ・デュアル光学式手ぶれ補正(広角/望遠) ・センサーシフト光学式手ぶれ補正(広角) |
||
ズーム性能 | ・光学ズームアウト(2倍) ・デジタルズーム(最大5倍) |
・光学ズームイン(3倍) ・光学ズームアウト(2倍) ・光学ズームレンジ(6倍) ・デジタルズーム(最大15倍) |
||
ポートレート | ・ポートレートモード ・ポートレートライティング |
・ナイトモードポートレート ・ポートレートモード ・ポートレートライティング |
ちなみに昨年のiPhone 12シリーズでは、下位モデル同士は同じ性能になっていたものの、
上位モデルであるiPhone 12 ProとiPhone 12 Pro Maxでは、iPhone 12 Pro Maxにのみセンサーシフト光学式手ぶれ補正が搭載されるなど、同じProモデル同士でもカメラ性能に差が設けられていた。
しかし、今回のiPhone 13シリーズの上位モデルでは、iPhone 13 Pro/13 Pro Maxは同じカメラ性能となっていて、モデル選びの際にカメラ性能の違いを考慮する必要がなくなり、よりシンプルにモデルを選べるようになった。
iPhone 13 mini | iPhone 13 | iPhone 13 Pro | iPhone 13 Pro Max | |
---|---|---|---|---|
広角 | ・1,200万画素 ・f/1.6 ・7枚構成のレンズ ・100% Focus Pixels ・ナイトモード |
・1,200万画素 ・f/1.5 ・7枚構成のレンズ ・100% Focus Pixels ・ナイトモード |
||
手ぶれ補正 | ・センサーシフト光学式手ぶれ補正 | ・デュアル光学式手ぶれ補正 ・センサーシフト光学式手ぶれ補正 |
ここからは各レンズの違いについて注目していこう。まずは広角レンズから。
広角レンズはいずれのモデルでも、画素数、レンズの枚数、センサーシフト光学式手ぶれ補正のサポートされているが、Proモデルの方がデュアル光学式手ぶれ補正も搭載されていて、より手ぶれの少ない綺麗な写真を撮影できる。
また、下位モデルは絞り値がf/1.6であるのに対し、iPhone 13 Proシリーズはf/1.5。より明るく、ノイズが少ない写真を撮影可能だ。
iPhone 13 mini | iPhone 13 | iPhone 13 Pro | iPhone 13 Pro Max | |
---|---|---|---|---|
超広角 | ・1,200万画素
・f/2.4 ・120°視野角 ・5枚構成のレンズ ・ナイトモード ・レンズ補正 |
・1,200万画素
・f/1.8 ・120°視野角 ・6枚構成のレンズ ・ナイトモード ・レンズ補正 |
超広角レンズは画素数と視野角こそ同じであるものの、下位モデルと上位モデルで性能が大きく異なっている。
「iPhone 13 mini」 「iPhone 13」 はレンズの枚数が5枚であるのに対して、iPhone 13 Proシリーズは6枚と一枚多い。さらに下位モデルの絞り値はf/2.4であるのに対し、Proモデルはf/1.8。Proモデルの方が圧倒的に明るく、ノイズの少ない写真が撮影可能だ。
そして、iPhone 13 Proシリーズは超広角レンズでのマクロ撮影に対応。被写体には2cmまで寄ることができる。これは、下位モデルである 「iPhone 13 mini」 「iPhone 13」 は利用できない。
望遠レンズは 「iPhone 13 Pro」 「iPhone 13 Pro Max」 のみに搭載。遠くの被写体を大きく写すのに適している。最大3倍の光学ズームが利用できるため、ズーム撮影をする機会があるなら、「iPhone 13 Pro」 「iPhone 13 Pro Max」 を購入するべきだろう。なお、昨年のiPhone 12 Pro/12 Pro Maxはズーム性能に微妙に違いが設けられていたが、今回はどちらも同じ性能となっている。
iPhone 13 Proシリーズの望遠レンズはそのほかにも進化を遂げており、新たにナイトモードに対応。夜でも、遠くの被写体を明るく撮影可能だ。今回、望遠レンズがナイトモードに対応したことで、広角・超広角・望遠のすべてのレンズでナイトモードが利用できるように。
また、iPhone 12 Pro/12 Pro Maxで初めて搭載されたLiDARスキャナは、今回もProモデルであるiPhone 13 Pro/13 Pro Maxのみの搭載。
