AdobeとNVIDIA、PhotoshopやPremiereなどを最適化。AI処理を最大2倍高速化

アドビとNVIDIAは、両社の戦略的パートナーシップを拡大すると発表した。Adobe Photoshop、Adobe Premiere、Adobe Substance 3D、Adobe Frame.io、Adobe Brand Conciergeの5製品・サービスを対象に、NVIDIAのGPUやAI技術を活用した最適化を進める。クリエイティブ制作や動画編集、コンテンツ検索、企業向けの顧客対応などを高速化し、AIを活用した制作・プロダクション・パーソナライゼーションの効率向上を目指す。

両社は2026年3月にも戦略的提携を発表しており、今回の協業拡大はその取り組みをさらに進めるものだ。アドビのクリエイティブ・マーケティング向けのワークフローやAIモデルに、NVIDIAのオープンモデル、ソフトウェアライブラリ、研究成果、アクセラレーテッドコンピューティング技術を組み合わせる。

クリエイティブアプリでは、Photoshop、Premiere、Substance 3Dが、NVIDIAの「RTX Spark」スーパーチップが備える統合メモリとAI演算性能を活用する。両社によると、AI処理や編集、カラー調整、エフェクトなどの処理速度は最大2倍になるという。

Photoshopは、GPUによる高速処理を活用した合成機能を中心に再設計された。「削除ツール」や「ガウスぼかし」「ライトリーク」などのエフェクトを、キャンバス上で直接適用できるようになる。

Premiereでは、動画の再生やレンダリング、エフェクト、カラー調整、AIツールなど、処理負荷の高い作業をNVIDIAのRTX GPUで高速化する。「スピーチを強調」や「オブジェクトマスク」といった機能でも、処理速度の向上が見込まれる。

3D制作ツールのSubstance 3D Painterも、テクスチャリングにおける負荷の高い処理を高速化する。3Dモデルの表面に質感や模様を加える作業を効率化し、制作にかかる時間の短縮を目指す。

動画制作の共同作業を支援するFrame.ioでは、NVIDIAのGPUを使って、クラウド上の動画処理やコンテンツ検索を高速化する。動画のデコードにはNVDECを、前処理や埋め込みデータの生成にはTensorRTとCUDAを利用する。

両社が示した初期検証結果では、検索に使う埋め込みデータの生成速度が約5倍に向上したほか、処理遅延の指標であるP95の値も4〜5倍改善した。また、検索用のプロキシファイルの容量は約80%削減できたという。

こうした最適化により、アップロードした動画素材を検索しやすくなるほか、大量のコンテンツを保管するライブラリの更新作業も効率化できるとしている。

企業向けサービスのBrand Conciergeでは、NVIDIAのオープンモデル「Nemotron」を活用して最適化を進める。企業が顧客に対して、状況やニーズに応じた質の高い対話体験を大規模に提供できるようにする。提供開始は2026年内を予定している。

NVIDIA自身も、NVIDIA.comで顧客のニーズに応じた対話を行うため、Brand Conciergeを採用する。企業が持つデータやコンテンツをもとに、利用者の状況に合った回答を提供することを目指す。

両社は、11月10日から12日まで開催されるクリエイティブイベント「Adobe MAX」で、ハードウェアパートナーとともに今回の協業による最新の成果を披露する予定だ。

関連リンク

(画像提供:Adobe)

AdobeNVIDIA
FOLLOW US
タイトルとURLをコピーしました