イヤホンで音楽を楽しみたいけど、周囲の音を聞くために耳を完全に塞いでしまいたくない、そんなあなたのニーズに応えてくれるイヤホンがあるのをご存知だろうか。
骨伝導イヤホンーー。一般的なイヤホンと違い、耳の中に入れるのではなく耳の近くの骨を振動させることで音を伝える、次世代感漂うイヤホンだ。
このたび、高音質な骨伝導イヤホンを開発していることで有名なAfterShokzの日本代理店からオファーをいただき、骨伝導イヤホン 「Aeropex」 のサンプルをご提供いただき、試すことができた。
そこで 「Aeropex」 の仕様や使い心地について、そもそも骨伝導イヤホンについてあまり詳しく知らないという方にも考慮した上で詳しくご紹介したいと思う。
“耳を塞がない” 新感覚のワイヤレスイヤホン
こちらが 「Aeropex」 。本製品は左右の振動ユニットが1本の細いバンドで繋がったワイヤレスイヤホンだ。
ただし、一般的な(ケーブル一体型)ワイヤレスイヤホンと似た形状をしながらも、本体先端についているのはイヤホンではなく振動ユニット。この振動ユニットを装着者の耳の骨にあて、振動で音を伝えるのが本製品の最大の特徴となっている。「骨伝導イヤホン」 と呼ばれているのはそのためだ。
実際に装着した様子がこちら。バンド部分(薄いグレーの部分)を後頭部にまわし、先端の振動ユニットを耳穴の横に当てるように装着する。これで音楽をかけると振動ユニットが振動し、頬骨を通して音を伝える仕組み。
ラップランドチタンフレームの採用により、本体がしなやかに曲がるようになっているのが特徴的。
本体にはシリコン素材が使用されていて、スルスルと気持ちいい触り心地。防水仕様(IP67準拠)にもなっているため、汗をかくスポーツや雨の中での使用も安心だ。
重量は26gと軽いが、若干の締め付けがあるおかげでズレにくく、装着感は意外としっかりしている。動きの激しいスポーツでも安心して使っていただきたい。
左側の振動ユニットにはマルチボタンが搭載されていて、押し方によって様々な操作が可能。具体的な操作方法は以下のとおり。
機能 | 操作 | 音声案内 |
---|---|---|
音楽再生/一時停止 | 1回押し | ビープ音1回 |
次の曲にスキップ | 音楽再生時に2回押し | ビープ音1回 |
前の曲にスキップ | 音楽再生時に3回押し | ビープ音1回 |
電話に出る | 1回押し | ビープ音2回 |
電話を切る | 1回押し | ビープ音1回 |
現在の通話を切って、二つ目の通話に出る | 通話時に2秒間長押し | ビープ音1回 |
通話拒否 | 着信時に2秒間長押し | ビープ音2回 |
音声ダイヤル | 2秒間長押し | ビープ音 |
最後に発信した番号をリダイヤルする | 音楽停止時に2回押し | 「リダイヤルします」 |
イヤホンをひっくり返すと、音量+/電源ボタンと音量ーボタンが搭載されている。装着時には右耳の後ろあたりにこれらのボタンが来るため、耳たぶの裏側を触るように操作することになる。これらのボタンでできる操作は以下のとおりだ。
機能 | 操作 | 音声案内 |
---|---|---|
電源オン | 音量+ボタンを2秒間長押し | 「アフターショックスへ、ようこそ」 |
電源オフ | 電源ボタンを3秒間長押し | 「終了します」 |
ミュート | 通話時に音量+ボタンと音量ーボタンを約2秒間長押し | 「ミュートしました」 「ミュートを解除しました」 |
イコライザー切り替え | 音楽再生時に音量+ボタンと音量ーボタンを約3秒間長押し | 「イコライザーを変更しました」 |
バッテリー残量チェック | 音楽停止時に音量ボタンのいずれかを1回押し | 「充電されています」 「およそ半分です」 「残りわずかです」 「充電してください」 |
音量調整 | 音楽再生時に音量ボタンのいずれかを1回押し | ビープ音1回 |
そして音量ボタンの横にあるのが独自規格の充電コネクタ。このコネクタを専用のUSBケーブルにカチッとくっつけて充電する仕組み。充電時にはロゴ横にあるLEDランプが点灯して充電中であることを教えてくれる。また、本体の充電ポートに汗や水分が溜まっていればアラームで通知してくれるという安全機能も。
バッテリー駆動時間は最長8時間。丸一日使いっぱなしは難しいが、通勤・通学時の移動やジムでのトレーニング程度の時間であれば十分だろう。次の日にも使う場合は家での充電をお忘れなく。
実際にiPhoneとBluetoothで接続して 「Aeropex」 で音楽を流してみると、音楽と外の音の両方がクリアに伝わってきて、一般的な耳をふさぐタイプのイヤホンとは違った不思議な感覚に。初めて骨伝導イヤホンを使う方は本当にイヤホンから音が出ているのか心配になるかもしれないが、振動ユニットを触ればしっかりと振動して音が出ていることがすぐに分かるはずだ。
肝心な音質はというと、かなりクリアで低音にも深みがあり、耳をふさぐタイプのイヤホンに負けないほど。骨伝導イヤホンは使われている楽器によってはビリビリと振動することもあるが、「Aeropex」 はより振動が少なくなるような設計が採用されているとのことだ。
楽曲によっては、高音部分が若干こもったラジオのように聞こえることもあるが、そこまで究極の高音質を求めないのであれば実用範囲内だろう。
また、骨伝導イヤホンといえば気になるのが音漏れ。従来モデルよりも50%の音漏れを減少させたという本製品だが、やはり近づくと微妙に音が聞こえてしまうため、気になる方は電車など公共の場では使うのは控えた方が良いだろう。
本製品には耳栓が同梱されており、一緒に使うことで周囲の雑音をシャットアウトして音楽を楽しむことができると説明書には書かれているが、実際に使ってみるとだいぶ音がこもって聞こえてしまう。そのため筆者としては、音楽をじっくりと聴く用途としてではなく、あくまで “音楽を聞きながら周囲の音も聴く” 用途として使うためのものとしてオススメしたい。
ちなみに今回提供していただいたサンプルは4色のカラーラインナップのうち、灰色系統のカラーを採用した 「ルナグレー」 モデル。性別・ファッション問わず使える汎用カラーで個人的にはオススメだが、もっと攻めたカラーがお好きな方はソーラーレッドやブルーエクリプスなどを選んでみても良いかもしれない。
まとめ
骨伝導イヤホン 「Aeropex」 は、イヤホンで音楽を聴きたいけど周囲の音も聞きたい方にぴったりのワイヤレスイヤホン。車の音や電車のアナウンスなどを聞くためにオープン型のイヤホンを使っているという方も多いが、オープン型以上に外の音をしっかりと聞きたいのであれば、本製品はとてもオススメだ。
装着感もよく、多少激しく動いてもズレることなくしっかりフィットしてくれる。ランニングなどイヤホンを落としやすい運動をする方でも安心して使えるはずだ。
また、音質もこれまで筆者が使ったことがある骨伝導イヤホンの中ではかなり高音質な部類で、骨伝導イヤホンが苦手とする低音もきちんと聞こえていた。骨伝導イヤホンでも音質に少しはこだわりたい、そんな方にはぜひ手に取っていただきたいと思う。
「Aeropex」 は、AfterShokz公式サイト、