ソフトバンクは、2013年に買収した米大手通信会社を手放すつもりなのかもしれない。
ロイター通信が、ソフトバンクグループが保有するSprintの経験を、ドイツテレコム傘下のT-Mobile USに譲渡する計画であることを報じている。
親会社のドイツテレコムと4月以降に交渉開始か
ソフトバンクが保有するSprintは、アメリカ国内で業界4位のとてつもなく大きな会社だが、今回ソフトバンクが経営権を譲渡しようとしているT-Mobile USはそれよりも大きい業界3位の企業だ。
匿名からの情報によると、ソフトバンクはSprintの米国内の業績に関して不満を抱いており、Sprintの経営権を売却し、代わりにT-Mobileの少数株を保有したがっているとのこと。ソフトバンクは、SprintとT-Mobileの合併につなげる予定であるとみられており、今後の動きに業界関係者の注目が集まっている。
[ via Mike Mozart ]
ロイターによると米連邦通信委員会(FCC)が電波の周波数帯の入札中は競合会社間の接触を禁じているため、ソフトバンクはまだドイツテレコムと交渉を始めていない状況であるとのこと。これらの入札が終わる4月以降に、この2社が交渉を開始する可能性があるようだ。
ただ、一方で先日ソフトバンクの2017年第3四半期決算発表会で、孫正義社長がSprintの現状について触れていた。同発表会で孫氏は「Sprintが今後の成長の牽引役になる」と話していたことから、今回の報道と辻褄が合わないことになる。
しかし、2014年にはSprintはT-Mobile USの買収で大筋合意した経緯もある。当時は米規制当局の承認が得られないとの見方から白紙に戻ったこともあるように、ソフトバンクがT-Mobileを欲しがっているのは間違いではなさそう。
孫社長の腹心がどうかは定かではないが、今後SprintとT-Mobile USの間で大きな動きがあるかもしれない。日本向けに提供している「アメリカ放題」がどうなるのかについても関係する可能性があるので、日本のソフトバンクユーザーも今後の情報には注目だ。
[ via 日本経済新聞 ]