米Appleが、ワイヤレス充電技術を持つニュージーランド企業のPowerbyProxiを買収した。10月25日、ニュージーランドメディアのStuffが報じている。買収額は不明。
PowerbyProxiは、2007年にオークランドのFady Mishriki氏が設立した比較的新しい企業で、ワイヤレス充電に関するソリューションを提供してきた。ワイヤレス充電で発生する熱や過電圧を対処するための技術に関する複数の特許を持つ技術力のある企業だ。
今回の買収にあたって、Appleのハードウェアエンジニアリング担当上級副社長のDan Riccio氏は、「Appleがワイヤレスの未来を創り出すために、PowerbyProxiの開発チームは貢献してくれるだろう。われわれは世界中のより多くの場所やより多くの顧客に、ワイヤレス充電による簡単な充電方法を提供したいと考えている」とコメントしている。Appleが、企業買収に関してコメントすること自体珍しいことだ。
また、PowerbyProxiの設立者であるFady Mishriki氏も「Appleの一員になれて嬉しい。世界的なワイヤレス充電のイノベーションに協力できることに興奮している」とコメントしている。
Appleは、「iPhone 8 / 8 Plus」でiPhone史上初めてワイヤレス充電に対応。端末背面にコイルを内蔵させたことで、Qiに準拠した充電器にかざしてバッテリーを充電することが可能になった。
iPhoneに同充電機能が搭載されたことによって、ワイヤレス充電の注目度は高まっている。Appleは「Apple Watch」でワイヤレス充電機能を搭載した製品を初めて送り出し、来年にはワイヤレスイヤホン「AirPods」にも同充電機能を搭載する予定。
今回の買収の目的は謎(おそらく特許の権利を取得するため)だが、もしかしたら将来的に他製品にもワイヤレス充電機能が搭載されることになるのかもしれない。
[ via AppleInsider ]