
ゲーミングスマートフォンブランドのREDMAGIC(レッドマジック)は、10月11日に中国・深圳で開催された「REDMAGIC Gaming and Liquid Cooling Technology Conference」で、世界初となる量産型の液冷システムを発表した。
さらに、次世代の空冷システム「Turbo Fan 4.0」や、新フラッグシップ「REDMAGIC 11 Proシリーズ」の概要も公開した。
AIサーバー技術を応用した“量産型液冷スマホ”が誕生

REDMAGICが発表したのは、スマートフォン向けとしては世界初となる量産型の液冷冷却システムだ。これまでデスクトップPCやAIサーバーなどの大型機器でしか実現できなかった液体冷却を、スマートフォンサイズに落とし込んだのが最大の特徴となる。
冷却ユニットを端末内部に組み込み、CPUやGPUなど発熱の大きい部品を直接冷却することで、長時間のゲームプレイ時でも性能低下を防ぐ仕組みだ。
新しい液冷システムは、AIサーバーにも使われるフッ素系の冷却液を採用。絶縁性と熱伝導性に優れ、-40℃から70℃まで安定動作するという。従来の冷却液では対応が難しかった極端な温度環境でも、パフォーマンスを維持できる点が特徴だ。

液冷システムをスマートフォンサイズに収めるため、REDMAGICは3つの技術的課題を解決した。
1つ目は圧電セラミックマイクロポンプの小型化。数千回の設計試作を重ね、超薄型ながら安定した循環を実現。2つ目はマイクロスケールの流路構造。ミクロン単位のレーザー加工によって、冷却液の流れを妨げない精密チャンネルを内蔵。3つ目は耐衝撃構造の強化。低温接合と新開発の防穿膜を組み合わせることで、数万回の落下試験にも耐える量産設計を確立した。
冷却構造はCPUを中心にしたデュアルトラック放熱構造を採用し、4D VCヒートシンクと連動。液冷と空冷を組み合わせることで、長時間の高負荷環境でも性能を維持できるよう設計されている。
新型「Turbo Fan 4.0」や次期フラッグシップ機「REDMAGIC 11 Pro」も登場予定
REDMAGICは同時に、空冷機構の新バージョン「Turbo Fan 4.0」も発表。最大24,000rpmで回転するファンと大型のエアダクトを組み合わせ、冷却効率をさらに高めている。
独立式・チャネル式・複合式の3アプローチを統合した構造で、冷却性能を最大化。IPX8相当の防水・防塵性能も備え、日常使用でも高い信頼性を確保した。
この液冷・空冷技術は、すでに「REDMAGIC Astra Gaming Tablet」で採用済み。テンセントと共同開発した『CrossFire Mobile』向けエンジンを搭載し、165Hz駆動による高い描画性能と滑らかな操作レスポンスを実現している。
また、中国国内の主要6つのeスポーツリーグ(CrossFire Mobile Pro League、LoL Mobile Super Leagueなど)で公式採用デバイスとなっており、プロシーンでも高い信頼を得ている。
さらに、次期フラッグシップ「REDMAGIC 11 Proシリーズ」も予告された。搭載チップはQualcommの最新「Snapdragon 8 Gen 5」。液冷と空冷を組み合わせたデュアルトラック冷却システムを標準装備し、より高い処理性能と安定性を実現する。
同社によると、『鳴潮』を90fps・超高画質設定で120分間連続プレイできるほどの安定した動作を確認しているという。さらに2K解像度・144Hz対応の人気タイトル200本以上に最適化されており、REDMAGICシリーズとして最大級のゲーミング性能を備える見込みだ。
▶︎ Amazonの「REDMAGIC」公式ストアで最新製品をチェック
(画像提供:REDMAGIC)