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AirPods Pro レビュー | 買い替えも検討するべき!プロの名に恥じぬノイズキャンセリングと音質

完全ワイヤレスイヤホンという存在を世に広めた 「AirPods」 に、このたび兄貴分的な製品が登場した。その名も 「AirPods Pro」 。

AirPods Proは、AirPodsシリーズで初となるプロモデル。イヤーチップ形状が密閉タイプに変わり、さらにアクティブノイズキャンセリング機能など様々な新機能が搭載されるなど、大幅なデザイン変更と性能向上が図られた新型モデルだ。

個人的にはAirPodsでも十分満足できていたのだが、プロという名前が付けられたということはこれまでのAirPodsから大きな進化を遂げているはず!というわけで、発売と同時にAirPods Proを購入してみた。

購入後はAirPods Proをじっくりと使用してみたので、当レビュー記事では使用感や性能など、AirPods Proの詳細について余すことなくお伝えしたいと思う。

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デザイン

早速、ゲットしたAirPods Proをチェックしていこう。

まずはバッテリーケースから。AirPods Proのバッテリーケースは従来のやや正方形なデザインから横長に変化している。これはおそらくAirPods Proのイヤホンの形状が変化したことが影響しているとみられる。

バッテリーケース AirPods (第2世代) AirPods Pro
サイズ 高さ:53.5 mm
幅:44.3 mm
厚さ:21.3 mm
高さ:45.2 mm
幅:60.6 mm
厚さ:21.7 mm
重量 40 g 45.6 g

表面は光沢のある白いボディ。これもAirPodsから受け継がれている。おもて面にはLEDインジケーターが用意されていて、充電中はこのLEDインジケーターが赤く光り、充電が完了すると緑色に光る仕組みだ。

LED点灯パターン AirPods (第2世代) AirPods Pro
赤色 イヤホン充電中
緑色 イヤホン充電完了
赤色(ケース充電時) バッテリーケース充電中
緑色(ケース充電時) バッテリーケース充電完了

底面にはAirPodsと同様Lightningポートが搭載

バッテリーケースの底面にはLightningポートが搭載。USB-C化を望む声が多かったが、残念ながらそれは実現せず。ただし、AirPods Proに同梱されている充電ケーブルはUSB-C to Lightningケーブルになっているため、iPhoneと同じようにMacBookなどUSB-C搭載デバイスから変換アダプターなしにAirPods Proを直接充電できるようになった。

deskHackでワイヤレス充電中

ちなみにAirPods Proはワイヤレス充電に対応している。ワイヤレス充電パッドの上にバッテリーケースを載せることでバッテリーを充電することが可能だ。

背面には小さな丸ボタンが用意されている。これはAirPods Proの接続設定を初期化するためのもので、長押しすることでこれまでに接続したデバイスとのペアリングを忘れさせることができる。ペアリングが正常にできなくなったときや家族や友人に貸す時などに使用することになるため、是非覚えておこう。

ケースを開くとすぐペアリングできる手軽さ

バッテリーケースからイヤホンを取り出してみる。AirPodsの口が内向きに収納されるようになったことで、取り出すとそのまま耳に入れることができるように。これまでのAirPodsは外側を向いていたため、耳につけるときはAirPodsの向きを回転させる必要があった。

ただし、イヤーピースの変化のためかAirPodsよりも少しだけ取り出しづらくなった。以前はAirPodsのフロントハウジングとバックハウジングの部分を摘むようにすればスッと取り出すことができたが、AirPods Proはシリコンのイヤーピースが採用されたことでヘッドユニットの側面を摘むようにして取り出す必要がある。

コロコロと可愛らしいデザイン

AirPods Proは、従来のAirPodsの基本デザインを踏襲しポッド(さや)と軸の2つのパーツで構成されている。装着した時、軸が耳から垂れるデザインであるのは変わらずではあるものの、軸の長さが約1cmほど短くなったこともあり揶揄されていた ”うどん” デザインからは脱却することができた。

