現地時間9月12日、Appleは新製品発表イベントを開催し、Apple Watchシリーズの最新モデル「Apple Watch Series 3」を発表した。
かねてから噂されていた新型モデルの正体は、プロセッサの性能を向上させ、LTE通信による単独通信が可能になったアップグレードモデル。従来の「Apple Watch Series 2」のラインナップを置き換える形で販売される。
同モデルの発表時、当サイトでは速報記事として発表内容まとめを掲載したが、発表イベントの後にはApple公式サイトに製品ページが公開されており、スペックなどの詳細が判明している。
当記事では、単独通信が可能になりますますパワフルになった新型モデルの特徴を掘り下げ、旧モデルとの比較についても触れていきたいと思う。「Apple Watch Series 3」の購入を検討している方に参考になれば幸いだ。
「Apple Watch Series 3」の最大の特徴はセルラー通信ができるようになったこと
今回発表された「Apple Watch Series 3」は、新たにLTE回線を使った単独通信ができるようになった。これによって、iPhoneが近くにない状態でも通信することができ、メッセージの送受信や通話、「Apple Music」の再生などができるようになっている。
画面の下にアンテナが仕込まれておりLTEの電波を拾う仕組みで、本体内部には従来のSIMカードの100分の1以下のサイズの「eSIM」が内蔵。ワイヤレスでキャリアとのアクティベートを完了できる。
回線はLTEの他にUMTSにも対応しているが、日本国内では主にLTEを使用することになるだろう。日本のキャリアでは唯一、NTTドコモだけがUMTSに対応するとアナウンスしている。
ちなみに各キャリアは昨日、「Apple Watch Series 3」用の特別なプランを発表している。それぞれのプランと利用料金は以下のとおり。
キャリア | サービス名 | 月額料金(税別) |
---|---|---|
NTTドコモ | ワンナンバーサービス | 500円 |
au | ナンバーシェア | 350円 |
ソフトバンク | 名称未発表 (9/14時点) | 350円 |
また、これらのサービス開始に合わせてキャンペーンも実施される予定。詳細は以下のとおり。
キャリア | 登録手数料 | 各種キャンペーン |
---|---|---|
NTTドコモ | 500円/回 | 2018年3月31日までの申込で登録手数料無料&月額料金が初回180日間無料 |
au | 無料 | 2018年12月31日までの申込で月額料金が6ヶ月間無料 |
ソフトバンク | 無料 | 未発表 |
「S3」プロセッサと「W2」カスタムワイヤレスチップの搭載でスペックが向上
「Apple Watch Series 3」は単独通信機能の他に、もうひとつ大きな進化を遂げている。それは基本スペックの向上。
「Series 2」の時に搭載されていた「S2」プロセッサから、より高速なデュアルコア「S3」プロセッサに置き換わり、アプリの起動やグラフィックの表示が70%高速化。
さらに、「AirPods」に搭載された「W1」カスタムワイヤレスチップの後継「W2」が搭載されたことで、Wi-Fi接続が85%高速に、BluetoothとWi-Fi接続時の電力効率も50%向上している。
そして、新たに気圧高度計も搭載し、階数の上り下りや屋外のワークアウトなどのアクティビティで、高度の上昇レベルを記録することができるようになった。また、内蔵スピーカーでSiriが話すようになるなど少し嬉しいアップデートも。
その他の特徴は、ほぼ「Apple Watch Series 2」と同じ。「Apple Pay」や「Suica」を利用できるのはもちろん、高い防水性能も引き続き利用することが可能だ。
「Apple Watch Series 3」のバッテリー持ちは最大18時間、単独通話状態で1時間程度
新型モデルで性能が向上したのは嬉しいことだが、ここで気になるのは、ウェアブル端末で最も重要なバッテリー持ちについて。
結論から言うと、「Apple Watch Series 3」のバッテリー持ちは従来モデルとほぼ変わらず。通常のバッテリー駆動時間は最大18時間で、朝充電が完了してから出かけて、夜に家に帰ってきた頃までは余裕で持つレベル。またオーディオを再生し続けた状態でも最大10時間の駆動時間となり、ウェアラブル端末としてはまずまずのバッテリー持ちになっている。
