当メディアはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

「Adobe Illustrator」 テキストエンジン刷新備える機能「文字組みの更新」実装へ。任意のパスに沿ってオブジェクトを整列させる機能も発表

現地時間10月13日から、Adobeは米マイアミで「Adobe MAX 2024」を開催中。同イベントにおいて、「Adobe Illustrator」 に複数の新機能を追加すると発表した。

追加される機能は以下。

  • パス上オブジェクト
  • 画像トレースに関するアップデート
  • 文字組みの更新機能
  • モックアップ
  • コンテキストタスクバーの機能拡張
  • Retypeの日本語対応

最大の注目機能としては、「パス上オブジェクト」 が挙げられる。本機能は、Illustrator上で作成したオブジェクトをアートボード上の “パス” に沿って整列させられる機能。これまでも線形で整列することはできていたが、アップデート以降は直線、円、長方形、曲線など、あらゆる形状のパスに沿って配置することが可能になる。

配置するオブジェクトは等間隔で置いたり、角度を変えたり、順番を入れ替えることも可能だ。

また、トレース機能についても大幅なアップデートが行われている。まずは、トレースの際に作成するパス (アンカーポイント) の数が従来に比べて減る一方で、メンテナンス性の高い形でトレースが行われるように。作成したトレースデータはより軽量になっているため、作業もより快適になっている。

Adobeは、これまで20年間使ってきたテキストエンジンを大きく変える。これに伴い、開くファイルに従来バージョンで作成したテキストが含まれている場合、文字の配列や行の折り返し位置が変更される可能性があることから、事前に警告が表示されるようになっている。

今回のアップデートでは、上記シチュエーションにおいて「更新を確認」というボタンを押すことで、新しいテキストエンジン環境下とそれ以前でどれくらい文字組みに違いが生まれるのかを確認する機能が可能に。これまでに作ったコンテンツも安心して開くことが可能だ。

そして、これまでベータ版として提供されていた強化版「モックアップツール」が、このたびいよいよ正式版へと昇格。最新バージョンではUXの最適化が行われているほか、 取り込んだラスター画像を頻繁に使う場合に、テンプレートとして画像を保存し、ワークフローを高速化する機能も追加されている。なお、オブジェクトのエッジの回り込みが改善されたことで、 ベクターアートがラスター画像により正確に、 自動的にフィットするようになったほか、ファブリックのカーブとの整合性が改善されたことなどがユーザーから評価されているという。

「Adobe Illustrator」 に関するアップデートは、作業スピードの高速化に関するアップデートも発表した。主な機能強化は以下の通り。

  • すばやくグラデーションを作成:選択したスウォッチから直接グラデーションを作成できるように。スウォッチパネルからカラーを選択し、スウォッチメニューの「グラデーションを作成」オプションをクリックするだけ (またはグラデーションパネルにドラッグ&ドロップ)。その後、 新しいグラデーションをアートワークに適用するか、スウォッチに保存する。
  • アートボードに合わせてアートを自動的にリサイズ:アートボードのリサイズに追従してアートボード内のアートワークを自動的にリサイズするかどうかを選択できる。
  • リンクされた画像で最大5倍の高速作業:マルチスレッド機能をAdobe Illustratorに導入し、リンクされた画像の移動、拡大縮小、回転、複製などの作業の応答時間を高速化できるように。
  • 正確なオブジェクト選択が可能な新しい選択範囲内モード :選択ツールまたはグループ選択ツールを使用してオブジェクトを矩形選択する際に、完全に囲まれたオブジェクトのみが選択されるように。
  • Adobe Illustrator ファイルを数秒で PDF として書き出し:Adobe IllustratorでPDFの書き出しができるように。[ファイル] > [書き出し] > [名前を付けて書き出し] と進み、ドロップダウンメニューからPDFを選択。書き出されたPDFは共有に最適化され、ファイルサイズが縮小される。

関連記事
「Adobe Firefly Video Model」 本日より利用可能に。プロンプトや参考画像の入力だけで動画を即時生成
「Premiere Pro」 にFireflyの動画生成モデルを使った 「生成拡張」 。ビデオクリップに新しいフレームを生成

(画像:アドビ)