しかし、今度は代わりに 「ヘアドライヤー」 あるいはポケモンの 「マダ○ボミ」 と揶揄されていたりもするのだが、筆者的にはAirPods Proのコロンと丸いデザインを可愛らしく感じている。少なくとも初代AirPodsのデザインに比べたらAirPods Proの方が好みだ。

Beats XやPowerbeats Proのイヤホン形状と比較

AirPods Proはイヤーピースの形状からカナル型と誤解されがちだが、実は厳密にはカナル型ではなくインイヤー型。イヤーピースを外してみるとわかるのだが、本来カナル型はイヤーピースを装着するノズルが出っ張る形状をしているものだが、AirPods Proにはそれがない。なので、AirPods ProはAirPodsの系統進化モデルであると言えるだろう。

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装着感

通気孔のおかげで、イヤホン内部の圧力は常に快適

実際に耳に装着してみた。

まずは外から見た時の様子。耳から白い棒(軸)が垂れるデザインは健在だが、軸に少し角度がつけられたことで揶揄されていた “耳からうどん” の不格好さは完全に過去のものに。軸の長さがわずかに短くなったこともきっと影響しているのだろう。

ポッド背面などに搭載された通気口やマイク、各種センサー用の黒いスリット穴がより目立つようなデザインになっている。軸(うどん)がわずかに短くなったことも相まり、外から見たときにAirPodsを着けているのか、それともAirPods Proを着けているのかは一発で見分けがつくはずだ。

AirPods Proの軸の部分にはわずかに凹んでいる部分があるが、ここは実は感圧タッチセンサーになっていて、プチッと押すことでiPhoneを取り出すことなくAirPods Proを操作することが可能だ。感覚としては 「EarPods with Lightning Connector」 のリモコンに近いものがある。

操作 AirPods (第2世代) AirPods Pro
1回押し 再生/一時停止
着信時:電話に応答
2回押し 着信時:電話に応答

以下操作を片耳1つずつ登録可能
・Siri呼び出し
・再生/一時停止
・次のトラック
・前のトラック

次のトラック
3回押し 前のトラック
長押し 以下操作を片耳1つずつ登録可能
・リスニングモード切替
・Siri呼び出し

AirPodsはヘッドユニットをトントンと触ることで操作することができたが、実際に指でトントンするとAirPodsを耳に押し込んでしまうためやや使いづらかった。また、AirPodsはふたつのアクションしか登録できなかったが、AirPods Proの場合は押す回数や押す時間の長さによって複数のアクションを実行することができる。

長押しでアクティブノイズキャンセリング機能と外部音取り込みモード、オフモードの3つのモードを切り替えできるのはとても便利だ。

感圧センサーを押すことで様々な操作が可能

とはいえ、AirPods Proの感圧タッチセンサーも微妙に使いづらいと感じる時もある。AirPods Proの軸がやや短いこともあり、センサー部分を探し当てづらいということ。

特に髪が長い方は感圧タッチセンサーまでたどり着くには少し時間がかかってしまうため、結局は 「iPhoneを開いた方が早い」 となるケースも。ちなみにAirPods ProはHey Siriにも対応しているので、筆者はこれらの操作は感圧タッチセンサーではなくSiriにお願いすることが多い。

装着感はかなり良好だ。カナル型にも似たイヤーピースを採用したこともあり、耳の中にピッタリ密着するように。従来のAirPodsは一部ユーザーから耳の形状に合わず装着感が悪いと不満の声が上がっていたが、AirPods Proではよっぽどのことがない限り、耳からこぼれ落ちることはないだろう。

デフォルトのイヤーピースはMサイズ

さらに多くのユーザーが快適に使えるように、イヤーピースは3種類(スモール・ミディアム・ラージ)のサイズが用意されるように。この手の密着型イヤホンは装着者の耳の形状によって装着感が異なってしまうものだが、この3種類のイヤーピースでほとんどのユーザーの耳をカバーすることができると思われる。

