AirPods 4 レビュー|プロ愛好家が、電車で飛行機で使って感じた「第4世代」の音質とノイキャンの実力

4.0

完全ワイヤレスイヤホンを世に広めた 「AirPods」 シリーズは早くも4代目。「AirPods 4」 が 「iPhone 16」 シリーズとともに9月20日に発売した。

「AirPods」 シリーズといえば、豆型のイヤホンとにょっきり伸びる細長いステムを組み合わせた形状が特徴的だが、今回の 「AirPods 4」 ではさらなる装着感の向上に加えて、アクティブノイズキャンセリング機能が新たに搭載され、開放型であるにもかかわらず、静寂のなかで音楽を聴くことが可能になるなど、大幅に進化を遂げている。

本稿では、「AirPods 4」 がどんな進化を遂げたのか詳しくレビューしていく。本製品の購入を検討している方の参考になればと思う。

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「AirPods 4」 のデザインをチェック

まずは 「AirPods 4」 のデザインをチェックしていこう。AirPodsシリーズは左右のイヤホンと、充電ケースで構成される、完全ワイヤレスタイプのイヤホンだ。基本はバッテリーケースに収納して持ち歩き、必要なときに取り出して使用する、これまでの使い方を踏襲する。

イヤホン本体に電源ボタンはなく、充電ケースから取り出すことで自動で電源がオンになり、収納すると自動でオフになる仕組みもこれまでどおり。

今回の 「AirPods 4」 は、通常モデルとアクティブノイズキャンセリング搭載モデル (ANC搭載モデル) の2種類が用意されており、今回筆者はANC搭載モデルを試用した。通常モデルとANC搭載モデルのデザインはほとんど変わらないことから、見た目だけではほぼ判断できないと思っていただきたい。

イヤホン本体の見た目は、先代モデルの 「AirPods (第3世代)」 と大きくは変わらない。イヤホン形状はオープンイヤー、豆のようなヘッドの部分から1〜2cmほどのステム(軸)が伸びている。ステムは若干だが短くなっており、本体サイズは高さ30.2mm × 幅18.3mm × 厚さ18.1mm、重さは4.3g。

上位モデルの 「AirPods Pro」 は、同じオープンイヤータイプのイヤホンながらヘッド部分に音を遮断するイヤーピースがついていたが、「AirPods 4」 はイヤーピースがない、完全なる開放型タイプ。イヤーピースはパッシブノイズキャンセリング (物理的な遮音効果) に優れるが、一方で、開放型は圧迫感が少ないため、長時間装着しても耳が痛くなりにくいという特長がある。

ステム部分の凹んだ部分は感圧センサーになっていて、プチッと押したり長押しすることでiPhoneを取り出すことなくAirPodsを操作できる。タッチセンサーだとうまく反応しないことがある上に、イヤホンによって感度が異なってユーザー側で操作のコツを見出す必要があることから、筆者は確実に操作できる感圧センサーをとても気に入っている。具体的な操作方法は以下。

  • 1回押し:再生/一時停止、電話に応答、消音/消音解除
  • 2回押し:次の曲にスキップ、通話を終了
  • 3回押し:前の曲にスキップ
  • 長押し:Siriを起動、ノイズキャンセリング/外部音取り込みモードの切り替え

「AirPods 4」 は、イヤホンを装着したことを感知するためのセンサーに 「光学式インイヤーセンサー」 を搭載している。

過去の 「AirPods (第1世代/第2世代)」 や 「AirPods Pro (第1世代)」 モデルにも光学センサーが搭載されていた (名称は 「デュアル光学センサー」 ) が、その後のモデルでは 「肌検出センサー」 が搭載されていた。

光学センサーを搭載していた時代では、イヤホンを服のポケット等に入れていると音楽が再生され続けるという現象があったようだが、個人的にはそのような現象に陥ることはあまりなく、「肌検出センサー」 から今回の 「光学式インイヤーセンサー」 に変わったことによる体験の違いもあまりないため、センサー方式の変更についてはあまり気にしなくても良さそうだ。

「AirPods 4」 は、イヤホン本体と充電ケースの両方がIP54準拠の耐水・耐塵性能を持つ。多くの人が重視する耐水性能は 「4」 ということで、あらゆる方向からの飛沫から本体を守ることができるレベル。雨や汗からは本体と充電ケースを守ることができる。

