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「Adobe Apps for ChatGPT」 提供開始。ChatGPT上でPhotoshopなど無料で利用可能に

AdobeとOpenAIは10日、ChatGPT上からAdobeアプリを直接操作できる「Adobe Apps for ChatGPT」を提供開始した。

これにより、Adobe Photoshop、Adobe Acrobat、Adobe Expressが、ChatGPTのチャット画面から無料で利用できるようになった。従来のようにアプリを個別に起動し、複雑なメニューを操作する必要はなく、自然言語で指示を入力するだけで編集や加工を実行できる点が最大の特徴だ。

週間アクティブユーザー8億人超とされるChatGPTの巨大なユーザー基盤に、Adobeの主力ツール群が事実上「直結」された格好になる。

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Adobe ✕ OpenAIの連携で「音声での編集」も可能に

今回の連携は、従来のアプリ操作を前提としたUIをそのまま持ち込むのではなく、ChatGPT上で自然に使えるように機能が作り直されている。

ユーザーは、「Adobe Photoshop、この画像の背景をぼかしたい」のように、アプリ名とやりたいことを文章で入力することで、対象のAdobeアプリがChatGPT内で立ち上がり、目的の処理が行える。アプリを直接開いて細かな手順を追う必要はなく、作業はチャット中心に完結するようになった。

「Photoshop for ChatGPT」では、オブジェクト単位の編集、明るさやコントラスト、露出の調整、背景の差し替えに加え、グローやグリッチといったエフェクトの適用までをカバー。元画像の品質を維持したまま編集可能だ。

「Acrobat for ChatGPT」は、PDFのテキスト抽出や表の取り出し、複数ファイルの統合、圧縮処理、さらには機密情報を含む文書の編集にも対応し、レイアウトや書式を保ったまま作業を行える点を強調する。

「Adobe Express for ChatGPT」は、プロが設計したテンプレートを基盤に、デザインの作成、テキストや画像の差し替え、繰り返しの編集などをチャット内で実現できるようにしている。

本機能はChatGPTの無料プランに加え、Go、Plus、Proの各プランで利用できる。展開エリアは欧州経済領域(EEA)、スイス、英国を除く地域となっているが、これら欧州地域についても順次展開予定としている。

一方で、Adobeは既存のプロユーザーへの配慮も残している。チャット内での操作はあくまで「入口」とし、最終的な仕上げや高度な編集は従来のデスクトップアプリに引き継ぐことで、プロ向けワークフローを壊さない方針だ。

今後は、Photoshopの「背景生成」機能や、Expressでのアニメーション機能追加など、AIを前提とした機能拡張も計画している。

(画像提供:Adobe)