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RAVPower FileHub RP-WD009 レビュー | モバイルバッテリーや無線ルーターにもなる多機能ワイヤレスカードリーダー

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7月8日、RAVPowerは新製品 「FileHub RP-WD009」 を発売した。同製品はAmazonで購入可能。発売時の販売価格は6,999円(税込)だが、発売記念セールで今なら25%オフで購入可能だ。

「FileHub RP-WD009」 は、一言で言うと多機能ワイヤレスカードリーダー。スマートフォンなどのデバイスに入っているデータをワイヤレスで共有・保存ができるファイルハブ機能やWi-Fiルーター機能、モバイルバッテリー機能など複数の機能を搭載しているのが特徴だ。

今回は発売前に同製品のサンプルを提供してもらい事前に試すことができたので、当記事で 「FileHub RP-WD009」 の特徴をじっくりお伝えしていきたい。

「FileHub RP-WD009」 の製品デザインをチェック

今回紹介する 「FileHub RP-WD009」 の本体はこちら。手の平大ほどのサイズで、一般的なモバイルバッテリー(バッテリー容量10000mAh程度)と同じくらいのサイズ感と言えば、大きさは伝わるだろうか。

電源ボタンは本体側面にある。分かりやすく電源マークが大きく描かれているボタンがそれだ。こちらのボタンを押すことで電源をオン・オフできる。

「RAVPower」 のロゴが入ったおもて面には各種インジケーターが並んでいる。左から順にインターネットインジケーター、Wi-Fiインジケーター、5Gインジケーター、SDカードインジケーター、バッテリーインジケーターとなっていて、点灯や点滅により、 「FileHub RP-WD009」 が現在どんな状態になっているのかを把握することができる。

インターネットインジケーター
表示 ステータス
白色に点灯 インターネット接続中
消灯する インターネット切断中
Wi-Fiインジケーター
表示 ステータス
点滅 開始/起動中
点滅停止 接続中
完全点灯 Wi-Fiに接続
5Gインジケーター
表示 ステータス
点灯 5GHz Wi-Fiに接続
SDカードインジケーター
表示 ステータス
白色点灯 SDカードが挿入されている
白色点滅 SDカード読み込み中/書き込み中
赤色点灯 バックアップできない、エラー発生
バッテリーインジケーター
表示 ステータス
白色点灯 30%以上
赤色点灯 30%未満
赤色フラッシュ点滅 10%未満
2秒ごとに点滅 充電中
0.5秒ごとに点滅 シャットダウン中

電源ボタンがある面のちょうど裏側の面には2.4G/5G切り替えボタンとSDカードスロット、SD to USBバックアップボタンの3つが搭載されている。

2.4G/5G切り替えボタンは主にWi-Fiルーター機能の使用時に使い、3秒間の長押しで出力するWi-Fiの帯域を2.4GHz帯または5GHz帯に変更できる。もしくは2.4GHz帯と5GHz帯の両方を出力することも可能だ。

そして、多くの人が聞き慣れないであろう 「SD to USBバックアップボタン」 について。こちらのボタンは、1回押すことで本体に挿入されているSDカード内のデータをUSB-Aポートに接続しているUSBストレージやHDDドライブにコピーする。

SDカードスロットは最大2TBまでのSDカードに対応。デジカメやAndroidスマートフォンに使用しているSDカードなら大抵が認識できる。

そして、電源ボタンSDカードスロットがある側面とは異なる面に各種USBポートが用意されている。カバーを開くと、USB-AポートとUSB-Cポート、イーサネットポートの3つにアクセスできる。

USB-Aポートは最大4TBまでのUSBストレージやHDDドライブが認識可能。フォーマットはFAT32/exFAT/NTFSに対応している。

注意が必要なのはUSB-Cポートだ。USB-Cポートは一般的にはデータ転送と電源供給のどちらもこなすポートであることが多いが、「FileHub RP-WD009」 においては本体バッテリーを充電する用途でしか利用できない。USB-Cポートを使ってのデータ転送はできないのでその点だけ注意しておこう。

また、同製品には6700mAhのバッテリーが搭載されており、モバイルバッテリーとしても使うことができるが、他の機器を充電できるのはUSB-Aポートのみ。USB-Cポートから他の機器を充電することはできないのでこちらも注意だ。

付属品一覧。ケーブルはUSB-A to USB-Cケーブル

「FileHub RP-WD009」 ができることとは?