AirPodsシリーズは洗濯機で洗っても壊れなかったという報告があるほど水に強い印象があるが、守れるのは飛沫だけということで、プールなどで水流に晒してしまうと水没故障する可能性があるため、過信は禁物だ。

ちなみに、雨や汗がついた場合は、流水で洗い流すと水没故障してしまう可能性があるため、乾いた布で拭き取ってから充電ケースにしまうようにとAppleは案内している。

イヤホンを収納・充電する充電ケースは、横長デザインを維持しつつも先代モデルより小さくなった。具体的なサイズは高さ46.2mm × 幅50.1mm × 厚さ21.2mm、重さは4.3g。小さくなったことで、ワイシャツの胸ポケットのような小さめのポケットにも入れやすい。

おもて面にはLEDインジケーターが搭載されていて、ケースの充電中はLEDインジケーターが赤く光り、充電が完了すると緑色に光ることで、現在の充電状況を確認することが可能。

細かい変化ではあるが、これまではLEDインジケーターが点灯していない状態でもケースの外側にポチッと見えている状態だったのに対し、今回の新型モデルはLEDインジケーターが光ったときだけ見える仕様で、光っていないとLEDインジケーターがあることすら分からないため、よりすっきりとしたデザインに。

背面はボタンなどは一切なく、シンプルなデザイン。先代モデルや 「AirPods Pro」 は、背面に 「設定ボタン」 というボタンがあり、このボタンを押してデバイスとペアリングすることができたが、「AirPods 4」 ではこのボタンは廃止された。

ではどうやってデバイスとペアリングするのかというと、充電ケースの蓋を開けた状態でケースの正面 (LEDインジケーターの少し下あたり) を指でポンポンっとダブルタップすると、LEDインジケーターが白で点滅してペアリングモードに入る。この状態でiPhoneに近づけると自動でペアリングがはじまる。

基本的に同じデバイスと接続したり、Appleデバイスとの接続が多いならこの操作の登場機会は少ないとは思われるが、接続デバイスを切り替える際に必要になるので、ぜひ覚えておきたいところ。

バッテリーケースの底面には、充電用のUSB-Cコネクタが搭載。これまではLightningコネクタを搭載していたAirPodsシリーズだが、最新のiPhoneシリーズと同様、USB-Cを搭載するようになったことで、MacやiPadなどとも充電ケーブルを共有できて便利に。荷物を最小限にできて助かっている。

ちなみに、今回からAirPodsシリーズの名称は 「AirPods (第◯世代)」 のようなネーミングルールから、「AirPods 4」 のように単純に世代番号だけを製品名の後ろにつける形式に変更されている。

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装着感

「AirPods 4」 は、数千の耳の形と合計5,000万以上の個々のデータポイントを正確にマッピングした上で分析して開発したということで、より世界中の多くのユーザーに自然にフィットする形になったという。

実際に装着してみたところ、イヤーピースがないことによるライトな付け心地はそのままに、「AirPods (第3世代)」 よりもヘッド部分の角張った感じがなくなり、着けやすくなった。

筆者の耳の形の問題なのか、「AirPods (第3世代)」 は30分ほど着けていると徐々に耳が痛くなってしまっていたので、少しは改善されたということなのだろうか。

ただし、調子に乗って2〜3時間装着し続けるとやはり耳が痛くなってきてしまった。他のユーザーに聞いてみたところ、むしろAirPods Proのほうが痛くなるということだったので、そこはユーザーの耳のかたち次第ということになりそうだ。

装着しながら歩いたり走ったりしたときの安定感は、先代モデルとほとんど同じか少し向上したように感じた。完全ワイヤレスイヤホンは脱落が怖いところだが、本製品は高い密着感を持っているためか、安心して着けていられる感じだった。

H2チップ

「AirPods 4」 には、「AirPods Pro 2」 にも搭載されているH2チップが搭載。これにより、FaceTime通話や電話で自分の声を相手にクッキリ伝えられる 「声を分離」 機能が利用できるように。

また、これまではSiriに何かを聞かれてそれに応答したいときには声を発する必要があったが、首を縦に振ることで 「はい」 、横に振ることで 「いいえ」 と応答できるようになった。

