Appleは2018年末に、iTunes Storeで音楽のダウンロード販売を終了すると一部メディアが伝えていたが、この噂はどうやら事実ではなかった模様。
この情報は米メディアのDigital Music Newsが伝えていたもので、Appleは音楽の販売事業を、定額制音楽配信サービス「Apple Music」に完全移行させるとの噂。2016年からこの計画はスタートしており、その移行は2018年末に実施されると予想されていた。
しかし、この同情報を受けた米メディア9to5MacがAppleに対して問い合わせたところ、Appleは「それは事実ではない」とコメントし、同噂を否定している。
AppleはiTunes Storeでの音楽ダウンロード販売終了の噂を否定
ただし、この否定を受けてもDigital Music Newsは主張を曲げていない。「とある情報源の話では、AppleはiTunes Storeでの音楽販売事業を終了する計画は存在するだけでなく、当初のスケジュール通り、あるいはそれよりも早く実施する予定である。」と伝えている。
仮にDigital Music Newsの情報が正しいならば、iTunes Storeで購入した楽曲はどのような扱いになるのだろうか。
同メディアによると、iTunes Storeでの音楽販売事業が終了したとしても、iTunesで購入したコンテンツはApple Musicで利用することができるとのこと。Apple Musicで利用できない楽曲に関しては、一時的にグレーで表示され再生することができないようになるものの、コンテンツの権利を持つ会社とAppleがライセンス契約を結ぶことによって、再度利用できるようになるという。
この噂が本当かどうかは分からないが、少なくともApple自身は否定していることから、移行の可能性は少し減ったと考えていいだろう。しかしながら、Spotifyなどライバルの音楽配信サービスと戦うためには、iTunes Storeのユーザーを「Apple Music」のユーザーに変えてしまう、という戦略もありえない話ではない。
ただ音楽を買い切り制で楽しみたいユーザーにとって、「Apple Music」は必ずしも最適なサービスとは言えず、Apple Musicにユーザーをシフトすることは簡単なことではないはずだ。
また、音楽配信サービスに対して否定的な考えを持っているアーティストも多いことから、ライセンス契約の拡大は難しくなる可能性も高い。実現への道のりはかなり難しいものになるだろう。
Appleは同噂を直接的に否定しているが、真相は定かではない。Appleはこの荊(イバラ)の道を突き進んでいるのか、iTunes Store利用者にとって今後の注目ポイントになりそうだ。