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Adobe Photoshopがメジャーアップデート。各種機能の拡充や、WEB版 「Adobe Photoshop」 のパブリックベータ版を提供など発表

本日10月26日より、Adobeはクリエイティブの祭典 「Adobe MAX 2021」 を開催中。同イベントのなかで、デスクトップ版Adobe PhotoshopおよびiPad版Adobe Photoshopのメジャーアップデートを発表。ユーザーからの要望が多かった機能などを含めた多数の新機能が導入されることが明らかにされた。

また、今回のアップデートでは、Adobeのこれまでとは異なる新たな取り組みが導入される。具体的には、Adobe Photoshopでのドキュメントの共有およびコラボレーションのワークフローをブラウザベースで実現するというもの。その一環として、基本的な編集機能の一部がブラウザ上で動作するWEB版 「Adobe Photoshop」 のパブリックベータ版を提供する。

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デスクトップ版・iPad版Photoshopに多数の新機能が追加

デスクトップ版Adobe Photoshopで追加される機能は多岐にわたり、たとえばオブジェクト選択ツールの 「ホバー選択」 モードや新しいニューラルフィルターなどが導入されるほか、グラデーション機能の強化などが行われる。

オブジェクト選択ツールは大幅に強化され、画像内の選択したいオブジェクトの上にカーソルをホバーしてクリックするだけでそのオブジェクトを選択できるように。現時点では、同ツールは画像内のほとんどのオブジェクトを検出可能だが、一部検出できないカテゴリーもあるという。さらに多くのカテゴリーのオブジェクトを検出できるよう、Adobe SenseiのAIと機械学習モデルを改良し続けていくとのことだ。

昨年リリースされた 「ニューラルフィルター」 についても、機械学習を利用して、ワンクリックまたは簡単なスライダー操作にまとめ、進化させたフィルターをいくつか搭載するとのこと。また、特定のアートスタイルや修復機能を備えたフィルターの数が増えるなど機能強化を行う予定。

そのほか、任意の2つの風景画像を組み合わせることで、まったく新しいシーン、コンセプトアート、風変わりなシーンを一瞬で作成できる 「風景ミキサー」 がベータ版として提供されるほか、参考にする画像から同じような色調を再現できる 「カラーの適用」 機能、任意のレイヤーのエレメントのカラーとトーンを別のレイヤーのものとマッチさせる 「色調和」 機能もベータ版として提供される予定。

さらに、Appleの純正ディスプレイ 「Pro Display XDR」 を正式サポートすることで、フルHDRでデザインをチェックすることが可能になる。また、これまでM1 MacBookにのみ限定されていた 「書き出し形式」 機能についてもすべてのデスクトップOSでデフォルトの書き出し機能として提供されるように。

なお、Adobe Photoshopはアプリ全体における安定性とバグ修正スピードを向上させると発表した。具体的にはGPU関連の問題が引き起こすクラッシュの修正をはじめ、さまざまな修正が行われる予定。

iPad版Photoshopについては、先日発表されていたCamera Rawファイルのサポートが実装されるほか、レイヤーをスマートオブジェクトに変換できるようになるなどのアップデートが行われる。

スマートオブジェクトへの変換については、あらゆる種類のレイヤー、複数のレイヤー、あるいはレイヤーグループがスマートオブジェクトに変換できる。レイヤーをグループ化して整理することが可能。レイヤーをスマートオブジェクトに変換できるようになったことから、オリジナルの画像を損なうことなく変換やフィルターを非破壊で適用できるようになる。

さらに、ユーザーから要望の多かった、覆い焼きツールと焼き込みツールを使って、画像の一部の明暗を調整する暗室作業を素早く再現できるように。iPad版で実装される同機能は、デスクトップ版と同等のものとなっており、シャドウ、ミッドトーン、ブラシの丸みや角度など、適用範囲の調整が可能だ。