実際に 「AirPods 4」 装着中に友人から長文メッセージが届き、Siriに全部読み上げるかどうかを聞かれたため、首を縦に振ってみたところ、正しく機能していたようだった。人前で 「はい」 など声を発するのが恥ずかしいと感じる人もいると思うので、この機能は多くのユーザーにとって嬉しいアップデートになったのではないだろうか。

さらにH2チップはゲームプレイにも恩恵がある。16ビット、48kHzのオーディオに対応するほか、従来よりもレイテンシーが低減され、ゲーム内チャットでの音声品質が向上。

「iOS 18」 の新しい機能 「ゲームモード」 と組み合わせて使うことで、リズムゲームなどもほぼ遅延なしで楽しめる。

実際に 「iPhone 16 Pro」 と 「AirPods 4」 を組み合わせて使ってみた。筆者がいま絶賛ハマっている『ゼンレスゾーンゼロ』で試した際には遅延が気になることはなかった。

また、リズムゲームをプレイしている友人に聞いてみたところ、遅延はあまり感じられないとのことだったため、有線イヤホン派もいよいよ卒業できるレベルになってきたのではないだろうか。

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音質

「AirPods 4」 は、AirPodsのラインアップの中でエントリーモデルという立ち位置の製品とはなるが、音質は上位モデルのAirPods Proと同等レベルになっていて、多くのユーザーが満足できる品質になっていると筆者は感じている。

これまでのAirPodsシリーズと同様、高い再現性と、低音域〜高音域までバランスよく出力するフラット気味なサウンドは堅持しながらも、低音域がしっかりと前に出てくるようになり、従来より音の力強さが感じられるように。

左から、AirPods (第3世代)、AirPods 4、AirPods Pro 2

これらは 「AirPods Pro 2」 に近い構造のドライバーユニット、ハイダイナミックレンジに対応したアンプを搭載したことが音質の向上に影響しているものとみられる。やはり開放型ということもありやや中音域の音に弱さを感じる部分もあるが、これまでになかった低音域の厚みが増したことで、ディープに音楽を聴く楽しみが増している。

幅広いジャンルの楽曲でも聴きやすいというAirPodsシリーズの特徴はそのままに、さらに映画やドラマも豊かなオーディオで楽しむことができる。筆者は様々なジャンルの楽曲を聴くため、フラットなサウンドのイヤホンとの相性が良く、AirPodsシリーズの音は結構気に入っている。

特定のジャンルの楽曲だけを好んで聴くことが多い人からすれば面白みに欠ける音と感じるかもしれないが、AirPodsのオールラウンダーっぷりに魅力を感じるユーザーも一定数いるはずだ。

ノイズキャンセリング性能

「AirPods 4」 は、通常モデルのほかにANC (アクティブノイズキャンセリング) 機能対応モデルが用意されたことで、無印の 「AirPods」 としては初めてANCに対応したことになる。これまでは 「AirPods Pro」 のみで利用できたことから、この変化は多くのユーザーが驚いた部分だったはずだ。

それでは、「AirPods 4」 のANCはどれくらいの実力を秘めているのだろうか。実際に 「AirPods 4」 を装着しながら、とある取材に参加するため自宅から渋谷まで徒歩+電車移動をしながらチェックしてみた。

やはりオープンイヤータイプということで、イヤーピースによるパッシブノイズキャンセリングの恩恵が得られる 「AirPods Pro 2」 に比べると、どうしても外の音は入ってきてしまいがちだが、それでも風や車の音はかなりカットすることができていたように感じる。

個人的には、電車の走行音や人が行き交う雑踏などのノイズに関してはもうすこし軽減してほしいところではあったが、ひとたび音楽やヒーリング音楽等を再生してしまえば、それらも気にならない程度に抑えることはできる。

カフェなどで作業に集中したいときには、小さな音量で静かなBGMを流したり、水の流れる音や焚き火の音などの環境音を流すのがオススメだ。

左:AirPods Pro 2/右:AirPods 4

ちなみに、別の機会では飛行機に乗って試すことができたが、こちらはだいぶキレイにノイズキャンセルができていたように思う。飛行機のエンジン音をシャットアウトしたいなら、ANC対応のオーバーイヤー型ヘッドホンを利用するのがベストではあるものの、そこまで求めないようであれば 「AirPods 4」 でも十分と筆者は感じた。