ただ、気をつけてほしい点がLTE通信を使用した状態での通話やワークアウトを行った時のバッテリー駆動時間。まず、LTE通信で通話を行なった場合のバッテリー駆動時間は約1時間とかなりバッテリーを消費するようだ。また、iPhoneと接続した状態で通話した場合でも最大3時間とバッテリー持ちがガックリと悪くなる。
また、iPhoneと接続せずにワークアウトをした場合の駆動時間は最大4時間。こちらも1日を通した運動はできないため、近所を走ったり、ウォーキングする程度のちょっとした運動以外であればiPhoneと一緒に持ち歩く方が無難だろう。
価格や予約開始日、発売日についてのまとめ
「Apple Watch Series 3」の価格と発売スケジュールについて確認しておきたい。「Apple Watch Series 3」には大きく分けると以下の4つのモデルが用意されている。
Apple Watch Series 3
まずは、通常の「Apple Watch Series 3」。このモデルは他のメーカーとのコラボは一切なく、Apple純正バンドとケースを組み合わせたモデルとなる。
「GPS+セルラーモデル」と「GPSモデル」の2種類が用意されており、「GPS+セルラー」モデルはアルミニウムケースモデルで45,800円(税別)から、ステンレススチールモデルで64,800円(税別)から提供される。
また、「GPSモデル」はアルミニウムケースのみとなっており、一番安いモデルで36,800円(税別)から購入することが可能だ。
「Apple Watch Nike+」&「Apple Watch Hermès」
次に、「Apple Watch Nike+」と「Apple Watch Hermès」。こちらは、NikeやHermèsとのパートナーシップで生まれたコラボモデルで、「Apple Watch Nike+」はスポーツ向け、「Apple Watch Hermès」は高級ファッション向けとなっている。
「Apple Watch Nike+」は全モデルがアルミニウムケースとなっており、36,800円(税別)から購入することが可能。「Apple Watch Hermès」はステンレススチールケースのみとなっており、129,800円(税別)から購入することができる。
Apple Watch Edition
最後に、「Apple Watch Edition」に関して。「Apple Watch Edition」は、「Apple Watch Series 2」の時代からセラミックモデルが登場しているが、「Series 3」からはグレイセラミックモデルが登場している。目が覚めるような高級感あふれる特別なケースモデルだが、どちらも139,800円(税別)から購入可能。
価格をまとめた表が以下のとおり。ちなみに、昨年登場した廉価モデル「Apple Watch Series 1」も引き続き販売される。価格も従来と変わらず。
モデル | 通信 | 価格 |
---|---|---|
Apple Watch Series 1 | – | 38mm:27,800円〜 42mm:30,800円〜 |
Apple Watch Series 3 | GPS | 38mm:36,800円〜 42mm:39,800円〜 |
Apple Watch Nike+ Series 3 | GPS | 38mm:36,800円〜 42mm:39,800円〜 |
Apple Watch Series 3 | GPS + Cellular | 38mm:45,800円〜 42mm:48,800円〜 |
Apple Watch Nike+ Series 3 | GPS + Cellular | 38mm:45,800円〜 42mm:48,800円〜 |
Apple Watch Hermès Series 3 | GPS + Cellular | 38mm:124,800円〜 42mm:129,800円〜 |
Apple Watch Edition Series 3 | GPS + Cellular | 38mm:139,800円〜 42mm:144,800円〜 |
「Apple Watch Series 3」は9月15日(金)に予約受付が開始、そして9月22日(金)に発売する。ただし、「Apple Watch Nike+」のみ発売が10月5日になっているので、その点は注意してほしい。
・Apple Watch Series 10
・Apple Watch Ultra 2
・Apple Watch SE
・Apple Watch Nike
・Apple Watch Hermès
▶︎ Apple公式サイトでApple Watchアクセサリをチェック
・ストラップ (バンド)
・ヘッドフォン・スピーカー