Apple Watchの虹色バンドも今年で早くも3本目。Appleは2017年、2018年と続き、2019年もApple Watch向けプライドエディションバンドを発売した。
今年の虹色バンドは、「プライドエディション スポーツループ」 。昨年まではウーブンナイロンバンドだったが、ウーブンナイロンのバンドは昨年秋に廃止されているため、今年の虹色バンドはスポーツループバンドで登場することに。
筆者は毎年この虹色のバンドを購入してきたこともあり、今年も新バンドが出たため購入してみた。当記事では 「プライドエディション スポーツループ」 の紹介とともに、実際の使用感をレビュー記事としてお伝えする。これから購入しようとしている方の参考になればと思う。
濃いめの虹色カラーが特徴的な 「プライドエディション スポーツループ」
こちらが今年の虹色バンド 「プライドエディション スポーツループ」 のパッケージ。パッケージ表面に 「プライドエディション スポーツループ」 のイラストが描かれている以外は、他のApple Watch 用交換バンドと同じパッケージデザインが採用されている。
パッケージ自体は細長の白箱になっていて、ステッカーやメッセージカードなどの特別な同梱物・仕様は特になし。
パッケージから 「プライドエディション スポーツループ」 を取り出す。
今年の 「プライドエディション スポーツループ」 は全体的に色が濃いデザインが採用されていて、多数の種類が販売されているApple Watchバンドの中でもかなり派手なものになっている。
レインボーに採用されているカラーは赤、朱色、オレンジ、山吹色、黄色、緑、青、紫の全8色。これまでのプライドエディションバンドに比べて、色が2色増えたようだ。
スポーツループは、ウーブンナイロンバンドと違って上・下に分かれていない1本タイプだ。Apple Watchとバンドを固定するためのアダプター (ラグ) は片方がバンド先端に固定されていて、もう片方は遊革のように動くようになっている。それぞれをApple Watchに固定することで、Apple Watchを腕に装着することができる。
バンドの固定はベルクロタイプ。面ファスナーやマジックテープとも呼ばれる留め具で、着け外しはとても簡単だ。ただし外すときはバリバリと音がしてしまうため、少し安っぽさを感じることもある。
歴代のプライドエディションバンドと並べて比較してみた。左から2019年版、2018年版、2017年版となっていて、デザイン的には2017年モデルに近くなった印象を受ける。個人的には2018年デザインが最も好みだが、今年のような派手な虹色も決して悪くない。
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2019年のプライドエディションバンドはスポーツに最適
前述したように、今年の虹色バンドはウーブンナイロンバンドではなく、スポーツループバンドだ。スポーツループバンドはその名前の通り、スポーツ向けに特化したバンドになっている。
ウーブンナイロンバンドとスポーツループバンドは同じナイロンが使用されているが、ウーブンナイロンバンドはギチギチと硬く編み込まれていたのに対して、スポーツループはやや緩めに編まれていて伸縮性に優れている。
このおかげで、今年の 「プライドエディションバンド」 は肌触りがフワッと柔らかなものになっていて、腕に巻きつけた時も異物感が少ない。
また、スポーツユースなら通気性の良さも重要なポイントとなるが、スポーツループはその点バッチリ。
編み方がウーブンナイロンに比べてやや緩いためバンドを通過するように空気が入ってくる。さらに畝(うね)る網目と腕の間にわずかな隙間が生まれるため、バンドと腕の接地面に発生する蒸れを防止。運動時のストレスを軽減することが可能だ。
スポーツ向けバンドといえばシリコンバンドが真っ先に頭に思い浮かぶ人もいるかもしれないが、シリコンバンド以上にスポーツループバンドはスポーツに向いている。重量もわずか9グラムと軽く、なんと洗濯も可能(非公式) 。スポーツに最も適するバンドのひとつと言えるだろう。
スポーツループバンド | ウーブンナイロンバンド | シリコンバンド |
---|---|---|
9g | 12g | 26g |
ちなみに、筆者は 「Apple Watch Series 4」 のゴールドステンレススチールモデルを愛用しているが、予想以上に 「プライドエディションバンド」 は相性が良かった。
ステンレススチールとの組み合わせ
ブラックステンレススチールとの組み合わせ
そのほかステンレススチールやブラックステンレススチールケースのApple Watchに装着してみたが、ステンレススチールは相性抜群。ブラックステンレススチールは相性的にはそこそこという印象だった。
LGBTQ (性的マイノリティ) を支援するスポーツバンド
「プライドエディション スポーツループ」 は、LGBTQを象徴するレインボーフラッグをモチーフに制作されている。
そもそも、このレインボーフラッグを採用したApple WatchバンドはAppleがプライドパレードに参加する従業員向けに開発したのが始まりで、のちにそれが一般ユーザー向けに販売されたという経緯がある。最初に販売されたのは2017年。その後2018年に第2弾モデルが登場し、そして2019年6月にシリーズ第3弾が登場した形だ。
よって、この虹色のデザインにはLGBTQを支援する意味合いが含まれている。昨年モデルと同様に、米国のGLSEN、PFLAG、The Trevor Project、Gender Spectrum、The National Center for Transgender Equalityや、国際的に展開するILGAなどのLGBTQ支援団体に購入金額の一部が寄付される仕組みになっていて、このバンドを買うことで間接的にLGBTQの方々を支援することができるというわけだ。とても社会的意義のあるバンドとも言えるだろう。
装着はベルクロで
ただし、購入する側はそこまで深く考える必要はないだろう。この虹色のデザインが気に入ったら普通のファッションアイテムとして使うこともできる。実際、Apple Storeで 「虹色のデザインがカッコいいから買った」 と言っていた人もいるぐらい。
ただ、同バンドを購入するならぜひこのバンドが生まれた経緯は知っておいてほしいところだ。もちろん、LGBTQを支援するつもりで購入するのはAppleとしては大歓迎だろう。
まとめ:スポーツ向けとして生まれ変わった虹色バンド
「プライドエディション スポーツループ」 はAppleの製品の中でも唯一、LGBTQを支援できる製品だ。製品デザインも明るい虹色バンドで、少し派手めだが、使い方によってはオシャレを楽しむこともできるアイテムだ。
外すときにバリバリ言うこと、使用している素材の関係で他バンドに比べてややチープに見えなくもないが、スポーツループバンドということもあり、スポーツユースとしての性能は高い。
スポーツをする機会が多い方、これからの暑い季節に外でApple Watchを装着する機会の多い方は、今年の虹色バンドを購入してみてはどうだろうか。
ちなみに、プライドエディションバンドは発売から半年以内で販売が終了する期間限定バンドだ。今年はいつまで販売されるかは不明だが、早ければ今年9月の新型iPhone発表イベントで消える可能性があるため、購入する場合はぜひお早めに。
「プライドエディション スポーツループ」 はApple公式サイト・Apple Storeで販売されている。価格は5,800円(税別)。購入は以下のリンクからどうぞ。
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