「AirPods 4」 では、ANCモードに加えて、周囲の音をあえて取り込む 「外部音取り込みモード」 や、周囲の状況に合わせてANCと外部音取り込みモードを組み合わせる 「適応型オーディオ」 が利用できる。

特に 「外部音取り込みモード」 については、AirPodsに内蔵されたマイク性能が高いからか、まるでAirPodsを装着していないかのように周囲の音が自然に入ってくるから不思議だ。

よく海外ではスーパーの店員やホテルの従業員などAirPods Proを装着した状態で顧客応対するシーンを見かけるが、それはこの 「外部音取り込みモード」 のクオリティの高さがそれを可能にしているのだろう。

ちなみに、「AirPods 4」 のANC搭載モデルでは、周囲の人と話し始めると自動で音楽などの音量を下げる 「会話検知」 機能が利用できる。お店のレジなどで商品を台の上に置いて 「こんにちは」 「お願いします」 などと店員さんに話しかけるだけで、その後のやり取りがスムーズにできてとても便利だ。

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空間オーディオ

「AirPods 4」 は、Apple MusicなどのDolby Atmos対応コンテンツで立体的に音を聞くことができる 「空間オーディオ」 が利用できる。

また、ユーザーが向いている方向にあわせて音の出る位置が変わる 「ダイナミックヘッドトラッキング」 にも対応するため、リッチなオーディオ体験が可能だ。

実際に、空間オーディオとダイナミックヘッドトラッキングをオンにして対応コンテンツを聴いてみたところ、まるで目の前でライブパフォーマンスが繰り広げられているかのような臨場感を体験することができた。特に、頭を動かすと音源の位置が変化するため、より没入感のある音楽体験が可能になっている。

例えば、オーケストラの楽曲を聴いていると、各楽器の位置がはっきりと分かり、まるでコンサートホールの中央に座っているかのような感覚を味わえる。また、ポップスやロックなどの楽曲でも、ボーカルやギター、ドラムなどの楽器の定位が明確になり、音楽をより立体的に楽しむことができる。

ただし、この機能を最大限に活用するには、Dolby Atmos対応のコンテンツを再生する必要がある点に注意が必要だ。Apple Musicでは多くの楽曲がDolby Atmos対応となっているが、すべての曲がそうなわけではないため、お気に入りの楽曲が対応しているかどうかは確認が必要だろう。

空間オーディオは音楽以外にも、映画やドラマの視聴時にも効果を発揮する。ダイナミックヘッドトラッキングと組み合わせることで、まるで映画館にいるかのような没入感のあるサウンド体験を楽しむことができる。

Siri

「AirPods 4」 は、Appleの音声アシスタント 「Siri」 を利用することが可能だ。装着中にステムの感圧センサーを長押ししたり、「Hey Siri」 と話しかけることで、Siriを起動して何かを質問したり、指示することができる。

例えば、「Hey Siri、きょうの天気は?」 というように。これはiPhoneでSiriを起動したときと同じ動作となるため、AirPodsからiPhoneのSiriを起動できる、という表現が最も正しいだろう。

AirPodsシリーズにおけるSiriの機能の中で最も便利なのが、iPhoneに届いたメッセージや通知をSiriが読み上げてくれるもの。たとえば、連絡先に登録してある人から長文メッセージが届くと、「〜〜さんから長いメッセージが届いています。読み上げますか?」 と聞かれるため、これに 「はい」 と答えると、Siriが内容を読み上げてくれる。

これまでは、Siriがユーザーに対して問いかけをしてくるときに、「はい」 もしくは 「いいえ」 と声で答える必要があったが、「AirPods 4」 では首を縦に振ることで 「はい」 、横に振ることで 「いいえ」 と応答できるようになった。

実際に色々な通知に対して首を縦に振ったり、横に振ったりしてみたところ、ほぼ全ての通知に対して首を振るだけで正しく応答できたことから、精度はかなり高いと思われる。

声に出して返答すると、周囲の状況によっては変な目で見られることがあるため、音を発さず応答できるようになったことで、かなり実用的になったと言えるだろう。

ちなみに、首を振ってSiriに応答する機能は 「AirPods Pro 2」 でも利用可能だ。

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「探す」 機能

AirPodsシリーズは、左右のイヤホンがAppleの 「探す」 機能に対応していて、ソファの隙間など見えにくいところに落としてしまっても、音を鳴らして見つけ出すことができる。