装着しているイヤーピースが自分の耳に合っているどうかはiPhoneから確認することが可能だ。「設定」 アプリの 「Bluetooth」 の項目から 「AirPods Pro」 の右にある 「i」 をタップ。すると、そこから 「イヤーチップ装着状態テスト」 を実行できる。

テストを開始すると音楽が鳴り、AirPods Pro内部で音の反響テストが実施される。ちゃんと耳の中を密閉できている場合は 「密閉されています」 というメッセージが表示される。

従来の密閉型イヤホンの場合、どのサイズのイヤーピースをつけるかはあくまでユーザーの”感覚”のみに委ねられていたが、AirPods Proはそれを客観的に判断できる方法を提供してくれる。これはソフトウェアとハードウェアを融合させるのが得意なAppleならではの機能と言えるだろう。参考までに、筆者の耳にはSサイズのイヤーピースが最適だったようだ。

左:AirPods Pro / 右:Powerbeats Pro

もしイヤーチップが汚れてしまったり、破損してしまった場合は、Apple公式サイトで販売されている純正イヤーチップを購入して付け替えられる。イヤーチップは左右2つずつでセット販売されており、価格は990円(税込)。こちらのリンクから購入可能だ。

イヤーピースはグリっと押し込むように装着する

イヤーチップの交換は簡単。着ける時はノズルにグイグイ押し込むだけで、カチッと音がしたら無事に装着できた合図。

問題は外す時だが 「引きちぎれるのでは?」 と思うくらい強く引っ張らないと取れない。これはおそらく使っているうちにポロッとイヤーチップが取れないようにするためだが、かなり強く引っ張っても破損することがないため遠慮はいらない。そもそも頻繁にイヤーチップを交換する方も少ないと思うため、この点については特に心配する必要はないと思う。

音質

AirPods Proを購入するか否かを大きく分ける要素のひとつが “音質” だ。実際、筆者のもとにはAirPods Proの音質に関する質問がかなり多く寄せられている。

先に結論から述べてしまうと、AirPods Proの音質はフラットながら、低音・高音ともに明瞭で聴きやすい良音質だ。ただし、SONYやBoseなど音響機器に強いメーカーや、Apple傘下のオーディオブランドBeatsの製品にはやはり敵わない印象も受けた。

とはいえ、AirPods Proも大差で負けているわけではない。密閉式のイヤーチップを新たに採用し、高偏位ドライバ・ハイダイナミックレンジアンプを搭載したことによって先代のAirPodsからは着実に進化。さらに音質を自動で調節するアダプティブイコライゼーション機能によって常に最適な音質でリスニングすることが可能だ。

Appleが公開した内部構造

先代のAirPodsから大きく進化したのは低音だろう。AirPodsはフロントハウジングがインイヤータイプの形状をしていたため、音が耳の外側に漏れてしまいすべての音をダイレクトに届けることはできておらず、本来力強いパワフルな楽曲を聴いてもなんだか物足りなさを感じていた。

しかし、AirPods Proの場合は密閉式イヤーチップと新設計の専用ドライバを採用した甲斐もありズウウウン…と響くディープな低音もしっかりと表現することが可能になった。

さらに、AirPods Proは低音だけでなく高音にも注目していただきたい。AirPodsの高音は若干ボンヤリとしていたが、AirPods Proの高音はハッキリとクリアなものになっており、音の輪郭がくっきりした印象だ。

低音しっかり&高音くっきりのおかげで、AirPods Proの全体的なサウンドの完成度はそれなりに高くなったように思う。音に迫力が生まれ、AirPods Proで音楽を聞くのがとても楽しく感じた。音楽をじっくりと楽しみたいのであればAirPods Proも悪い選択肢ではないはずだ。

