大手キャリアがスポーツ中継配信サービスの分野に参入し、ユーザーの流出阻止や新規契約者の獲得に本腰を入れている。
NTTドコモは英パフォームグループと提携し、ユーザーに対してスポーツ中継サービスの提供を開始することをNHKが報じている。
ドコモユーザーは「DAZN」のサービスを割安で利用できるように
NTTドコモが提携するパフォームグループは、イギリスの大手動画配信企業で、アメリカのメジャーリーグやドイツの「ブンデスリーガ」などの多数の放映権を所有する大きなメディア。
NHKによると、NTTドコモがパフォームグループと提携することで、ユーザーに対して「DAZN」のサービスを大幅に割り引いて提供できるように。現在、月額1,750円(税抜)で提供している「DAZN」が、もっと安い値段で利用できるようになる。
パフォームグループは、昨年に日本の「Jリーグ」の放映権を約2,100億円で獲得。2017年から動画配信アプリ「DAZN」でJ1、J2、J3のライブ配信を行なう予定だ。
また、メジャーリーグなど130種類のスポーツ中継を行う予定で、「DAZN」加入者はこれら全てを視聴できる。コンテンツはかなり豊富だ。
ドコモは「DAZN」のサービスを安く提供することでコンテンツの幅を広げ、契約者数の新規獲得、または囲い込みをする狙いがある。最近では、MVNO(格安SIM)事業者に顧客が流れる傾向にあり、NTTドコモに限らず、大手キャリアとしてはこの流れを食い止めたいところ。
ちなみに、すでにソフトバンクは「DAZN」のようなスポーツ中継アプリ「スポナビライブ」をユーザーに対して安く提供している。
この「スポナビライブ」を利用するには、通常3,000円(3月まで1,500円)の利用料が必要だが、ソフトバンクユーザーに限り月額500円の格安料金で日本のプロ野球やアメリカのメジャーリーグ、ヨーロッパサッカーの「リーガ・エスパニョーラ」や「プレミアリーグ」などの試合が全て見放題になる。
大手キャリアも顧客の囲い込みに必死。先日、ドコモはカケホーダイプランの見直しを行っており、最低料金を1,000円安く設定することを発表した。月々の利用料金だけでなく、サービスの拡充など、モバイル通信事業者を取り巻く環境は激化の一途を辿っている。