「FileHub RP-WD009」 には以下の3つの機能が搭載されている。

搭載されている機能

  • Wi-Fiルーター機能
  • ファイルハブ機能
  • モバイルバッテリー機能

Wi-Fiルーター機能

Wi-Fiルーター機能には3つのモードが用意されている。

そのひとつがアクセスポイントモード。同製品にLANケーブルを接続することで、簡単に有線LAN環境を無線LAN環境に変えることができるというものだ。主に、Wi-Fi環境のないホテル (最近はだいぶ少なくなってきたが) などで役立つだろう。

また、特定のWi-Fiネットワークを他デバイスに共有するブリッジ機能も搭載。役に立つ場面は、ひとつのWi-Fiネットワークに対して1台のデバイスしか接続できないような時。あまり遭遇する機会は少ないが、そういった環境でも 「FileHub RP-WD009」 であれば複数デバイスをネットワークに接続させることができる。

  • アクセスポイントモード
    LANケーブルを本体に直接接続せず、有線ネットワークをワイヤレスインターネット環境にする。
  • ブリッジモード
    特定のWi-Fi環境に 「FileHub RP-WD009」 経由で接続できるブリッジモードを搭載。接続制限されているWi-Fiや複数の端末にパスワードを設定する手間などから解放される。
  • ルーターモード
    モデムに接続することで通常のルーターとして機能。

RAVPowerによると、同製品のネットワーク規格はIEEE 802.11ac / 802.11nに対応。2.4GHz帯で最大300Mbps、5GHz帯で最大433Mbpsの高速通信に対応し、両ネットワークを同時に利用できれば最大733Mbpsの通信が利用できる。

ただし無線LAN環境を共有するブリッジモードについてはやや通信速度が遅い印象を受けた。テストした環境によるとは思うのだが、通常50Mbps程度の通信環境を提供するネットワークに繋いだ時に転送速度が1Mbpsを切ってしまった時がある。もし、これが低速なホテルのネットワークだった場合、相当遅いネットワーク環境になってしまう可能性がある。

もちろん、環境によってはそれなりの速度が出ることもあるのだが、もとよりネットワーク通信は何らかの製品を経由すると通信速度は大元から結構速度が落ちてしまうもの。それは  「FileHub RP-WD009」 も同じだ。様々なテストをした結果から、筆者は同製品のネットワーク機能はビジネスホテルなどで有線環境しかない場合にのみ使おうと思っている。

ちなみに、同製品のネットワークのパスワードの初期値は 「11111111」 。パスワードは専用アプリ 「RAV FileHub」 から変更することが可能。Wi-Fiネットワークのセキュリティは、WPA-PSK/WPA2-PSKが利用できる。

ファイルハブ機能

ファイルハブ機能は本製品の最も重要な機能。本体に搭載されているSDカードスロットやUSBポートに外部メディアをつなぐことで、スマートフォンやタブレット、PC間でデータ転送が可能になるというものだ。データの転送はWi-Fi経由で行うためケーブルなどで接続する必要がなく、家族や友人とデータの共有も簡単であるという点が魅力となる。

接続できる外部メディアは、SDカードやUSBフラッシュストレージ、外付けHDDなど。データの転送はアプリだけで簡単にできるため、難しい設定をしたり、特別な操作をする必要は特になし。iPhoneに入っているデータを 「RAV FileHub」 に接続したストレージに入れたり、その逆もまた簡単だ。

この機能があれば、旅行先でスマートフォンの本体ストレージの容量が足りなくなった時にデータを転送してストレージの容量を空けたり、一眼レフカメラなどで撮影した写真をすぐにSNSにアップすることができるだろう。またビジネスユースであれば外部ストレージに保存したデータをチームで共有することもできるはずだ。ちなみに、接続できるデバイスの最大数は5台までとなっている。

SDカードはカチッと音がするまで差し込む

データ転送速度はかなり高速。iPhoneに入っている写真を1枚転送するのにわずか数秒で完了してしまう。ただし、個人的に気になるのは大量の写真を一気に転送する時の転送速度。100枚を超える写真を転送しようとすると1枚30秒程度かかってしまう。

もし旅行などで観光地の写真をたくさん撮影した場合は、それだけ転送に長い時間がかかる可能性がある。ワイヤレスで、しかもいつでもどこでもデータ転送をできるのはとても便利だが、大量のデータを転送する場合は少しずつ小分けにして転送するといいようだ。