iPhone 13 mini | iPhone 13 | iPhone 13 Pro | iPhone 13 Pro Max | |
---|---|---|---|---|
LiDARスキャナ | × | ◯ |
「LiDARスキャナ」 は光が物体に反射して戻ってくる間の時間を計測することで、その空間を高速かつ正確に把握できるセンサー。同センサーによりAR体験が向上するほか、カメラでの撮影時においても被写体との距離を正確に計測し、高度なポートレートや暗所での撮影、オートフォーカスの高速化などが実現されている。
カメラ性能に関してはエントリーモデルとProモデルで大きな違いがある。特に望遠レンズとLiDARスキャナはProモデルのみの搭載となっているため、iPhoneで写真を撮影する機会が多い方は、できればProモデルを選んでおきたいところだ。
iPhone 13 mini | iPhone 13 | iPhone 13 Pro | iPhone 13 Pro Max | |
---|---|---|---|---|
ProRes | × | ◯ |
さらに、「iPhone 13 Pro」 「iPhone 13 Pro Max」 では最大4K/30fpsのProRes動画が撮影できる。ProRes形式で撮影できるようになることで、動画編集ソフトにおいて忠実な色の表現が可能になるほか、より効率的にエンコードすることが可能に。カメラ性能にこだわるなら、iPhone 13 Proシリーズで決まりだろう。
Apple ProRAWへの対応の有無
上位モデルのiPhone 13 Proシリーズは、Apple独自のRAW形式フォーマット 「Apple ProRAW」 が利用できるが、下位モデルのiPhone 13シリーズは残念ながら同フォーマットには対応しない。プロレベルの写真を撮影したいのであれば、iPhone 13 ProあるいはiPhone 13 Pro Maxを選ぶべきだろう。
iPhone 13 mini | iPhone 13 | iPhone 13 Pro | iPhone 13 Pro Max | |
---|---|---|---|---|
Apple ProRAW | × | ◯ |
「Apple ProRAW」 は、Apple独自のRAW形式フォーマット。写真アプリでホワイトバランスやシャープネス、ハイライトなどのデータを付与し、より高いクオリティの写真撮影・現像をサポートする。
同フォーマットで写真を撮影したい場合には、設定アプリから 「カメラ」 > 「フォーマット」 の中にある写真撮影の部分で 「Apple ProRAW」 のトグルをオンにしておく必要がある。設定が完了したら、カメラアプリ内の 「RAW」 と書かれたボタンをタップして撮影することで、高クオリティの写真が撮影可能だ。
スマートHDRやDeep Fusion、ナイトモードなどの利用時でも「Apple ProRAW」 で撮影することができる。ただし、Live Photosやビデオ撮影時、ポートレートモード時には利用できない。
また、「Apple ProRAW」 で撮影した写真は通常の写真の10〜12倍のファイルサイズになるため、本体のデータ容量やiCloudストレージの容量の残量には十分に注意していただきたい。
プロセッサ
「iPhone 13」 シリーズには、新開発の 「A15 Bionic」 チップが全モデルに搭載されており、CPU処理性能はほぼ同じと考えて良いだろう。
ただし、グラフィック性能に関しては下位モデルと上位モデルで差がつけられており、より高いグラフィック性能が必要なら上位モデルを選ぶのが吉だ。
「A15 Bionic」 には、6コアCPU (高性能コア2個+高効率コア4個)が搭載。GPUコアはiPhone 13 miniとiPhone 13向けには4コア、iPhone 13 ProとiPhone 13 Pro Max向けには5コア仕様のものが搭載される。
iPhone 13 mini | iPhone 13 | iPhone 13 Pro | iPhone 13 Pro Max | |
---|---|---|---|---|
搭載チップ | A15 Bionicチップ | |||
CPU | 6コア(高性能×2+高効率×4) | |||
GPU | 4コア | 5コア | ||
Neural Engine | 16コア |
簡単に 「A15 Bionicチップ」 の説明をしておくと、同チップは5nmプロセスを使ったチップで、他社スマートフォンに比べても50%高速に動作するとのこと。グラフィック性能についても他社製品の30%上をいくとする。16コアのニューラルエンジンも搭載しており、文字の認識やARの描画などがより高速になっている。
