AppleとQualcommの特許使用料の支払いを巡る係争が 「和解」 という形で幕を閉じた。Appleは同社との間で新しいライセンス契約を締結し、再びQualcommの通信チップがiPhoneに搭載されることになりそうだ。
4月16日、AppleはQualcommとの間で行われてきた訴訟を取り下げ、和解したことを発表した。同時に今年4月1日から特許使用ライセンスと複数年にわたるチップセットの供給契約ライセンスも新たに締結。
このライセンス契約は、今後6年間にわたって有効で、さらに2年間の契約延長オプション等も含まれるという。また、適用範囲は全世界で、米国などの一部地域に限定されるものではないという。Nikkei Asian Reviewが伝えた。
2020年には5G対応iPhoneが発売か
両者のライセンス契約が締結できたことによって、期待がかかるのはiPhoneの5G対応。これまで、Appleは5G対応のiPhoneの開発をしていると噂されてきたが、供給予定のIntelがチップセット開発に苦戦していることもあり、2019年はおろか2020年にも発売できるか怪しいものとされてきた。
しかし、Qualcommとの間でライセンス契約を締結できたことはAppleにとってもグッドニュースなはず。2019年の発売は難しそうだが、早ければ2020年には5G対応のiPhoneが発売できるとみられており、すでにAppleはQualcommの5G対応チップをテストしているという情報もある。
すでにSamsungなど多数のスマホベンダーが5G対応を発表していることから、Appleとしてはこれ以上ライバルに差をつけられるわけにはいかないだろう。Qualcommとの間でどのような協議が行われたのかは不明だが、少なくともQualcommが全面的に折れたわけではないとみられる。ちなみに、AppleはQualcommに対して70億ドルにのぼるライセンス料を支払う見通しだ。
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