米国時間12月18日、アドビはデザイン共同編集ツール 「Figma」 の買収を中止したと発表した。
アドビとFigmaは、2022年9月に約200億ドル(2兆8千億円)の現金および株式での買収に合意しており、2023年には買収が完了する見込みだった。しかし、今年11月にEUの規制当局が同買収について独占禁止法違反の疑いで訴訟を起こす予定であると報じられており、多くのユーザーが動向を見守っていた。
アドビは今回の買収中止について、「欧州規制当局の承認を受けることができる明確な道筋がない」 と判断したためとしている。以下、プレスリリースからの引用 (拙訳) 。
FigmaとAdobeは、提案されていた合併を中止することにしました。
規制審査プロセスが15か月続いた結果、FigmaとAdobeは提案されていた買収が規制当局の承認を得るための道筋が見えなくなったと判断しました。
両社は合意して、保留中の買収を終了することになりました。望んでいた結果とは異なりますが、私たちは両社のビジネスや製品、そして私たちがサービスを提供する市場の違いを規制当局に何千時間も詳細に説明したにも関わらず、取引の規制承認に向けた道筋が見えなくなったという結論に至りました。
Figmaは買収中止のリリースの最後で、「将来がどうなるかとても楽しみですし、私たちを支えてくれているコミュニティには、感謝の念に堪えません。Figmaの最高で革新的な日々は、まだまだ続きます。2024年にお会いしましょう!」 と述べている。
Figmaは、2012年にDylan Field氏とEvan Wallace氏によって設立された、ブラウザ上で操作できるUI/UXデザイン共同編集ツール。チームで共同編集可能なデザイン設計のプラットフォームで、世界中のどこにいてもチームメンバーとブレーンストーミングをしたり、デザインを設計・構築できる。変更した内容は常にクラウドへアップロードされ、最新の情報をチームメンバーに共有できる。修正の依頼や検討の余地がある場所などにコメントを残したり、音声ミーティングができる機能なども用意されている。
Adobe – Adobe and Figma Mutually Agree to Terminate Merger Agreement
Figma and Adobe are abandoning our proposed merger | Figma Blog
(画像提供:Figma)