左:AirPods Pro / 右:Powerbeats Pro

ただし、最初に述べたようにやはりSONYやBeatsなどのメーカーには音質面では及ばないのが少し残念なところではある。

WF-1000XM3 > Powerbeats ProAirPods ProAirPods

筆者の個人的なイヤホンの音質ランキングは上記のとおり。同じくアクティブノイズキャンセリング機能を搭載したSONYの 「WF-1000XM3」 が音質面では圧倒的に上で、その下にBeatsの 「Powerbeats Pro」 、さらにその下に 「AirPods Pro」 が来る。音質は好みによるところが大きいかもしれないが、参考にしていただきたい。

関連記事 ▶︎ Powerbeats Pro レビュー|AirPodsを上回る音質。最高の装着感と高い防水性能が大きな魅力

3つのリスニングモード

3つのモードはコントロールセンターから切り替え可能

AirPods Proにはアクティブノイズキャンセリングのモードと外部音取り込みモード、そしてそのどちらの機能も使わないオフモードの3種類のモードが用意されている。

それぞれのモードについては名前から簡単に推測できるかもしれないが、一応簡単に説明を。

モードの名称 説明
アクティブノイズキャンセリング 周囲のノイズを取り除く
外部音取り込みモード マイクで取り込んだ周囲の音をイヤホン内で流す
オフモード 上記2つの機能をオフにする

1つ目のアクティブノイズキャンセリングは周囲のノイズを取り除くモード、2つ目の外部音取り込みモードはイヤホン外側にあるマイクで周囲の音を拾い、それをイヤホン内部で再生することで周囲の音をあえて聴きにいくモード。そしてどちらの機能もオフにするのが3つ目のオフモードとなる。

これらのモードは少し聞こえ方が違うという生ぬるいものではなく、ユーザーのリスニング体験を大きく変える機能になる。以下、1つ1つのモードについて詳しく説明していこう。

アクティブノイズキャンセリング

AirPods Proのメインとなる機能が 「アクティブノイズキャンセリング」 だ。同機能はイヤホンの外側にあるマイクで外の音を検知し、その音を打ち消すような音をイヤホンに流すことで雑音をかき消すというもの。

同機能をオンにすると、たちまち周囲がシーンと静まり返る。完全に消えてしまうというほどではないのだが、街中の雑踏や通り過ぎる車の音、電車のアナウンスや走行音などほとんどの音が消えてしまうか、すごく遠くで鳴っているように聞こえた。これに音楽を流してしまえば、外の音はほとんど聞こえなくなるに等しい。

筆者の自宅には水槽を置いている部屋があり、24時間体制でエアーポンプが稼働している。この部屋でAirPods Proを使ってみたところ、エアーポンプのカタカタもしくはブゥゥゥゥン…という振動音は完全に消されてしまっていた。水槽部屋があんなにも静かに感じたのはノイズキャンセリング機能を搭載するオーバーイヤーヘッドホン 「Bose QC35」 を装着している時だけ。これはすごいことではないだろうか。

左:AirPods Pro / 右:AirPods(第2世代)

筆者は外出時によくAirPods(第2世代)を使っていたのだが、少し騒がしいカフェや電車内などではどうしても周囲の音が邪魔してしまい、低音部分がかき消されてしまうことが多かった。

しかし、AirPods Proなら音楽を邪魔するような音をほぼ遮断してくれるため、周囲がどんなにうるさくても自分の音楽の世界に入り込むことができる。もしあなたがこれまでノイズキャンセリング機能がついたイヤホンやヘッドホンを使ったことがないなら、きっと驚くはずだ。

↑ 海外YouTuberによるアクティブノイズキャンセリング機能の説明

AirPods Proのアクティブノイズキャンセリング機能はかなり自然。アクティブノイズキャンセリング機能に定評のあるWF-1000XM3に比べてもAirPods Proの方が上と感じるくらいなので、AirPods Proを買えば世界最高レベルの静寂を手に入れることができると言っても過言ではないだろう。

外部音取り込みモード

AirPods Proを使う上で、アクティブノイズキャンセリングにだけ満足していては正直もったいない。ぜひとももう1つの重要な機能 「外部音取り込みモード」 にも注目していただきたい。

