「Adobe MAX 2024」 で発表されたもの・サービスまとめ

Adobeは、年に一度のクリエイティブの祭典「Adobe MAX 2024」を米国マイアミで開催中だ。初日の10月13日には基調講演が行われ、Adobeの各種サービスに関する最新のアップデートや情報が多数発表された。

本稿では「Adobe MAX 2024」の基調講演で発表された内容を簡潔にまとめた。各トピックの詳細については個別の記事で解説しているので、興味のある項目があったら、ぜひそちらをご覧いただきたい。

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Firefly Video Model

Fireflyのビデオモデル 「Firefly Video Model」 を活用して、プロンプトや画像を入力することで動画を生成できる機能が登場。本日から制限付きのパブリックベータ版としてWEB版のAdobe Fireflyで提供開始。

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Premiere Pro

「Firefly Video Model」 を活用してビデオクリップとオーディオクリップを拡張する 「生成拡張」 がパブリックベータ版として提供開始。そのほか、プロパティパネルの正式リリースやProResの書き出しが最大3倍高速になるアップデートが実施。

Lightroom

これまでベータ版として提供してきた 「生成AI削除」 が正式リリース。被写体や背景、空といった写真のレタッチ要素をAIで自動認識する 「クイックアクション」 も登場。さらに、Frame.ioとの連携ができるようになった。

Photoshop

「削除ツール」 で電線や人物を自動で検出して削除できるように。新しい生成AIモデル 「Adobe Firefly Image 3 Model」 の搭載により、AI生成関連機能の精度が向上し、生成する画像のクオリティが向上している。

Illustrator

最大の注目機能は 「パス上オブジェクト」 。Illustrator上で作成したオブジェクトをアートボード上の “パス” に沿って整列させられる機能。これまでも線形で整列することはできていたが、アップデート以降は直線、円、長方形、曲線など、あらゆる形状のパスに沿って配置することが可能になる。

トレース機能についても大幅なアップデート。トレースの際に作成するパス (アンカーポイント) の数が従来に比べて減る一方で、メンテナンス性の高い形でトレースが行われるように。作成したトレースデータはより軽量になっているため、作業もより快適に。

Project Neo

「Project Neo」 は、用意されたツールを直感的に使うことで、手軽に3Dモデリングができてしまうサービス。2Dあるいは3Dのデザインをマウスのみで作ることができるため、これまで何時間もかかっていたモデリング作業を、早ければわずか数分で完了させられる。

InDesign

Adobeの生成AI技術である「Adobe Firefly」を利用した「画像を生成」「生成拡張」機能の実装。「画像を生成」は、プロンプトを入力することで画像を生成することができる機能。そして「生成拡張」は、既存の画像に対して生成AIが拡張するように絵を作る機能。これらを利用することで、新たな画像素材を探したり、手動で画像を作る必要がなくなるためデザイナーの作業効率を劇的に向上させることが可能だ。

Adobe Express

LightroomとIndesignのファイルの読み込みが可能に。現在はIllustratorとPhotoshop、PDFの読み込みができた)。さらに、Lightroomのライブラリから写真を読み込んだり、InDesignのデータを開いて編集できるように。

すべての画像・文字を瞬時にアニメーション化する機能や、手書きの文字・絵を追加できる機能が追加。目的や用途に合わせて画像のサイズを変更し、余白部分を生成拡張によって埋めることでコンテンツを最適化できる「拡張してサイズ変更」が追加。

Adobe GenStudio for Performance Marketing

マーケティングのキャンペーンに利用するコンテンツの作成、配信、そして効果測定までを一元管理できる「Adobe GenStudio」向けのツール「Adobe GenStudio for Performance Marketing」 が発表。

生成AIファーストのアプリケーションとして開発されており、Adobeの生成AIである「Adobe Firefly」やサードパーティの大規模言語モデルを活用することが可能だ。企業や代理店がグローバル規模の広告およびマーケティングキャンペーンを、これまで以上に早いスピード感で展開できるように。

Adobe Project Concept

クリエイターたちが自由にアイデアを探求できるようにするための製品「Adobe Project Concept」が登場。Adobe Fireflyの機能を活用し、用意した様々なアセットをリアルタイムでリミックス。作品の方向性をすばやく探ったり、画像を組み合わせたり、アセットの一部を変換しながら、最適なアイデアを見つけ出すことができる。

今回のAdobe MAXでは、100以上のイノベーションが発表された。多くがここ数年のトレンドである生成AIを活用したものになるが、同技術の導入のおかげでクリエイティブの世界は大きな変革を遂げつつある。

Firefly Video Modelの導入やPremiere Proの生成拡張機能、Lightroomの生成AI削除機能の正式リリースなど、AIがクリエイティブワークフローに深く組み込まるように。これらの新機能により、クリエイターはより効率的に、そして新たな可能性を探りながら制作活動を行えるようになった。

同時に、Adobeは「コンテンツ認証イニシアチブ (CAI)」などの取り組みにより、クリエイターの権利保護にも注力している。今月8日には「Adobe Content Authenticity」というWEBアプリを2024年11月〜2025年2月末の四半期中に配信すると発表している。AIの発展と共にコンテンツの真正性を担保するための重要な一歩と言えるだろう。

Adobe MAXで発表されたこれらのイノベーションは、クリエイティブ業界に新たな可能性をもたらすと同時に、従来の制作プロセスを根本から変える可能性を秘める。今後、これらの技術がどのように活用され、クリエイティブの世界がどう進化していくのか、より一層の注目が集まる。

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(画像:アドビ)

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