さらに 「AirPods 4」 のANC搭載モデルは、充電ケースも 「探す」 機能の対象になっていて、充電ケースだけを単体で落としてしまった場合にも 「探す」 アプリ上で場所を表示することができる。充電ケースにはスピーカーも搭載されていて、イヤホンと同様に音を鳴らして見つけ出すことが可能だ。

「AirPods 4」 で音楽を聴きながらベッドで寝落ちしてしまって、イヤホンや充電ケースが行方不明に……というシチュエーションでも、落ち着いて 「探す」 アプリから音を鳴らせば、あっという間に見つかるはず。

ワイヤレス充電

「AirPods 4」 のANC搭載モデルの充電ケースは、ワイヤレス充電に対応する。

一般的なワイヤレス充電器で採用されているQi規格はもちろん、Apple Watchの充電器にも対応するため、Apple Watchを持っている人は旅行先などで充電器を共有できて便利だ。

AirPods Pro 2はMagSafe充電に完全対応

ただし、「AirPods 4」 の充電ケースが小型化されたことが原因だろうか、「AirPods Pro 2」 のようにMagSafe充電には対応しないので少しばかり注意が必要。

充電ミスを絶対にしたくない場面では、やはり有線充電を使うのが一番確実。もしくはApple Watchの充電器なら内部のマグネットの磁力で充電器から外れにくくはなるため、これらを多用することをオススメする。

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バッテリー駆動時間

バッテリー持ちは、ANCをオフにした状態だとイヤホン単体で最大5時間、充電ケースでの充電を含めると最大30時間。ANC有効時にはイヤホン単体で最大4時間、充電ケースでの充電を含めると最大20時間だ。

実際にANCをオフにして使ってみたところ、1時間で約18%ずつの消費となり、6時間弱で充電が必要になった。

経過時間AirPods 4AirPods (第3世代)
【参考】
0時間100%100%
1時間83%89%
2時間66%76%
3時間48%63%
4時間31%51%
5時間13%39%
6時間0%27%
7時間14%
8時間3%

上記の結果から、「AirPods 4」 は新しい機能の追加などにより、先代モデルよりもバッテリー消費量が増えたと考えられる。さらにANCをオンにするとよりバッテリー消費が大きくなりがちなので、飛行機の長距離便などでの利用には適さない可能性がある。

「AirPods 4」 のバッテリー持ちと相性の良い使い方は、日々の通学・通勤などの近距離の移動時間に音楽を聴いたり、数時間で終わる作業のお供として、作業用BGMを流すなど。もちろん使い終わったら必ず充電ケースにイヤホン本体を戻して、常にフル充電を維持しておくのがオススメだ。

AirPods Pro 2との比較

「AirPods 4」 は、アクティブノイズキャンセリング機能を搭載したことで、遂に上位モデルの 「AirPods Pro 2」 との性能差が大幅に縮まっている。

筆者は 「AirPods Pro 2」 を所有しているため、両者の使い勝手の違いを比較してみた。

AirPods 4
(ANC搭載)
AirPods Pro 2
製品デザイン
イヤーチップ/イヤークッションのカスタマイズ×
ANC
(アクティブノイズキャンセリング)

(AirPods 4の最大2倍)
外部音取り込みモード
適応型オーディオ
会話感知
声を分離
アダプティブイコライゼーション
空間オーディオとダイナミックヘッドトラッキング
(パーソナライズ対応)

(パーソナライズ対応)
ロスレスオーディオ×
(Apple Vision Proと一緒に使った場合のみ)
聴覚の健康をサポートする機能×・大きな騒音の自動低減
・ヒアリングチェック機能
・処方箋不要のヒアリング補助機能
コントロール・感圧センサー・タッチコントロール
搭載チップ・H2チップ・H2チップ
・U1チップ(ケース)
Hey Siri
耐汗耐水性能
(イヤホン)
IP54IP54
耐汗耐水性能
(ケース)
IP54IP54
装着感知センサー光学式インイヤーセンサー肌検出センサー
有線接続××
探す (Find My)本体:◯
ケース:◯
本体:◯
ケース:◯
バッテリーケースのスピーカー
バッテリー持ち
(本体のみ)
最大5時間
(ANC有効時は最大4時間)
最大6時間
(空間オーディオとヘッドトラッキング有効時は最大5.5時間)
バッテリー持ち
(ケース含む)
最大30時間
(ANC有効時には最大20時間)
最大30時間
充電ポートUSB-CUSB-C
急速充電
(5分の充電で約1時間の再生が可能)

