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Adobe LightroomやCamera Rawなどで、選択的に画像処理する一連の機能を再設計、マスク機能に統合。Adobe MAX 2021と同時に提供開始

アドビはAdobe Camera Raw (ACR / Adobe Photoshopに含まれるRAW画像処理ツール)、Adobe Lightroom、Adobe Lightroom Classicにおいて、選択的に画像を処理するための一連の機能をゼロから再設計。「マスク」 機能として統合すると発表した。

また、「被写体の選択」 や 「空を置換」 などAdobe Photoshopで利用できる機能が、Adobe Lightroomでも利用可能に。さらにこれまでACRやAdobe Lightroom Classicにしか搭載されていなかった強力なレンジマスクも、Adobe LightroomだけでなくAdobe Lightroom mobileでも利用になる。

これらの機能は、来月26日から開催されるAdobe MAX 2021と同じタイミングで提供される予定。

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Adobe Lightroomでも 「被写体の選択」 「空を置換」 などの機能が利用可能に

今回のマスク機能は、写真の選択的な調整に関するアップデートとしては、2008年に発売したLightroom 2以来最大のものになるという。Adobeは新しいマスクツールの開発に1年以上前から着手しており、社内のリサーチチームやデザインチームなどと協力し、ユーザーのニーズをうまく解決できるよう模索してきた。何万人ものユーザーを対象にアンケート調査を行い、選択的な調整をする際の最大の問題点や、既存ツールの良い点、写真制作で実現したいことなどを把握。

それらを受けて、デザインリサーチチームが1年半の間に百人以上のユーザーと実際に会い、原稿ツールでどのように選択的な調整が行われているかを確認した上でプロトタイプのテストを開始した。テストの結果、パワーや精度、親やすさのバランスが取れ、新規・既存ユーザー問わず、すぐに使いこなせるものに仕上がったとのこと。

新しくなったマスク作成エンジンは、機械学習を駆使したAIベースのマスクツールを製品に組み込む方法を模索するところから開発が始まった。写真の中の被写体や空を認識して、正確な選択を自動的に行うことができる。しかし、ACRやAdobe Lightroom、Lightroom Classicに搭載されている既存の選択ツールは、これらの新ツールを組み込む方法がなかったとのこと。

そこで新しいAIベースのマスク作成エンジンをモバイルとデスクトップ両方の製品に組み込めるように、既存の選択ツールをゼロから再設計。これまで既存のマスク機能はベクターベースの選択範囲のみサポートしており、ブラシやグラデーションといった調整は数式表現として記録していた。

対して、新しいAIベースのマスク機能は画像(ビットマップ)ベースの選択範囲を使用する。異なる選択レベルの領域を明るい値で、選択されていない部分を黒で表したグレースケール画像を作成し、選択範囲を表現。

ベクターベースとビットマップベースの両方のマスクを共存させる必要があった、ブラシ、グラデーション、カラー範囲マスク、木戸範囲マスク、奥行き範囲マスクはデータ節約のため引き続きベクターベースだが、「被写体の選択」 や 「空を置換」 などのAIを使ったツールではビットマップベースのマスクを使用する。なお、ビットマップベースのマスクを活用した新しい機能も開発中で、来年にはリリース予定だという。

そのほか、操作エクスペリエンスの改善やコントロール性・柔軟性の改善、ワークフローの改善と選択範囲の整理、すべてのデバイスで一貫性のあるツール体験を実現できるよう改善を加えたとのこと。これらの詳しい開発過程の舞台裏は、本日18時頃に掲出されるアドビブログの記事をご覧いただきたい。