モバイルバッテリー機能

最後は同製品のモバイルバッテリー機能について。

「FileHub RP-WD009」 は内蔵されているバッテリーを、モバイルバッテリーとして使用することができる。iPhoneなどスマートフォンのバッテリー残量が少なくなってきた時はケーブルを使って充電することが可能だ。

内蔵バッテリー容量は6,700mAh。iPhone XS/XS Maxなどの最新スマートフォンでも最低でも1回は充電できる量が用意されているため、「FileHub RP-WD009」 の機能を使いながらスマートフォンを充電することができる。ちなみに、この大容量バッテリーのおかげで 「FileHub RP-WD009」 は最大8.4時間の連続使用 (スタンバイ時は最大14.5時間) ができるようになっている。

スマートフォンを充電するためのポートは本体側面に隠されているUSB-Aポートで行う。出力は最大7.5W (5V/1.5A) に対応するため、一般的なモバイルバッテリーと同じくらいの性能になっている。ちなみに、USB-Aポートの隣にはUSB-Cポートが搭載されているが、これはあくまで内蔵バッテリーを充電するためのもので、残念ながらスマホを充電したりデータ転送に使用することはできない。

まとめ

「FileHub RP-WD009」 は、Wi-Fiルーター機能やファイルハブ機能を搭載した多機能ワイヤレスカードリーダーだ。製品の性質上やや玄人向けの印象を受けたが、ケーブルレスでデータ転送したり、ネットワークを拡張する程度であれば高度な設定はほぼ必要としないため、あまり機械が得意でない人でも使えるようになっている。搭載されている機能もとても便利だ。

ただし、個人的にはまだまだ改良の余地があるとも感じている。例えばデータ転送やネットワーク速度。そしてアプリの挙動。通信速度やデータ転送速度については記事内で述べたとおり、使い方や環境によって低速になってしまうことも多いため、どんなシチュエーションでも快適に使えるようにするためにはさらなる改良が必要だろう。

アプリの挙動については、日本語への対応が少し怪しいところがあること、SDカードにiPhoneやiPadのデータを選択してバックアップを取ろうとするとアプリケーションが落ちてしまうことがあるなど、こちらも改善が必要だろう。アプリに関してはソフトウェアアップデートによって改善できると思うため、今回のレビュー記事公開と同時にRAVPower側にフィードバックを送るつもりだ。

あと個人的には、せっかくUSB-Cポートを搭載したのであれば電力の出力機能とデータ転送機能にも対応してほしいとも思った。もしこれらに対応できれば 「FileHub RP-WD009」 は2台同時にデバイスを充電できるようになるだろう。さらにUSB-PDにも対応できたらiPad Proなど高出力が必要なデバイスとの相性も良くなるはずだ。

今回のレビューはやや辛口になってしまったが、個人的には 「FileHub RP-WD009」 には結構期待している。自宅外で作業する機会も多い筆者は、全国各地の施設に用意されているWi-Fiネットワークを使って作業をすることが多い。そんな時、「FileHub RP-WD009」 のブリッジモードがもっと良質なネットワークを供給できるようになれば、筆者のように自宅外で作業するユーザーの強い味方になれるはずだ。

現状でも不可能ではないが、「FileHub RP-WD009」 のブリッジモードを使って本格的な作業をするにはやや現実的ではなさそう。まだ今後しばらくテストしてみようと思うが、基本はアクセスポイントモードで使用することを前提にしようと思っている。これについては、今後の改善に期待したい。

ちなみに、これ以外の機能については十分に実用的な機能ばかり。外部ストレージといつでもどこでもワイヤレスで接続できること、さらにモバイルバッテリーとしても使えるという便利さは他社製品にはなかなか存在しないだろう。「FileHub RP-WD009」 の特徴に魅力を感じた方は購入してみてはどうだろうか。


「FileHub RP-WD009」 は本日7月8日からAmazonで販売が開始されている。

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AuthorNANA

東北出身の東京都在住(性別年齢は非公開)。趣味はガジェットいじり、旅行や料理、映画、ゲーム。イモリやサンショウウオが好きなので、家でよく愛でています。

同メディアで取り扱う情報は主にインターネットテクノロジー関連、AppleやGoogleなどの新製品やサービス。その他、今最も興味があるのは「VR/AR」「スマートスピーカー」。