5Gへの対応
iPhone 13シリーズは全モデルで5Gに対応する。5GにはSub6とmmWave(ミリ波)の2つの周波数帯が存在するが、iPhone 13はこの両方に対応する。
ただし、この両方の周波数帯が利用できるのは米国で販売されるモデルのみで、日本で販売されるモデルはSub6のみしか利用できない。
Sub6 | mmWave | |
---|---|---|
米国販売モデル | ◯ | ◯ |
国内販売モデル | ◯ | × |
5Gの電波は大きく分けてミリ波帯と6GHz帯以下(Sub 6GHz)の2種類の周波数帯でサービスが提供される。
Sub 6GHz帯は広範囲に電波が届きやすいという特徴がある反面、周辺の電波の干渉を受けやすい。対するミリ波帯の電波は直進性が高く広範囲を網羅するにはやや不向きだが、電波干渉を受けることが少なく人口集中エリアなどでの展開に向いているとされている。
耐水・防塵性能
「iPhone 13」 シリーズは、全モデル共通でIP68等級の耐水・防塵性能を備えており、最大水深6メートルで最大30分間耐えることができる。
2年前の 「iPhone 11」 シリーズでは、下位モデルと上位モデルで耐えられる水深に違いがあったが、昨年のiPhone 12より防水性能は全モデル共通に。
また、耐水性能自体も高くなっていて、「iPhone 11」 シリーズでは
最大4メートルとされていた最大水深も 「iPhone 12」 以降は最大6メートルまで耐えられるとされている。水没事故が起こる確率は昔に比べて低くなっており、安心できるだろう。
バッテリー持ち
ここまでiPhone 13シリーズの違いを紹介してきたが、最も大きな違いがあるポイントは 「バッテリー持ち」 かもしれない。
今年のiPhoneは全モデルそれぞれバッテリー駆動時間が異なっている上に、その駆動時間の差も1.6倍近く異なるからだ。
iPhone 13のバッテリー持ちは、iPhone 13 minが最も短く、続いてiPhone 13とiPhone 13 Pro、そしてiPhone 13 Pro Maxと続く。
iPhone 13 mini | iPhone 13 | iPhone 13 Pro | iPhone 13 Pro Max | |
---|---|---|---|---|
バッテリー持ち | ビデオ再生:最大17時間 ビデオ再生(ストリーミング):最大13時間 オーディオ再生:最大55時間 |
ビデオ再生:最大19時間 ビデオ再生(ストリーミング):最大15時間 オーディオ再生:最大75時間 |
ビデオ再生:最大22時間 ビデオ再生(ストリーミング):最大20時間 オーディオ再生:最大75時間 |
ビデオ再生:最大28時間 ビデオ再生(ストリーミング):最大25時間 オーディオ再生:最大95時間 |
これはおそらく端末に内蔵されたバッテリーの容量に比例しているのだろう。端末サイズが大きくなればなるほど大きなバッテリー持ちを搭載しており長く駆動ができる。
少しでもバッテリー持ちが長いデバイスが必要なら、上位モデルを購入するべきだろう。
ちなみにiPhone 13シリーズにはスマートデータモードと呼ばれるバッテリー持ちを長くする機能が搭載されている。このスマートデータモードは5G通信と4G通信を自動で切り替える機能。5G通信はバッテリー消費が大きいことから、必要な時だけ5Gを有効化することで不必要なバッテリー消費を防ぐことができる。
ワイヤレス充電機能&MagSafe
iPhone 13シリーズはワイヤレス充電が利用できる。また、昨年のiPhone 12シリーズで初導入されたMagSafeももちろん利用することが可能だ。
「MagSafe」 はマグネットを使用した新しいワイヤレス充電機構。iPhoneとワイヤレス充電器にリング状のマグネットが内蔵されており、それらがくっつくことで適正な位置で効率良くワイヤレス充電を行うことができる仕組みだ。イメージとしてはApple Watchの充電器が分かりやすいかもしれない。
MagSafeは最大15W出力に対応するため、従来のワイヤレス充電器(7.5W)よりも高速に充電することが可能。
ちなみにMagSafeに対応した充電器としては、Apple純正では 「MagSafe充電器」 と 「MagSafe デュアル充電パッド」 が販売されている。両充電器の詳細に関しては、以下にレビュー記事を掲載しておくので参考にしていただきたい。
