先日、任天堂は新型据え置きハード「ニンテンドースイッチ」の予約受付を開始。3月3日にはゲーマーの手に届く手筈が整ったわけだが、同社はすでに新型携帯型ゲーム機の開発に着手しているのかもしれない。
SMBC日興証券の株式調査部シニアアナリストの前田栄二氏によると、任天堂は新型携帯ゲーム機の開発を行っており、2018年には同ハードが登場する見込み。
新型携帯ゲーム機の将来像は「ニンテンドースイッチ」の売れ行き次第
前田氏によると、任天堂の過去の製品サイクルから、2017年に携帯型、そして2018年に据置型の新型ゲーム機が登場するはずだった。だが、「Wii U」が失敗したことにより、前倒しで新型据え置き機の開発に着手する必要があった。その端末が「ニンテンドースイッチ」だ。
つまり、過去の製品サイクルを参考にすると任天堂はすでに新型携帯ゲーム機の開発に着手しているはず。しかもリリースは2018年になるとのことだ。
だが、「ニンテンドースイッチ」の登場のおかげで、携帯ゲームのあり方が問われているという。というのも、「ニンテンドースイッチ」は据え置き機でありながら、持ち運びに対応する。すでに携帯ゲーム機のポジションを食ってしまっている状況だ。
もし、「ニンテンドースイッチ」が好調で、テーブルモードや携帯モードの利用者が多くなった場合は、任天堂は据え置き機と携帯ゲーム機の統合も視野に入れる必要があるという。
もしそうなった場合は、ディスプレイサイズを「ニンテンドースイッチ」の6.2インチよりも、5インチに小さくした小型・軽量化端末の開発も考えられる。そして、子供が落としても壊れないように頑丈な作りをした「Switchスリム」という名称のゲーム機が登場する可能性もあると、前田氏は指摘する。
小型ゲーム機の一番大事な点はバッテリー持ち。「ニンテンドースイッチ」は最大でも3時間程度しかバッテリーが持たず、外出先でプレイするにはいささかパワー不足。これは、ニンテンドースイッチの画面サイズや処理性能が関係しているのだが、これを「Switchスリム(仮)」に求めるのは難しい。
だが、搭載されるディスプレイが小型化することで、デバイスの消費電力が少なくなる。しかも、高い処理能力を必要としないため、消費電力の低いプロセッサを搭載することが可能だ。
画質は落ちるかもしれないが、「ニンテンドースイッチ」のゲームを「Switchスリム」に移植することは不可能ではないという。
「ニンテンドースイッチ」は僕も予約したが、日本では思いのほか販売台数が好調だったように思える。
ただ、「ニンテンドースイッチ」の未来が明るいかと言われたら、そうとは言えないかもしれない。なぜなら、同ゲーム機には魅力的なローンチタイトルがまだまだ少ないから。実は、任天堂は「Wii U」の時と同じ失敗をしようとしているのだ。
「ニンテンドースイッチ」の成功のためには、タイトル数の増加は必要不可欠。なのに現状、注目されているタイトルは「ゼルダの伝説 ブレス・オブ・ワイルド」「スーパーマリオオデッセイ」「マリオカート8」「スプラトゥーン2」ぐらいとかなり少ない。
昨日、「オーシャンホーン」がリリースされることが発表されたが、それでもユーザーは「ニンテンドースイッチ」を堪能できるほど、コンテンツが豊富だとは言えないだろう。
もし、「ニンテンドースイッチ」が発売後も売れ行きが良かったら、新型小型ゲーム機の姿は「ニンテンドースイッチ」の小型版になる可能性も十分にある。つまり、どんな新型携帯ゲーム機が登場するかについては、「ニンテンドースイッチ」で今後リリースされるタイトル次第となる可能性が高いということだ。
[ via IT速報 ]