外部音取り込みモードは、本体のマイクで周囲の音を取り込みイヤホン内部に流す機能。アクティブノイズキャンセリングの逆の機能と言えばわかりやすいだろうか。

同機能をオンにすると、イヤホンをつけているにも関わらず外の音がハッキリと聞こえるように。いちいち外の音を聞くために毎回イヤホンを外す必要がなく、かなり便利だ。

Apple Watchからもモード変更可能

実際に外部音取り込みモードを使ってみると、耳をイヤホンで完全に塞いでいるにも関わらず、周囲の音が自然に耳に入ってくる。さすがにマイクとスピーカーを通して音を聴いているため音に多少の違和感もあるため、”つけていないような感覚” とまでは言うことはできないが、ここまで自然に外音が聞こえる密閉型イヤホンはほとんど例がないのではないだろうか。

実際に活用するシーンを想定して、コンビニやスーパーのレジでAirPods Proをつけたままで店員さんとのやりとりを実践。店員さんの声はハッキリと聞き取ることができ、難なく会計を済ませることができた。

完全ワイヤレスイヤホンで会計時にイヤホンを外すとたまにポロリと落としてしまうことがあったため、落下防止にもつながって良い感じ。これまでイヤホンを外して会計していた方はぜひ外部音取り込みモードを使ってみていただきたい。

オフモード

アクティブノイズキャンセリングモードと外音取り込みモードのほかに、「オフモード」 という動作モードがAirPods Proには存在する。

このオフモードは他のふたつのモードをオフにした状態で使うことができるというもので、AirPods Proのバッテリー持ちをわずかに長くすることが可能だ。

アクティブノイズキャンセリングと外部音取り込みモードはどちらも音の合成を行なっているため、バッテリーの消費が必然的に多くなってしまう。旅行などで長時間外出する時などとにかく長くバッテリーを持たせたい場合は、このオフモードにするとバッテリー持ちを長くできる。

設定アプリからもモード変更可能

AirPods Proを購入して、アクティブノイズキャンセリング・外部音取り込みモードを使わない方はかなり少ないはず。よって、オフモードはいわば緊急のバッテリー節約モード。iPhoneでいう 「低電力モード」 のようなものと考えるべきなのかもしれない。

ちなみに、Apple公式の情報では、アクティブノイズキャンセリングや外部音取り込みモードで使用したときのバッテリー持ちは最大4.5時間で、オフモードのバッテリー持ちは最大5時間。約30分の差があるとのことだが、実際に使ってみると体感的にはオフモードにしてもバッテリー持ちはほとんど変わらないように感じた。具体的なバッテリー持ちについては以下の バッテリー持ち の項目で触れるため、気になる方はそちらを読んでいただきたい。

バッテリー持ち

AirPods Proの単体でのバッテリー持ちは、公式情報では最大5時間。アクティブノイズキャンセリングや外部音取り込みモードを使用した場合はさらに30分短くなり、最大4.5時間と表記されている。

AirPods(第2世代)のバッテリー持ちが最大5時間だったため、アクティブノイズキャンセリングや外部音取り込みモード使用時のバッテリー持ちはAirPods(第2世代)に比べて30分短いということになる。

ただし、オフモード(アクティブノイズキャンセリングと外部音取り込みモードのどちらも使用しない)状態にすれば、スペック上はAirPods(第2世代)と同じくらいのバッテリー持ちで使うことができるはずだ。

ここからは実際のバッテリー持ちについて検証してみたのでその結果を報告していきたい。

まずはアクティブノイズキャンセリングもしくは外部音取り込みモードを使用した場合、次にオフモードを使用した場合のバッテリー持ちを計測した。結果は以下のとおり。

経過時間 バッテリー残量
(アクティブノイズキャンセリング/外部音取り込みモード)
バッテリー残量
(オフモード)
0:00 100% 100%
0:30 90% 90%
1:00 80% 77%
1:30 69% 66%
2:00 59% 55%
2:30 49% 44%
3:00 39% 34%
3:30 28% 24%
4:00 17% 13%
4:30 7% 3%
5:00 0%
(4:49)
0%
(4:39)