また、サードパーティからはBelkinが 「BOOST↑CHARGE PRO 3-in-1 Wireless Charger with MagSafe」 を発売している。同充電器はiPhoneとApple Watch、AirPodsの3つのデバイスを同時に充電できてとても便利。ぜひ複数のApple製品をお持ちの方は購入を検討してみていただきたい。
ストレージラインナップ・価格
iPhone 13シリーズのストレージ容量は128GB / 256GB / 512GBの3種類。iPhone 12 Proシリーズのストレージ容量は128GB / 256GB / 512GB / 1TBの4種類。
価格は 「iPhone 13 mini」 が86,800円〜、「iPhone 13」 が98,800円〜、「iPhone 13 Pro」 が122,800円〜、「iPhone 13 Pro Max」 が134,800円〜となっている (いずれも税込) 。
iPhone 13 mini | iPhone 13 | iPhone 13 Pro | iPhone 13 Pro Max | |
---|---|---|---|---|
価格(税込) | 128GB:86,800円 256GB:98,800円 512GB:122,800円 |
128GB:98,800円 256GB:110,800円 512GB:134,800円 |
128GB:122,800円 256GB:134,800円 512GB:158,800円 1TB:182,800円 |
128GB:134,800円 256GB:146,800円 512GB:170,800円 1TB:194,800円 |
ちなみに、iPhone 13 Proシリーズの場合、128GBモデルはProRes形式での撮影時の解像度が1080p/30fpsに制限されるとのこと。綺麗な映像を撮影したいようなら256GBモデル以上を購入することをオススメする。
発売日・予約開始日
「iPhone 13」 シリーズの予約開始日・発売日は、全モデルで共通。
iPhone 13 mini | iPhone 13 | iPhone 13 Pro | iPhone 13 Pro Max | |
---|---|---|---|---|
予約開始日 | 日本時間2021年9月17日 午後9時 | |||
発売日 | 日本時間2021年9月24日 |
予約開始日は9月17日(金)午後9時から、Apple公式サイトと主要キャリアで行われる。発売は10月23日(金)を予定している。
まとめ
今回は、iPhone 13シリーズすべてのモデルの性能・仕様を比較してみたが、あなたの求めるiPhoneは見つかっただろうか。
もし各項目を読んで答えが見つけられなかったのなら、筆者がオススメするiPhoneを用途別にザックリ提示しておきたいと思う。
手のひらサイズのiPhoneが欲しい:iPhone 13 mini
大きな画面が欲しい:iPhone 13 Pro Max
スマホで写真・映像を撮る機会が多い:iPhone 13 ProかiPhone 13 Pro Max
バッテリー持ちが良いiPhoneが欲しい:iPhone 13 Pro Max
バランスの取れたiPhone 13が欲しい:iPhone 13 Pro
高級感のあるモデルが欲しい:iPhone 13 Pro / iPhone 13 Pro Max
安いモデルが欲しい:iPhone 13 mini (iPhone SEやiPhone 12も視野に入れるべき?)
サクサク動作するiPhoneが欲しい:どのモデルを買ってもOK
以上が各モデルの特徴を踏まえたiPhone 13の選び方となる。
安さやコストパフォーマンスを重視することももちろん大切だが、それ以上に重要なのは、あなたがiPhoneに求める最も重要なことは何なのか。
カメラ性能を大事にする人もいれば、カッコ良さ、可愛さなど見た目を重視する人もいるだろう。また使いやすさ、もっというと持ちやすさや操作性を重視するユーザーもいるはずだ。
たとえば筆者は持ち運ぶためなるべくコンパクトなモデルを選びたいが、取材先で写真を撮影する機会が多いため、カメラ性能も重視しなくてはいけない。カメラ性能が高ければ旅行や出張先などでも活用できるため一石二鳥。今年はプロモデル同士でもカメラ性能に差がつけられなかったため、今回も 「iPhone 13 Pro」 を選ぶつもりだ。
こんな感じで選ぶと、あなたにピッタリ合うモデルが見つかるはず。果たしてあなたにはどのモデルが最適なのか、ぜひじっくり検討してみていただきたい。