現行のiOSでは、搭載するバッテリーが劣化した際、プロセッサの性能を意図的に低下させることによって、iPhoneの意図しないシャットダウンを防ぐ仕様が搭載されている。しかし、この仕様を、Appleはユーザーに十分に説明していなかったことから批判が集まっており、国によっては訴訟に発展しているケースも。
これらの批判を受けて、Appleは低下した性能を元に戻しやすくするために、バッテリーの交換を大幅に割引した。さらに、今後のiOSアップデートで、iPhoneのバッテリー状況を確かめる機能が搭載されることも明らかになっている。
性能低下を意図的に「オフ」にする機能が3月にリリース
ABC Newsは現地時間17日、AppleのCEOティム・クック氏にインタビューを実施した。その中で、クック氏は同問題を解決するための今後の対応について明らかにしており、まずはiPhoneのバッテリー状況を確かめる機能については、今年2月に開発者向けのベータ版で提供を開始することを発表している。
そして、同機能の他にも、バッテリー劣化を感知した際に処理能力を低下させる機能を、任意で「オフ」にできる機能を搭載する予定であるとのこと。
これらの機能は先行して開発者にリリースされる予定となっているが、一般ユーザー向けに今年3月にリリースされるスケジュールになっているとのこと。おそらく「iOS 11.2.6」あるいは「iOS 11.3」のリリースに合わせて搭載されるのではないだろうか。
ただし、Appleがプロセッサの処理能力を意図的に低下させていた理由は、iPhoneの買い替えを促すためではなく、デバイスの意図しないシャットダウンを防ぐため。
つまり当然ながら、安全にiPhoneを使い続けたいのであれば、性能低下を「オフ」にするのはやめておいたほうがいい。ティム・クックCEOもインタビュー内で「推奨はしない」と述べている。
ちなみに、冒頭でも少し触れたようにバッテリー劣化によって処理性能が低下するという現象は、バッテリーを新品に交換することで、一時的に元に戻すことができる。
Appleは今年1月から12月まで、バッテリーの交換費用を値下げ(8,800円→3,200円)しており、持ち込みあるいは郵送で交換に応じてもらえる。処理が遅くなってきたことを実感しているなら、まずはバッテリーの交換をお願いしてみてはどうだろうか。
ただし割引価格でのバッテリー交換は1回限りとなっているので、交換するタイミングは慎重に。
[ via The Verge ]