計測の結果、どちらも30分間で約10%ずつバッテリー残量がなくなっていき、計測開始から4.5時間を経過したあと5時間を待つことなくバッテリー切れに。ただし、驚いたことにオフモードのバッテリー持ちの方が少し悪いという結果となった。

試しにオフモードは2回目の計測も行ってみたのだが、その際もアクティブノイズキャンセリングや外部音取り込みモードを使用したときとほぼ同じかそれ以上のペースでバッテリーが消費され、残念ながら5時間近く使い続けることはできなかった。

この結果から、筆者としてはアクティブノイズキャンセリングもしくは外部音取り込みモードを使っていてもバッテリー持ちはオフモードとほぼ変わらないと結論づけた。

考えてみればスペック上の違いはわずか30分。この30分のためにアクティブノイズキャンセリングや外部音取り込みモードの使用を我慢してオフモードを使い続けて得られる30分はそこまで重要ではない。むしろ、潔くアクティブノイズキャンセリングモードや外部音取り込みモードを使って、足りなくなったらバッテリーケースで充電した方がより快適に音楽を楽しめるのではないだろうか。

ちなみにAirPods Proは5分間バッテリーケースに入れて充電することで約1時間の再生が可能だ。

耐水機能

AirPods Proの耐水・耐汗仕様はIPX4。AirPodsシリーズが耐水・耐汗が謳われたのは今回が初めてだ。

IPX4という防水仕様は、完全防水とはいかないまでも雨や汗と言った液体の飛沫程度であれば耐えることができるレベル。おかげで雨の中や汗をかくスポーツで安心して使用することができるようになった。ちなみにPowerbeats Proも同じ 「IPX4」の防水仕様であることが判明している。

AirPods Proと同じIPX4の耐水性能を持つPowerbeats Pro

とはいえ、あくまでAirPods Proも 「耐水・耐汗」 であり、「防水・防汗」 ではない点に注意が必要。運が悪ければ水没故障もありえると考えた方が無難で、プールやお風呂など水没の危険性があるところで使用することは避けた方がいいだろう。

また、「耐水・耐汗」 に対応しているのはイヤホン本体だけで、バッテリーケースについては水への耐性がまったくないことに注意が必要だ。

まとめ

ここまでAirPods Proの実際の使用感などをレビューという形でお伝えしてきたが、少しでもAirPods Proの魅力が伝わっただろうか。

AirPods Proについて筆者が一番気に入っているのは、やはりアクティブノイズキャンセリングモードもしくは外部音取り込みモード。

筆者は仕事柄、カフェやコワーキングスペース、新幹線や空港のラウンジ・待合室といった、人が話をしたり頻繁に出入りする環境でイヤホンを使うケースが多い。 これまでのAirPodsはコンパクトでペアリングもしやすく使い勝手は良かったものの、やはり外の音が耳に入ってくるため、作業に没頭するためのツールとしてはAirPodsは少々力不足だった。

しかし、AirPods Proであれば外の音を完璧とは言わずともある程度シャットアウトできるため、作業効率を大きく向上させることができる。それはこの数日のテストで実証済み。

音質は他の高級イヤホンに負けてしまうかもしれないが、それを上回る快適な環境が手に入れられるため、通勤や通学さらには筆者のように周囲に人がいる環境で作業に集中しなくてはいけない機会がある方にAirPods Proはオススメだ。

AirPods Proは30,580円(税込)と高価なデバイスだが、AirPods(第2世代)が25,080円(税込)で、その差がわずか5,500円であることを考えたらAirPods Proを選んでみても良いのではないだろうか。

もしAirPods (第2世代) とも比較してみたいなら、以下のレビュー記事が参考になると思うので、ぜひご覧いただきたい。

Apple公式サイトでAirPods Pro/AirPods(第2世代)をご覧になりたい方はこちらのリンクからどうぞ。

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