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「Adobe Acrobat」 に生成AI機能 「AI Assistant」 が搭載。対話型インタフェースでPDFの重要情報を抜き出し、要約を生成できる

アドビは、PDF作成・編集ソフトの 「Acrobat」 およびPDFリーダーソフト 「Acrobat Reader」に、生成AI機能 「AI Assistant」 を搭載する。

正式リリースに先駆けて、まずは本日よりベータ版を提供する。今後数週間でデスクトップ版 「Acrobat Reader」 にも本機能が提供される。また、当初は英語のみでの提供となるが、他の言語についても今後対応を予定している。

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AcrobatとAcrobat Readerに 「AI Assistant」 が搭載

「AI Assistant」 は、Adobeが他のソフトウェアですでに提供している 「Adobe Firefly」 のように、ユーザーの入力したプロンプトに応じて動作する生成AI機能だ。「Adobe Firefly」 は、画像生成などの創作系の生成AIだったのに対して、「AI Assistant」 はPDFに書かれている重要な情報を抜き出したり、要約したり、インサイトの作成などを得意とする対話型エンジンの生成AI機能だ。

直感的な会話型インターフェースが用意され、そこにユーザーが求める内容を入力することで、PDFを利用した作業をより簡便化することが可能だ。ChatGPTやMicrosoft Copilotをイメージすると分かりやすいかもしれない。

「AI Assistant」 ができることは以下。

  • 会話型インターフェースを介してPDFの内容に関する質問に返答。質問自体の提案もしてくれる。
  • サマリーの生成。長文の内容も分かりやすくまとめてくれる。
  • 情報ソースの提示。ユーザーの質問に対して生成した回答に対して、その根拠となる情報ソースを表示する。アシスタントの回答の正誤を判断したり、より詳しい情報を得るための手助けとなる。
  • 重要な情報の抜き出し。長文のPDFから、重要な部分を素早く抜き出して提示する。
  • 利用目的にあわせた文章の生成。PDFの内容を 「AI Assistant」 にまとめさせ、その内容を利用して電子メールやプレゼンテーション、レポートなど利用目的にあわせた文章を生成する。

また、今後のロードマップとして、以下の機能が追加されることも挙げられている。

  • 多様なドキュメントタイプでインサイトを表示。複数のドキュメントから (ドキュメントの種類やドキュメントの情報ソースに関わらず) 最も重要な情報を即時に表示する。
  • AIによるオーサリング/編集/書式設定。初稿を迅速に作成し、コピー編集を支援する。口調やトーン、コピーの長さ、コンテンツのデザインやレイアウトなどを提案する。
  • Adobeの生成AIファミリーである 「Adobe Firefly」 「Adobe Express」 の主要機能がもたらされ、よりクリエイティブかつパーソナライズされたドキュメントを制作可能に。
  • AIレビュー機能によるドキュメントコラボレーション機能。ドラフトの作成から完成へと導くデジタルコラボレーション機能が、生成AI機能によってより簡単に。フィードバックやコメントを分析し、変更内容を提案。矛盾するフィードバックをハイライト表示することで、その解決をサポートする。

「AI Assistant」 は、「Acrobat」 のLiquid Modeと同じく人工知能と機械学習モデルを活用して作られた機能だ。これらの独自モデルは、PDFの構造や内容を深く理解することで、生成する文章の品質や信頼性を高めている。

また、信頼性の点においては、「AI Assistant」 はアドビのAI倫理プロセスに沿って、LLM非依存のアプローチで開発されているとのこと。また、大企業向けにはエンタープライズグレードのセキュリティと情報ガバナンスが利用できるため、個人および大企業を含むすべてのユーザーが安心して利用できるとしている。

「AI Assistant」 機能は、まずはベータ版としてデスクトップ版の 「Acrobat」 や、WEB版の 「Acrobat Standard/Pro」 および法人のサブスクリプションプランで提供を開始し、グローバルのコミュニティに向けてテストを実施していく。今後数週間でデスクトップ版の 「Acrobat Reader」 にも提供が開始される予定だ。前述したとおり当初は英語のみでの提供となるが、今後他の言語についても対応を予定している。

そして、ベータ版が終了した時点で、「Acrobat」 「Acrobat Reader」 のユーザーは、新しいアドオンサブスクリプションプランを通じて、「AI Assistant」 のすべての機能が利用できるようになる予定になっている。

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(画像提供:アドビ株式会社)