(5分の充電で約1時間の再生が可能)
ワイヤレス充電
MagSafe充電
Apple Watch充電器
BluetoothBluetooth 5.3Bluetooth 5.3
無料刻印サービス
本体サイズ高さ:30.2mm
幅:18.3mm
厚さ:18.1mm
高さ:30.9mm
幅:21.8mm
厚さ:24.0mm
本体重量4.3g5.3g
充電ケースサイズ高さ:46.2mm
幅:50.1mm
厚さ:21.2mm
高さ:45.2mm
幅:60.6mm
厚さ:21.7mm
充電ケース重量34.7g50.8g
同梱物・スピーカー搭載充電ケース(USB-C)
※USB-C充電ケーブルは別売り
・スピーカー搭載ストラップループ付きMagSafe充電ケース(USB-C)
・イヤーチップ(4サイズ)
・USB-C充電ケーブル
税込価格29,800円39,800円

大きな違いは、やはりイヤーピースの有無。イヤホンがピッタリと耳の中に密着することでより高いノイズキャンセリング効果を実感できるのが 「AirPods Pro 2」 だ。一方で、イヤーピースによる圧迫感が苦手で、もっと軽い付け心地でノイズキャンセリング効果を得たい人は 「AirPods 4」 がオススメだ。

また、ステムのセンサー部分にも違いがある。「AirPods 4」 はプチッとつまむ操作のみ利用できるが、「AirPods Pro 2」 は上下スワイプによるボリューム調節も利用できる。iPhoneをポケットから出さずに、イヤホン本体で直接音量をスムーズに調整できることから、筆者も普段から重宝している。

そのほかにも細かくチェックすれば色々な違いはあるものの、使い勝手に大きく影響すると感じたのは上記の2点のみだった。

あとは2024年秋に 「AirPods Pro 2」 向けに耳の健康のための機能として、ヒアリングチェック機能や軽度から中程度の難聴が認められる方向けのヒアリング補助機能などが提供予定。これらの機能が利用できるのは、現時点では 「AirPods Pro 2」 のみとなる。

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まとめ:「AirPods 4」 は誰にオススメか。歴代の「AirPods」 シリーズを試してきた筆者が感じたこと

「AirPods 4」 は、装着感の向上とアクティブノイズキャンセリング (ANC) 機能をはじめて搭載するなど、上位モデルのAirPods Proにも迫る大きな進化を遂げた。

特に大きな変化となったANCの搭載については、より多くのユーザーに 「購入の選択肢」 を増やす良アップデート箇所だったと言えるだろう。

これまではANCが欲しければAirPods Proを買うしかない状況だったのに対し、これからはANCはスタンダードモデルでも利用できて、さらにそれ以上の機能追加やより高品質なANCを求める場合には最上位の 「AirPods Pro 2」 という選び方ができるようになり、より多くのユーザーがAirPodsシリーズを手に取りやすくなっている。

左から、AirPods (第3世代)、AirPods 4、AirPods Pro 2

筆者は、イヤホンを使う1番の理由が 「外部の音をシャットアウトすること」 であるため、イヤーピースがある 「AirPods Pro 2」 がファーストチョイスであることに変わりはなさそうだが、当サイトの読者やフォロワーさんの中には、AirPods Proのイヤーピースの圧迫感が苦手で、AirPodsや他社製品を使っているという人を見かける機会があった。

そんなユーザーには、今回新たに登場した 「AirPods 4」 がもしかしたらしっくりくるのではないだろうか。Appleによると数多のユーザーの耳で試して改良を重ねたそうなので、これまでの 「AirPods」 シリーズでは得られなかった装着感がいよいよ体験できるようになっているかもしれない。気になる方は、Apple Store等でぜひ試着してみてほしい。

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